2020年09月27日

攻め返しは中途半端にしない

先制リーチに対して慎重に対応したらアガリを逃してしまった。


何も珍しくない、麻雀においては日常茶飯事で見られる光景である。

言葉にすればたった一行で吹けば飛ぶように軽いが、打っている者からすればチャンスをふいにしてしまったのではないかという後悔の念、判断の是非への執着など、その一局は非常に重いものとなる

プロのタイトル戦など、場合によっては人生を賭ける場面でそれが訪れるかもしれない。

それこそ、夢にまで出てきて後悔に苛まれる、きっとそういうこともあるだろう。

私においてもそれは例外ではない。


麻雀は対応のゲームである。

だからこそ、刻一刻と変化する状況に対応しながら自分にとってできるだけ損の少ない着手を模索していく。

リーチ一発で危険牌を易々と打ってくる者に強者は少ない。

対応の余地があるのだから当たり前の話だ。



しかし、である。

何事もリスクをとらなければリターンを得られない。

技術の向上はリスクを最小限に抑えることではなく、リターンを最大化させるために採られるものであるはずだ。

麻雀というのは手牌+ツモの14枚を駆使してアガリを目指していくゲームである。

1牌が押せないと有効牌が減って結局オリることになる。

そのうちにどこで攻めたらいいかわからなくなって勝負所を見失う。

典型的な天鳳病である。


ふと、思う。

AI的な正しさが叫ばれて人間の感情が封殺されている。

ロボットは呼べば答えてくれるがその分友達が減った。

的を得た個人の1批評が、誹謗中傷として警告を受ける。

知りたい情報は何でも得られるが、その分人は落ち込みやすく、孤独になった。

この世は便利になったが、なんか、無機質になった。みんなが大人しくなった。

感情が行き場を失って悲鳴を上げている。感情クライシスが起こってる。


だから、今。

ちょっとだけ冒険をしてみないか。

今日一日だけ、リーチ一発目でも手の赴くままに危険牌を勝負してみよう。

それが当たっても構わない。

上手くいったら微笑んで、ダメだったらがっかりしよう。

自分の感情を楽しく開放してみよう。

大丈夫、君の隣人もきっと微笑んでくれるさ。

人間的な麻雀を打つことで、心の靄(もや)が少しだけ晴れるかもしれない。

心のリバランスをすれば、それが何かのきっかけになるかもしれない。


おっと、途中からポエムになってしまった。

攻め返しの際は、対応を意識しすぎると有効な変化を逃してしまうことも少なくないため、行くと決めたらシンプルに全力で行くのがいい。

攻守バランスにこだわり過ぎると自分の軸がぶれやすくなるため、手牌の形で類型化しておくのがいいだろう。

相手の雀風も踏まえ、リーチのかけ得ということにならないように、多少なりとも押し返してプレッシャーをかけておくことで、後々相手のリーチ判断に影響を与えるということもある

また、リーチがかかる前に安全牌を確保しておき、リーチがかかったらむしろ全力というようなメリハリを持つことも、現代麻雀では必要なスキルと言えるだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東3局、34400点持ちトップ目の西家。

たった今、親リーチに続いて南家の追っかけリーチが入ったところ。

このタイミングでこちらもテンパイしたが、赤5pが浮いている。

さて、どうしよう?





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8p切ってお茶を濁した。

場況的に9pは狙い目だが、ラス目の親リーチに対して一発で赤5pは切りきれず。

宣言牌が3pということもあり通常手はかかりづらいだろう。

この仮テンにとってしまうとアガリ目が大変厳しいのが難で、テンパイに取っただけという感じになってしまう。


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次巡、持ってきたのは痛恨の9p。

やっちまった感満載だが、それはそれ。

さて、ここからどうするか?





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9pをツモ切ったところ、これが当たり。

裏が1枚乗って痛恨としか言いようのない11600の放銃と相成った。

たまたま8pがワンチャンスになったのでテンパイ維持としたが、これが甘かった。

アガリ逃しにつき繊細に注意を払うべきところだが、共通安牌が乏しく、このぐらいはという判断になってしまった。


かわし手のためにラス目の親リーチ一発目に赤を勝負できないと考えるのであれば、この9pでしっかりと撤退するべきだったか。

ただ、やはり安牌が続かない懸念というのもテンパイ維持の根拠としてはあり、難しいところだ。

何も考えずに赤を切って追っかけていれば、逆に一発ツモで裏1の2000・4000となっていたわけで、上記の議論は一切必要なかった。

無条件に赤切りリーチがいいということではないが、赤を切って放銃するよりもこの9pで放銃する方が圧倒的に悪いというのは理解していただけるだろう。

方針に一貫性が必要という意味で、受けにはかなりの技術が求められる、という事例である。


42286.jpg

対面の入り目はカン4pだった。

論点として、赤を先に払っておくべきというのも一理あるだろう。

このケースでは、赤の受け入れが2種であることと、仕掛けの下家へのケアという点も考慮したが、仮にピンズの赤受けが1種の場合はとっとと払っておくべきかもしれない。



case2
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南3局、9700点持ちラス目の西家。

3着目まで8000差であと2局という苦境に立たされている。

ラス目につき、一発目の9sはブンと押したが、次に掴まされたのはこの8s。

さて、どうしよう?





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ここで3p切りとした。

上家はドラを切っていて、ペン3pはなさそう。河からもピンズはまだマシに見える。

1sと5sがかなり切りづらいのでそれを使い切れる最終形を目指して。


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ここで待望の雀頭ができ、8s勝負とした。

456の三色になれば十分な勝負となる。


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1sが現物となり、1mと7mを振り替えて、さらにこのくっつき。

出来た!とばかりに追っかけに踏み切った。


tenhou.29340.jpg

も、上家にツモられ1300・2600。

満を持しての追っかけだけにがっかり感もひとしお。

この局の結果が響いて、ラスで終了した。


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みなさんお気づきだろうか?実は本局、私に痛恨のアガリ逃しがある。

原因は、この場面で選んだ3p切りだ。

8sは重なりにくく、ターツとしても使えない、最も機能しにくい牌につき、ここではツモ切るべきだった。

一発で押した9sにくっついた牌だったため、感触が悪いとして押しを躊躇ってしまった。


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8sを押していれば、手順で258p待ちのテンパイが入る。

ここで赤5s切りの追っかけに踏み切るだろう。


tenhou.29343.jpg

すると、一発で赤5を討ち取り、裏がズバリ5pでハネ満のアガリを得られていた。

ラスどころか2着終了も現実的だったというわけだ。


このように、リーチに対して中途半端に受けてしまうとアガリの効率を損ねることが多く、一牌の後先でアガリを逃してしまいやすい。

連続形を放棄してしまうことは変化の上で損が大きいことがわかるだろう。

受けるにしても効率を損なわないように受ける、なんとなく受けない、ということの大切さが分かる事例だ。



case3
38018.jpg

東2局、16700点持ちラス目の北家。

トップ目の対面からリーチが入っている。

こちらもタンピン三色のイーシャンテンだが、持ってきたのは1個ずれた4p。

さて、どうしよう?





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これを押した。

タンピンで仕上げるためには、4pと6pの無スジを2種通す必要があり、このへんで回りたくなるところ。

8s切りも考えたが、こちらはビハインドの身であるため、真っすぐに勝負とした。


38020.jpg

巡目が進んで7pが通り、上家から5mが出たところ。

チーテンに取れるチャンスだが、これを鳴く?





38021.jpg

これをガンと跳ねつけると、持ってきたのは最良とも思しき6pだった。

満を持して、アムロ、行きま〜す!


38022.jpg

一発で出たのは対面の悲鳴が聞こえる赤5mで、8000ゲット。

真っすぐ押し、かつツモを信じて突き進んだその判断が噛み合った瞬間だった。

仮に6pが飛び出ていてもセーフだった。


38023.jpg

この時点で、対面の待ちは既に山にない。

こういうこともあるから、攻めは真っすぐ、全力がいい。



case4
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南1局、20300点持ち微差ラス目の親番。

大物手狙いをしていたところ、2着目南家からリーチが入って一発目

有効牌とも安全牌ともなる南が重なった。

さて、何を切る?





41851.jpg

手広く、危険な9sを押した。

6sが切りづらいだけに、一発目に押すのはやや抵抗があるところ。

ただ、南が現物であることも踏まえると、仕掛け含めてテンパイの有効牌が段違いとなる。

下家のツモ切りリーチ、これも端牌の9sが押しやすくなる要素となる。


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5sツモでテンパイ。3sが通って6sが切りやすい状況となっている。

日和って南を切っているとテンパイが入らない。

勢い、リーチと行きたくなるが…


41853.jpg

この変化があるのでダマが正解だ。

リーチによる打点上昇効果がそれほど見込めない場合は、変化を重視する。


41855.jpg

これをさくっと引きアガって4000オール。

この最終形ならリーチで良かったかもしれない。

選択で南を切っていた場合は、8sが現れずにアガれていないばかりか、25sで放銃まであったかもしれない。

下家の待ちが47sにつき、勇んでカン2sリーチなら4sが捕まっていた。

このぐらいのチャンス手なら「自身の都合で」打つことが大事であると同時に、最後の最後まで気が抜けないこともわかるだろう。



case5
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南1局1本場、22600点持ち3着目の西家。

親からリーチが入っているが、こちらも赤赤とかなりのチャンス手となっている。

1mを引き入れ、テンパイとなったところ。

さて、どうしよう?





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ツモ切りとした。

シャンポンでリーチするのは5s勝負にやや見合わないと判断した。

安全な9pを切るのはマンズのくっつきテンパイを逃してしまうので有効牌がかなり減ってしまう。

攻めのテンパイ取らず、だ。


57953.jpg

狙い通りに5mを引き込みテンパイ。

5sは目立つが、36mはいずれも現物につき、ここはダマテンとした。


57955.jpg

リーチの親から出て、3900。

即リーチでも9p切りでもアガれていないため、積極的なテンパイ取らずが奏功した。


57956.jpg

4m9pも山にいたため紙一重ではあるが、アガリを拾えていないと7sで親のツモアガリがあった

場面を切り取れば正解は難しくないかもしれないが、選択肢が多いと難易度はぐっと上がるという事例ではないだろうか。



case6
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東1局、前局4000オールを親にアガられて迎えた1本場。

勢いに乗った親から先制リーチが入っている。

こちらはネックの急所が埋まって大チャンス手のイーシャンテン。

さて、ここから何を切る?





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現物を切らずに赤5m勝負とした。

場況的にも打点的にもソーズの4連形はぜひ生かしたいところ。

くっつきの広さで赤に手がかかるのは必然とも言えるだろう。


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狙い通りにピンズで好形ができ、現物待ちのダマテンに。

手出しが現物につき、これは拾えるかも?


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しかし、まさかのラス牌をツモられ、裏8sの3900オール。

勢いのまま押し切られてしまった。

2s切りでも最終形に違いはなかったわけだが、長い目で見れば受け入れの差が結果となって表れるだろう。

このぐらいはっきりとした攻めの牌姿の場合は腹を括りやすいか。



いずれにせよ、攻め返しには強い意志と精神力が必要なため、時に感情を解き放ち、心をリバランスして、攻め返すためのメンタルを準備しておくことが手掛かりとなるかもしれない。



ラベル:天鳳 攻撃
posted by はぐりん@ at 11:38 | Comment(0) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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