2021年06月13日

牌効率無視 ホンイツ狙いは大胆に

今回は分岐のあるホンイツについて。


打点の必要じゃない状況で受けの狭いホンイツとの選択を迫られる、わりと悩ましい選択ではないだろうか。

赤入りだとリーチの脅威が大きいため、牌効率に寄せたくなるのが一般的だ。

しかし、ただスピードに寄せればアガりきれる、というほど単純なものでもない。


確かに、ホンイツは有効牌が少なく、河で狙いがバレやすいため出アガリのしづらい役である。

ラス目が一発逆転に賭けて狙ったところで、河に必死さが映りなかなかアガれない。

逆に言うと、上位者が狙うことで、攻め返さざるを得ない下位者から拾える可能性が生まれる。

しかも、ホンイツを狙う必要のない点棒状況であるならなおさら盲点となる。


強者の打ち筋に、序盤からやたら派手なホンイツ模様の河、というのがしばしばある。

点棒があるのにそのような河を見せられると、こちらは少しブルってしまう。

遅くて高い手というのが想定できるが、長引いた際になまじ危険ゾーンがわかっているゆえに切れなくなる牌が生じてくるからだ。

ホンイツは打点的な破壊力があるため、引き気味に構えたところアガリを逃す、というような事態が生じやすい。

このように、河の圧を優位に利用することでホンイツはその価値を増す手役であると言える。

強者は、遠いけれども仕上がれば決定打になる、という構想が非常に上手いイメージがある。


そして、ホンイツの上手い人は、狙う場所・狙う牌姿・そのタイミングが絶妙で、閃きに近い直観のようのものを持っている人が多い

牌効率を習ってしまうと、どうしても目先のアガリに捉われてしまって、思い切った着手がしにくくなる。

スピードが求められる現代麻雀ではなおさらと言える。

しかし、このへんの目先の損得に捉われてしまうと麻雀の本質を見失う可能性があって、ここに中級者と上級者の大きな壁がある。

ホンイツはそういう雀士の幅・器を測るためにうってつけの手役であると私は考えている。


そういえば、ホンイツ好きで定評のある佐々木寿人が鳳凰位を戴冠した

その一報を聞いた時、自分のことのように嬉しい気持ちになり、私は佐々木寿人が好きだったんだなあ、と改めて思った。

鳳凰位の佐々木寿人が好きな手役がホンイツなのだから、ホンイツを制する者は麻雀を制す、である。


それでは、どのような場面でホンイツの分岐が訪れるのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
47347.jpg

南2局、29100点持ち2着目の西家。

上3人がダンゴで熾烈なトップ争い。

整った手牌から、9mツモで一歩前進。

ホンイツあり、チャンタあり、もちろん南のポンもありだが、さて何を切る?





47348.jpg

3s切りでホンイツ狙いとした。

アガるだけなら1mだが、1000点でいいというわけでもない。

ホンイツなら仕掛けても打点がつくし、何よりマンズが安くて感触がある。


と思っていたら、次巡にズバリ2mツモで絶好の最終形となった。

さて、リーチする?





47349.jpg

ダマにした。

割と目立つ河の上、拾えそうなマンズにつきダマは普通。

ラス目の親を流す目的があるのも大きい。

南をツモっても25m待ち続行になりそうだ。


47350.jpg

やや長引いたが、トップ目下家から出て8000となった。

恐ろしいことに上家に高めツモ倍満というお化けが入っていた。

4mスライドの余地を残すダマテンに意味はあったと言える。

結果的には、牌効率に従っていても4s一発ツモで実入りには変わらなかったわけだが。

会心のアガリも、この半荘は2着だった。



case2
47365.jpg

東3局、33100点持ちトップ目の南家。

ややバラバラの手から8mをツモったところ。

ここから何を切る?





47366.jpg

4p切りとした。

メンツがないので、浮き牌の字牌を残してメンホンチートイを視野に入れた。

仕上がりは遅いが、仕上がったら高いよ、という手組み。


47367.jpg

この白引きで相当手が引き締まったように見える。

が、あれから引いた牌は7mと白のたった2枚のみである。

これで仕掛けも視野に入るが、チートイツの可能性を残してここでは発切りとした。


47368.jpg

白をポンして、上手くテンパイまで漕ぎつけた。

14mはとてもアガれそうな待ち。


47369.jpg

も、余った5mが親に当たりで2900。

決定打には惜しくも届かなかった。



case3
47370.jpg

東4局、30200点持ちトップ目の親番。

4巡目に西をツモってきたところ。

さて、何を切る?





47371.jpg

2s切りとした。

最も弱いカンチャンを外しつつ、ホンイツの可能性を残した。

浮き牌の9pは何気に重要な牌で、これを安易に切ってしまうとドラツモで右往左往してしまう。

2sから切るのは狙いをボカすため、そして万一の赤5sツモに備えてのこと。

ファン牌トイツに赤1というところで仕掛けて満貫が見える。


47372.jpg

中スルーからのドラ引きで、形が整ってきた。

ここでも一貫してホンイツ狙い継続のマンズ落とし。

やりすぎになるきらいもあるが、ここは牌の伸びを信じて。


47373.jpg

絶好の8pツモでいよいよアガリが見えてきた。

9pを引っ張った甲斐があったやね。


47374.jpg

終盤にテンパイが入った。

さて、何を切る?





47375.jpg

これは一見中が拾えそうに見えるが、引っ張った9pの意味を考えてMAXに受けた。

こういうところで小手先の技に走らず、あくまで牌の流れに沿った選択を心掛けると好結果が出やすい

ターツ落としをしてまで引っ張った9p、これが残った意味を考える。


47376.jpg

しかし、下家のダマにかわされ、1000点。

惜しくも大物手の成就とはならなかった。

上家は役を捨てて苦しいフリテンに受けていることから、十分に警戒されていたことがわかる。

マンズのターツを取っておいても最終形は中と5mのシャンポンになっている可能性が高い。

ということは、47p待ちに優位性があったはずと私は考えるが、残念ながら手牌オープン画像はありませんでした。



case4
77526.jpg

開局の西家。

なかなか面白い配牌をもらって3巡目、1sをツモってきたところ。

さて、何を切る?





77527.jpg

これをツモ切りとした。

さすがにドラスジだし、ホンイツ確定というわけでもなさそうというのがその理由だ。


77528.jpg

ホンイツ含みになるのは想定内。

後はドラにくっつけるのみ。


77529.jpg

ところが、あろうことか1sの方を立て続けに持ってきてしまう。

痛恨、これ以外の言葉が見つからない。


77530.jpg

なんとかテンパイが入るも、アガリきるまでのエネルギーはもはや残っていなかった。

下家にツモられ、500・1000。


77531.jpg

仮にあそこで1sを残していたなら、この中でなんと4000・8000のアガリとなっていた。

些末な効率に捉われ、大魚を逃してしまった典型。

1sを切った瞬間、あっ、と思ったのだがその後悔が何倍にもなって押し寄せてくるとは…。

打てている時は何気なく残せる1sであっても、頭が硬い時はなかなか残せなかったりするものだ。

この半荘がラスであったのも合点がいくだろう。

この1sを残せるかどうかが、麻雀が打てているかどうかの試金石となっていること、これは理解していただけるのではないかと思う。


このように、ホンイツの分岐は頭で考えるというよりも、閃きや直観に頼る部分が大きい。

打てている時はなんとなく実践できるのに、勝ちにこだわると途端に逃してしまう不思議な傾向がある。

これを防ぐコツとしては、頭のアンテナを張り巡らせる、手牌を俯瞰して見る、このあたりにあるだろう。

アガリよりもその先を見る、ホンイツの奥深さを実感できるのではないだろうか。



ラベル:天鳳 染め 手役
posted by はぐりん@ at 00:39 | Comment(0) | 手役狙い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: