単純形では間違いようのない形であっても、1メンツがくっつくなど複合形になった途端に難しくなる牌姿というのは麻雀において珍しくない。
例えば、














これなどは何切るで頻出する代表的な形。
形が決まったからと2mを切ってしまうと、カン3mの受けを逃してしまう。
いわゆる両面カンチャンと呼ばれる形だが、これが面白いのは、














カン3mを意識しているところから6mをツモった場合、これを見逃すことは少ないという点だ。
いっぺんにたくさんの受けができるからこそ間違いやすい。
つまり、その時の形とツモによって錯覚のしやすさが変わってくるということになる。
これは私自身打っていてもよく感じる部分であり、わかっているつもりでも実戦ではうっかりということもままある。
これについては数をこなして実戦で覚えていくのが一番ではないかと思う。
ただし、リアルではミスに気づかないままということもありえるため、牌譜で確認できるネット麻雀などで鍛錬を積むのがいいと思う。
両面カンチャン形については以前の記事で触れているので、参照していただきたい。
両面カンチャン形を見落とさない
単なるリャンカンであっても、その時の入り目や形によって非常に見えにくくなることがある。
それでは、実戦例からいくつか確認していこう。
case1

東3局、19800点持ちラス目の親番。
この親番で少し挽回しておきたいところ。
ピンズの形からリャンペーコーまで想定していたところ、望外の5pをツモった。
さて、何を切る?

9s切りとした。
巡目が早いなら24s落としからピンズの好形変化を見るところだが、テンパイスピード並びに即リーチできる形を重視した。
雀頭を5pに移行させることで、





この場合、ピンズが動かしづらく、イーペーコーが流動的となるため、感覚的には選びにくいのではないだろうか?
ただし、カン3sの受けが残るため瞬間のテンパイチャンスとしてはこれが最大となる。
また、何をツモっても即リーチするという意志を持った選択でもある。

このように、最速で好形テンパイになりやすいという魅力がある。
また、5sツモ時にピンフに取れる利点があるため、カンチャン落としなら2sから切るべきということもわかる。
仮に4sから切った場合、中膨れ5pと9sのシャンポンとなり、これだと即リーチはかなり打ちづらいはずだ。
単純形なら迷わない形でも、複合形だと随分難しく感じないだろうか?
タンヤオの9s切りもあるが、枚数重視のピンフに受けて即リーチとした。

結果、流局一人テンパイとなった。
狙い通りに先制の利を生かせたのでまあ良しとするところ。

3s5sは合計山に5枚で、速度を重視するなら十分な枚数が残っていた。
ピンズの有効牌も山には多く、選択としての難易度は高い局面だったことがわかる。
case2

南3局、33500点持ち2着目の北家。
下家の親と熾烈なトップ争いをしている。
ソーズの複合形から有効牌となる8sを引き入れたところ。
さて、何を切る?

7p切りとした。
69sがやや薄いので、7pくっつきの保険も兼ねて3s切りも考えるかもしれない。
しかし、それだとカン4sの受け入れがなくなってしまう。
この形から345sのメンツを抜いてみると、






また、ソーズホンイツへの移行もある。

おまけに4sはイーペーコーまでつく超絶嬉しいツモ。
複合形にはこうしたイーペーコー絡みの受け入れ増加もしばしば見られる。










例えばこんな形だ(6sでも7sでもイーペーコー)。

即リーチから首尾よくツモアガって、1300・2600。
ライバルを親っかぶりに沈めて、このゲームのトップを奪取することに成功した。
case3

東2局1本場、32500点持ちトップ目の西家。
絶好の入り目を得てイーシャンテンになった。
一気にチャンス手になったが、ここから何を切る?

親と南家に対する危険度を重視して9s切りとした。
が、これはうっかりミスでカン8sの受け入れを放棄してしまう。
これぐらいのチャンス手なら手牌に真っすぐでいいだろう。
つまり正解は1s切りだ。これだとカン3s、カン8sいずれの受け入れも残すことができる。

入り目がこちらなら最終形は狙い通り3s待ちに。
入り目が8sでもイーペーコーがついて打点は変わらないため、8sの受けは残したい。
ここでは変化を重視して1s切り。
例えば6sツモなどが嬉しい変化となる。

ダマテンから赤5pを引き込み、無事に8000をGET。
ミスったが結果に影響なくホッと一息。

3sも8sも山に2枚ずつ。
69sが危険に見える親や南家の河だが、どちらも69sの受けはなく読みは当てにならない。
真っすぐ自分の手牌に忠実に構えることが最善だとわかる。
このように、複合形からのリャンカンは形によって見えにくいことがある。
前もって考えおくこと、そして実戦後は復習すること。
この作業を地道に行うことが、形に慣れ、形に強くなるための一番の近道だろう。
一盃口つくし3sめちゃくちゃ良さそうに見えますが。
確かに3sは山に居そうですよね。
相手から見た場合、自分の河は3sが出やすい河ではないですし、ダマなら親や南家から3sはかなり拾えそうなのでここではダマがやや得な気がします。
これがダマ2600ならリーチで良さそうですね。
形に強くなるのは大事ですが、複合形+両面嵌張はパッと見では分かりにくいですし、「ゴチャッとしてるところは気をつけて触れ」と自分に言い聞かせてやるようにしてますね。
一色の多面張はむしろ暗刻・槓子をどう見るかっていう原則に従えばいいので、シャンテン以下での複雑な形こそが長期成績に影響与えそうです。。
天鳳は理牌簡単に出来るのでいいですが、雀魂は初心者向けをウリにしている割に、「自動理牌」を手動でOFFにしないと好きなように理牌できなかったりします(汗)
そうですね。
待ちは何かと問われると間違わないけれど、それに至るプロセスが難しいですよね。
おっしゃる通り、例えばチンイツならシャンテンからの仕掛けが難しかったりしますもんね。
牌の並びをご自身で変えてるなんて上級者ですね。
僕はほぼデフォルトでやってましたね〜。