2021年09月05日

遠い三色の芽 序盤は追ってよし

スピード重視の現代麻雀においてとかく手役というのは軽視されがちだ。

特に赤入り麻雀では、端絡みの三色・チャンタ系は今や「死役」と言っても過言ではない。


苦しい受け入れを見切って、内に寄せる打ち筋は基本的には正しい。

しかし、最初からないものとして考えてはいないだろうか?


赤入り麻雀の台頭は一見、打点のインフレ化をもたらしたように見えるが、配牌による格差を助長したという見方もできる。

赤やドラのある打ち手は全力で突っ込み、何もない打ち手は震えながら手仕舞いする。

現実世界と一緒でこの格差の拡大は、駆け引きの妙味を損なわせているということもできる。

押し引きのメリハリが大きくなった分、麻雀のゲーム性も淡白になったと言えるかもしれない。


持たざる者に必要なものは何か?

それは創意工夫である。

点棒が必要になってから焦っても遅く、そのために必要なのが原点回帰の構想力だ。

せめて、ロンと言われることが少ない序盤ぐらいは遠い手役を夢見てもいいじゃない。

6巡目ぐらいにダメだったらあきらめるぐらいでも十分にバランスは取れる。

フラットな時こそ、手役の可能性を追うという工夫が、わりと侮れない差になると私は思っている。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
61401.jpg

南2局3本場、9600点持ちラス目の南家。

3着目の対面とは8300点差となっている。

配牌はまずまずにつき、このへんで差を詰めておきたいところ。

中の機動力はあるものの、赤やドラがなくパンチの足りない手となっている。

一打目から選択となったが、さて何を切る?





61402.jpg

9m切りとした。

手なりなら8s切りだが、678の三色を見つつこの着手とした。

トイツ2組につき効率的には問題ないが、カン2sが埋まったらややちぐはぐな手組みとなる。


61403.jpg

狙いのカン7sが埋まり、ぐっと手が引き締まる。

三色が現実的に狙えるラインになった。


61404.jpg

ぐぅ!なカン7mツモ。

これはいよいよやる気が出てきた。5s切り。


61405.jpg

ベストオブベストの中を引き込み、即リーチ。

トップ目が脅しの加カンでこれはぜひともアガりたい。


61406.jpg

しかし、二人テンパイで無念の流局(;´Д`)

親は全ツで応戦も、掴み合いとはならなかった。

脇の手を見るに、69pは山にたくさん残ってたっぽく惜しかった。

親テンパイなら局進まずに差が縮まるからまあいいか。

この半荘は執念実って3着捲りとなった。



case2
61738.jpg

東2局、23000点持ちラス目の北家。

かなり整った手牌から絶好の赤5mを引き込んだところ。

赤1あるなら手役にこだわる必要もないが…

さて、何を切る?





61739.jpg

5s切りとした。

一見345が近そうな手にも見えるが、実はこの手の本命は789の三色なのだ。

麻雀にありがちな錯覚ではないだろうか。


61740.jpg

そして、狙いの7mを引いてきた。

さて、何を切る?





61741.jpg

4p切りとした。

25pが良さそうな場況につき悩ましいが、5mが赤となればこれはもう決断の時。

6mが二度受けにつき、テンパイチャンスとしては嫌われやすい牌姿。

だがこの形は、安目の6mが入っても三色テンパイとなる珍しい形でもある。

昔の何切るではマジョリティとなっていたのがこの34p落としであり、昭和の麻雀フリークなら記憶の片隅に刻まれているのではないだろうか。


61742.jpg

だっふんだ、のド高目ツモ。

この仕上がりなら勢いリーチでもいいが、両面ターツ落としが目立っているのでここはダマに構えた。


61743.jpg

これを対面からいただいて、7700。

たった1枚の8m残しがこのアガリに結びついたとなれば威力は絶大。

守備力との勘案で8mをどこまで引っ張るかは難しいが、手役を蔑ろにしない姿勢が活きた格好だ


61744.jpg

山を開けてみると、やはりツモ筋に36mはいた。

トップ取りのリアルなら勇んでリーチでも問題なさそうだ。

終盤の3mにつき紛れもあるので、ここはこれで良しとしよう。

この半荘は2着だった。



case3
61762.jpg

南2局1本場、22100点持ち3着目の南家。

全体は割と僅差でまだまだ予断を許さない。

こちらは一通とドラのくっつきを目論んでいたところ、最悪のカンチャン待ちが出来あがってしまった。

さて、リーチする?それとも?





61763.jpg

テンパイに取ってダマとした。

これはなかなか難しく、取りづらい選択の一つではないだろうか。

一通を見たいのはやまやまだが、2mのくっつきはイマイチだ。

それならば、36m引きのタンヤオ変化を見つつ、48s引きの両面変化に対応できる構えとした。

裏目の3mがタンヤオとして機能するのも悪くない。


61764.jpg

9pを引き込んで、どうしよう?





61765.jpg

6p切ってダマ続行とした。

タンヤオ変化との勘案だが、これは明らかに三色変化の方が破壊力がある。

9sが有効牌として機能するのも大きい。


61766.jpg

間髪入れずに三色変化となる9sを引き込み即リーチ。

タンヤオか一通狙いだったはずなのにどうしてこうなった?の嬉しい誤算。

時代はモロ引っかけじゃあ。


61767.jpg

まっすぐに攻めてきた親から出て、裏1の8000。

あの苦しいカンチャン待ちからまさかこの最終形になろうとは。

こんなのたまたまだと言われるかもしれないが、実際たまたまなんですよ。

たまたまを結果に結びつけるために、考え続けることが大事なんですよ。

たまたまさえあれば男は生きていけるんですよ。

手役の意識というのは思考を継続するための潤滑油になりうる、ということが伝わったのではないだろうか。


二手先を読む必要はなく、一手先の手役を丁寧に見る。

手役を狙う意識を持つことは、思考を継続する習慣にもつながる。

このことは、麻雀の大局観を養う上でも重要な意味を持っているのではないだろうか



ラベル:天鳳 手役 三色
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(6) | 手役狙い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ。ずっと悩んでる課題があるのではぐりんさんなりの回答が聞きたいです。
・メンタンピン(ドラなしorドラ1)の手って鳴かずに面前で仕上げたいですよね。仮に我慢して他家からリーチが入ったら1シャンテンのまま押すor降りるのか
・他家の仕掛けに対する押し引き
これにはずっと悩まされてきています。リーチと違っていつテンパイしたかわからないので、よく自分の手次第と聞くのですがどの程度の牌姿なら・・というのがいまいちわかりません。
Posted by at 2021年09月05日 12:13
>>名無しさん
・攻め返しの根拠は、「自身がアガリ切れる確率が十分にあるかどうか」です。河などの状況からアガり切れると思えば突っ込みますし、テンパイがせいぜいだと思ったらそれは行く価値がないと判断していいでしょう。

・仕掛けを読む際はテンパイか否か待ちが何かよりも、打点がどのくらいあるかを中心に読んでいきましょう。高い仕掛けには放銃しない、これを強く意識することが重要です。自分が仕掛けていて相手からリーチが入ったらどう思いますか?リーチの強みを生かして、仕掛けには上から目線で行きましょう。

ひるまずに戦っていきましょう。がんばれ!
Posted by はぐりん@ at 2021年09月05日 17:59
はぐりん@さん

ドラ枚数や点差でどれぐらい打点見るかは割とsystematicにやれると戦術本で読みました。
そこに書かれてあったように、ドラ1,2は立直の打点効率がよくメンゼン手順、ドラ0は打点アップ(特に2飜以上)を重視、ドラ3以上はスピード手順(孤立役牌の価値up)と分けて打つようにしたら手組みしやすくなった印象あります。
速度一辺倒の時代から打点見る麻雀へと変化してきていますし、いかに手牌価値をつくるかは修行したいものです。
Posted by クソ親父 at 2021年09月05日 21:07
ここ数年でのAIでの解析などにより「先切り」「中盤以降でのスリム化」「打点寄り」になっていますよね。これ思ったんですがじゃあ小島武夫時代の打点を見る打ち方や先切りって正しかったってことですよね。スーパーフェニックスなどのAIも公開対局で見るようなプロの打ち方まんまという印象です。
Posted by 分析マン at 2021年09月05日 21:33
>>クソ親父さん
そうですね。
イメージ的にはドラ1あるかどうかが手役狙いの分岐という感じですから、赤あり麻雀はやっぱり手役の価値は下がってますよね〜。
相手の守備力が高まっている分、一撃の重要性も上がっているというのはありそうですね。
Posted by はぐりん@ at 2021年09月06日 18:52
>>分析マンさん
AIでの解析でそのような傾向が出ているなんて、面白いですね。
効率で局収支を高める打ち方は限界まで洗練されたということでしょうね。
その結果、読み合いの部分で人VS人の心理戦へとAIが打ち方を変えた(もしくはそちらが得だと判断した)んですかね。
先人の打ち筋をAIが踏襲するなんて、胸熱な展開来てますね!
Posted by はぐりん@ at 2021年09月06日 19:02
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