2020年05月17日

スルースキル ホンイツも鳴き所を見極める

ホンイツを目指して仕掛け始めたはいいが、なかなかテンパイが入らない。

そんな経験はないだろうか?

今回は、ホンイツ狙い時にアガリ率を高めるスルーのテクニックを紹介したい。


ホンイツ狙いのメリットは、必然的にファン牌が絡みやすいため、アガリ時の打点が高いということ。

また、鳴いても打点がつきやすいため、積極的に鳴きを活用しやすい、というのもある。

これはみなさんご存じだろう。

逆にデメリットとしては、有効牌種が少なく(16/34=47%)、テンパイまでに時間がかかること。

そして、残りの色の数牌が不必要となるため狙いが透けやすく、他家の攻撃に対して回りづらいということが挙げられる。



つまり、ホンイツは有効牌が少ない割に、相手に対応されるとなかなかアガりにくいという成就までのハードルがそこそこ高い役であると言える。

なので、遠いところから闇雲に仕掛けていっても、牌を絞られてしまうとテンパイまで辿りつかないといったことも少なくない。

逆に言うと、相手に対応させるためには最適の役であり、これを利用したブラフ戦術も存在するが、それはひとまず置いておいて、ホンイツ狙いで仕掛ける際に頭に入れておきたい点を以下にまとめた



@仕掛けることで有効牌が減らないか

仕掛けて孤立字牌を切らなければならないとする。
仮にこれが生牌だとすると重なりの受け入れ3枚を失うことになる。

遠いホンイツ狙いでは字牌の重なりをいかに引っ張るかというのが案外大事だったりする。
以前のトピックでそれについて触れているので、参考にしていただきたい。

スルースキル ターツ不足のホンイツは字牌重なりを見る


A連続形を壊さないか

連続形をぶっ壊す鳴きは将来の有効な受け入れを減少させるだけでなく、
仕掛け効率においてもマイナスとなる。


Bチートイツを放棄しないか

トイツが何組あるかというのも仕掛けを考慮する上では重要となる。
ノーメンツで3トイツ程度ある場合は、長引いてもチートイツの芽を摘まないことにより局収支が向上する可能性が高い。
これも有効牌が少ないからこそ、成立する戦略でもある。


Cそれが本当に急所かどうか

ホンイツはその性質上狙いが透けやすいため、ひとつ晒すことが相手の警戒感につながってしまう。
急所が最後に残ってしまうと、危険牌の範囲が狭いために、アガリまで結びつきづらい。
これはどの仕掛けにも言えることだが、特にホンイツは有効牌が少ないからこそ繊細な仕掛けが必要と言える。


D相手の攻撃に対してどのようにバランスを取るか

ホンイツは不要牌の範囲が広いため、相手の攻撃に対して危険牌を掴みやすく、自身の手が死にやすい
危険牌を2種抱えている場合などは、無闇に仕掛けて勝負に行くよりどっしりとメンゼンで構えることで、チートイツなどかわしへの道筋が見えることがある。
メンゼンなら好牌を引いた際に勝負に行くことで、打点とのバランスも取ることができる。


また、天鳳windows版では複合形の仕掛け方が難しく、それに時間がかかってしまうとホンイツとバレやすい、というデメリットも備えている(リアルでは理牌に注意が必要)。


それでは、これらの留意点が実戦でどのように表れるのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
53918.jpg

東3局、原点の親番。全員が25000点とはこれ、珍しい。

ピンズに寄った手で、ドラが東の大チャンス手をもらっている。

下家から8pが出たところだが、これを鳴く?





53919.jpg

スルーした。

シャンテン数で見れば、ポンしてイーシャンテンではあるものの、69pの受けを殺すなど、ピンズの伸びを殺してしまう。

こういうのをポンするのが連続形を壊す典型で、いわゆる「スジの悪い」鳴き。

ポンしたとしてもアガリまでの距離で見た場合、実質遠くなっている可能性が高い。


53920.jpg

対面から7pが出たが、これを鳴く?





53921.jpg

スルーした。これも同様。

それでは、上家からの9pはどうする?





53922.jpg

私はスルーした。

私は、というのはこれは鳴くのも有力だと思うからだ。

テンパイスピードで見た場合、鳴いた方が速い。

ドラがドラだけに、端牌からの仕掛けは警戒の対象にもなり、やや損と判断した。

これが9p3枚目なら鳴いた方がいいだろう。


53923.jpg

上家から2p出たが、どうするか?





53924.jpg

これはカンチャンでチーした。

2pはこの手の急所という判断で、これを鳴くことでぐっとアガリに近づく。

9pから鳴いていれば、2pツモで三面張テンパイだったが、それはそれということで。


53925.jpg

6pツモでテンパイが入る。

対面からリーチが入っているが、何を切るか?





53926.jpg

8p切りとした。

パッと見、4pや5pに手がかかりそうになるが、8p切りが落ち着いている。

イーペーコー形をサンドイッチで三面張、と覚えておこう。


53927.jpg

すぐさまツモって、4000オール。

9pの狙い目具合からも結構な感触のある最終形だった。

仕掛け方の巧拙でこの局の結果は大きく変わっていただろう。


53928.jpg

9pチーから入っても、十分に勝機はあった。

ただ、これをスルーしたとしても悪手にはならない、ということである。

じっくりと仕掛ける機をうかがいたい。



case2
65767.jpg

東3局、3着目の南家。

ソーズに寄った手で、対面から2枚目の1sが出たところ。

さて、これを鳴く?





65768.jpg

スルーした。

これは意見が分かれそう。

スルーしてもアガリ率自体は高くならないので、ガチャガチャ仕掛ける手はある。

ただし、ラス目が親番ということも踏まえると、あまりドラ色で他家の警戒を呼んでも、共倒れになって親が有利になる可能性がある。

そういうバランスも踏まえて、チートイツ本線に手を組んでいくことにした。


65769.jpg

メンゼンで進めていたら、2sと白が暗刻になる。

ここまでくればもう一歩も引かない勝負手と言える。


65770.jpg

9sのポンテンに取れればベスト。

予想外にアガれそうな最終形となった。


65771.jpg

対面から出て、8000ゲット。対面は勝負手のイーシャンテンだった。

これもポンテンまでふかしたことで得られたアガリ。


65772.jpg

仮に対面が切る1sをポンしても、やはりドラツモはあるが、これにより親のツモが効き始める。

親のテンパイ一番乗りから私が当たり牌を掴むという展開になる可能性が高い。

このシナリオを危惧しているからこそのスルーであったと言える。



case3
52412.jpg

南3局、2着目の南家。トップ目との差は12600点。

上家から出た8p、これを鳴く?





52413.jpg

スルーした。

ポイントは、浮き牌の3p周辺、南、中がすべて生きているというところだ。

重なりやくっつきで嬉しい二次変化が多く、またトイトイのような縦の手にする含みも残している。

8pはメンツの急所ではあるが、狙いが透ける上に打点的にも面白くない。


52414.jpg

都合3枚目の8pが出た。

これは鳴く?




52415.jpg

これはさすがにチーした。

打点的にもバランスはいいだろう。

3pのくっつきを見る手もあるが、ダイレクト南単騎とした。直前に出ているのもプラス。


52416.jpg

あっさりツモっての1300・2600。

これで勢いに乗ってトップ捲りを果たす。


52417.jpg

1枚目から鳴いてもすぐにテンパイが入る可能性はある。

しかし、下家はトップ目だけに絞られてしまうと苦労するのがホンイツの難。

点棒状況に余裕があるなら焦らずにじっくり構えるのが吉。



case4
42759.jpg

東3局、3着目の南家。

2枚目の1mからポンしたところ。


42760.jpg

上家から5mが出た。

これを鳴くか?





42761.jpg

スルーした。

終盤の入り口だけに、これは仕掛けてプレッシャーをかけるという手もあるだろう。

ただ、25m部分はこの手において急所ではない。

東の重なりなどもうれしく、手広くツモに期待することにした。


42762.jpg

ここをツモれれば、スルーした甲斐があったというもの。

5mを先にチーしているよりぐっとアガりやすくなった。


42764.jpg

満を持してチーテンに取ったが、下家のツモアガリとなった。1300・2600。


42765.jpg

実際には25mはそこそこ薄く、チー自体が間違いというわけではない。

ただ、最終形とアガリやすさのバランスから、ワンスルーを入れても十分に勝負になるということである。

この巡目のスルーにより25mは拾いやすいという含みもある。



case5
57148.jpg

南2局1本場、17900点持ち3着目の親番。ラス目とは微差。

1枚目の白が出たが、これを鳴く?





57149.jpg

スルーした。

こういうのはオリジナルかもしれない。

白ポンから仕掛けてもターツ不足で、牌は絞られるし全然アガれる気がしない。

白は2枚目から仕掛けられるし、重なりからチートイツの芽も摘みたくないという主張。


57150.jpg

一手進んだ後に、上家から7pが出た。

これを鳴く?





57151.jpg

スルーした。

7pはメンツ手の肝だが、ド急所という感じでもない。

白スルーしたこと踏まえると、この7pも積極的に鳴きたい感じがしない。

南、北、中はすべて生きているので、そちらの重なりの方がうれしいかもしれない。


57152.jpg

徐々に徐々に手が伸びてきた。

こうなればもうメンツ手だね。


57153.jpg

しかも、このタイミングで白が鳴ける。


57154.jpg

おまけの一通までついて、なんと4000オールに仕上がった。

こうしてみると、ホンイツの仕掛けは必然性を加味しながら、形が整ってから鳴いた方が有利であることがわかる。


57155.jpg

白を1枚目からポンしてもテンパイまでは苦労しそう。

白ポンも普通だが、迷いながらこういうのを鳴いても上手くいかない印象が強い。



case6
57980.jpg

オーラス、7900点持ちラス目の南家。

3着目対面との差は5700点と、1300・2600ツモが急務。

幸いにもピンズの寄ったかなりのチャンス手をもらっている。

1pが出たが、これを鳴く?





57981.jpg

ポンした。

端からのポンなので連続形は壊れにくい。

1pポンならテンパネの条件も満たしやすい。


57982.jpg

上家から9pが出た。

さて、これを鳴く?





57983.jpg

チーした。

一見連続形が崩れたように見えるが、ここをチーしても147p258pでテンパイと、受け入れは十分。

ぜひとも7pや8pのツモに期待したいところ。


57984.jpg

ところがどっこい、有効牌を1枚も引かないまま、まさかのノーテン流局。

そのままラス終了となってしまった。

今まで見てきた例と一体何が違うか、お分かりになるだろうか?


57985.jpg

そう、仕掛けに焦りの色が出ている。

この9pチーは、テンパイの受け入れはともかく、最終形という点から見れば優れているわけではない。

むしろ字牌の受け入れを殺してピンズの形を壊してしまう、悪い鳴きの見本だ。

落ち着いていつも通りスルーしていれば、ダブ南を重ねて難なくツモアガリ。ラス回避できていた。


麻雀の神様はきちんと私やあなたの精神状態を見ていて、そのバランスに応じて報酬を与えてくれる。

焦りで大局が見えなくなると時としてこのような罰を下される。

こういう場面で焦らないために、日頃の鍛錬、土台作りが重要だということだろう。



case7
57930.jpg

東4局、微差2着目の西家。

ツモが効いてメンホンのイーシャンテンが広くなった。

ドラも絡んで弩級のチャンス手だ。


57931.jpg

新ドラの7pが出たが、これを鳴くか?





57932.jpg

なんと、スルーした。

通常喜んでチーテンに取るところではないだろうか。


57933.jpg

ひゃー、これはうれしい4pツモ。

当然の三面張に取って、ダマ。


57934.jpg

難なく9pを拾って、16000のアガリとなった。

南家のリーチ一発目だったが、下家にも手が入っていて9pが出る運びとなった。


57936.jpg

7pをチーテンにとっても、上家からの先制リーチ後私の12000のアガリとなる可能性が高い。

69pが盲点になることからも、これは7pチーで良さそう。

通常、ホンイツのチーテンポンテンなら取っておいて損はないはず。


一方で受け入れが広くメンゼンで行けると踏んだら、そのまま押し通してしまうというのも一つの手だ。

不思議と悪い結果になることは少なく、本局のように決定打を得られることも少なくない。

case6の失敗例と対照的だが、面白い示唆を含んでいるのではなかろうか。



※AMPを無効化したため、現在検索がしづらくなっています。
また、諸事情により一時的にコメント欄を閉鎖しています。ご了承ください。



ラベル:染め 不鳴
posted by はぐりん@ at 23:51 | Comment(0) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: