2021年10月10日

赤に釣られた鳴きは上手くいかない

今回は赤の仕掛けについて。


天鳳創生期、何でも鳴いていくスタイルが流行っていた頃、天鳳では「赤が出たらとりあえず鳴く」という風潮があった

食い替えは当たり前、ツモを放棄しても1ハンを高くすることが至上とされていた。

そもそもネット麻雀にはご祝儀というものがないため、鳴きにより赤の恩恵が目減りしずらいというのはある。

さらに仕掛けの技術がピックアップされていた時代につき、赤鳴きムーブは最高潮に達していった。


メンゼン派の私はそれをどちらかというと白い目で見ていた。

当時の私は今よりもフーロ率は高かったが、麻雀において目先の利益に捉われることの危うさを何となく感じていたからだ。

鳴くべきでない手を鳴くことは、自分にとってマイナスであり、その分ミスをしていない他家が有利になるはずだ、と。

ナイフみたいに尖っていた私は「鳴きのデメリットとスルーの極意」という記事で鳴き麻雀への疑問を呈したものだった。


「自分が鳴くとなぜか悪いことが起こる」とは今Mリーグで超メンゼン派として活躍している黒沢プロの言だ。

多かれ少なかれ、安易な仕掛けが結果に悪影響を及ばしやすいという印象を持っている人は少なくないのではないだろうか?

しかし、仕掛け全盛の当時はとにかく皆がピーチクパーチク鳴くもんだから、どの仕掛けがどう影響を与えたかが非常にわかり辛く、仕掛けの±が非常に判定しづらかった。

その中にあって鳳凰卓の精鋭たちは手牌が短いにも関わらず当たり牌を使い切ってテンパイに持ち込むというウルトラCをやってのけた。

このへんを見るに、私が考えているよりも正確な仕掛けが天鳳という土壌にマッチしやすい、ということも徐々に理解できたことだった。


さて、話を戻して赤5の鳴きについて。

リアルでは鳴き祝儀があるかどうかで大きく変わってくるため、ルールによって最適戦略は変わってくる。

私が昔通っていた「さかえ」というフリー雀荘チェーン店では、赤5pが祝儀のみならず1ハンの手役(!)として採用されている

他とは一線を画していて、赤というジョーカーを持っている人が仕掛けてアガるゲームとなる。

ピンズだけ重要度が高すぎだろ!とか突っ込みどころは多いが、勝ち方を研究してみるのも面白いかもしれない。



さて、赤に釣られた鳴きにはどういう結末が待っているのだろうか。

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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東4局、21500点持ちラス目の西家。

ドラドラのチャンス手が入っているところ、上家から赤5pが出た。

さて、これを鳴く?





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チーした。

赤に釣られて鳴いたが、マンズの形が苦しい。


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このチーにより下家に4mが流れた。


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さらに6mを流したばかりか、下家にトイトイのテンパイを入れてしまう。


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鳴いていなければ対面がツモっていた2pを捕らえることができたはず。

タンピン赤ドラドラの8000。

仕掛けにより対面の親リーチも誘発してしまった。


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結局、私の一人ノーテンで流局となった。

アガリを逃したばかりか、他家の後押しをしている。

ドラに溺れて、急所ではない25pから仕掛けたところに本局の綻びがあった

赤5pを鳴こうが鳴くまいが、仕掛けて打点は変わらないことを考えれば、これは赤に鳴かされた鳴きであったことがわかるだろう



case2
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東3局4本場、16900点持ちラス目の北家。

発をスルーして、現在イーシャンテンとなっている。

上家から唐突に赤5mが放たれた。さてこれを鳴く?





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ポンした。

さて、何を切る?





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4mを切ってバックのテンパイに取った。

ん?赤を鳴いたとしてもせいぜい2600でかなりアガりづらい。

アガるだけなら1枚目の発を鳴いた方が良かったはず。

どうせ鳴くんなら打点効率的にトイトイに向かうのもありだったのでは?


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対面のリーチを誘発してしまう。

この待ちでは戦えない。


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対面から4mが出る。

せめてトイトイに受けてゼンツならリスクに見合うリターンがあった。


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結果、トップ目と私以外の二人テンパイで流局となった。

3着目が遠くなり、展開としては最悪。。。


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鳴いていなければ、自力で5mを引き込み、ツモり三暗刻のリーチが打てていた。

上下の動向により流動的だが、最終盤に眠っている発を捕らえられる可能性は十分にあった。

少なくとも、一人ノーテンより悪い結果にはならないはず。

この半荘は本局の結果が響き、ラスで終わった。



case3
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東4局4本場、8700点持ちラス目の南家。

親がダントツで他が熾烈なラス争い。

親が7sポンして赤5m切り、さてこれを鳴く?





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チーテンに取った。

親はターツ落としにつき狙いは不明だが、打点がついていることだけは間違いない。

ここでの1000点加点は大きいと考え、仕掛けた。


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親はこの時点でノーテン。

ホンイツなら3s切りが謎だが、7山の47pが負けるということがあるのだろうか?


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あるんです。

フィニッシュの赤まで流し、8000オールを仕上げさせてしまった。

好調者の無理鳴きに不調者が呼応して、仕上がってしまうやつ。

結果論と言ってしまえばそれまでだが…


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不思議なことに仕掛けた後の私のツモと上家のツモに47pは一枚もない。

スルーしていれば4pツモからの即リーチで、なんと親が一発で5mを掴んでいた。

偶然では説明できないぐらい真逆の結果が待っている。

こういうチーが当たり前のチーなのか疑ってみる必要があるということ。

この半荘はラスだったが、これをスルーしていれば当時十段の自分は天鳳位になれていたかもしれない(タラレバ定食)。



case4
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東3局1本場、22300点持ち3着目の西家。

白スルーからカン6mが埋まったところで仕掛け始める。

8sトイツ落としで赤5pとピンズの流動性も見た。


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赤5mが出たが、これを鳴く?





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チーして、3m切りとした。

いわゆる食い替えというやつ。

他家から見れば次に5mが出てくるので一目瞭然だ。


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ドラを恐る恐るツモ切ると、許されず。

3900だが、僅差のラス争いにつき痛い。

普段はやらない落ち着きのない仕掛けで、墓穴を掘った格好だ。


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上家の仕掛けはネックが多く、苦しい形が残っている。

この赤チーにより急所のペンカン3pを流した挙句、ドラをプレゼントしているのだからいかに上家を助けているかがわかる。


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このチーがなければどうなっていただろう?

下家が9sツモでテンパイが入りおそらく赤5p切り即リーチ。

私が赤5pポンしてカン4s待ちという進行になる。

少なくとも、私が放銃する展開にはなりえないということがわかる。

こういったただ打点を上げるための食い替えは紛れの元となり、結果が出にくいという印象を私は持っている。

自身の手が進まないというのもその一因だが、リスクを伴わない鳴きだけにリターンを得ることも難しい、というゼロサムゲームの本質に基づいたものではないかと思う。


赤5を鳴くかどうかの判断基準は、

・黒5であっても鳴きたい手であるなら、赤5は鳴くべき

・赤5により鳴かされる鳴きであるなら、それはスルーすべき

あくまで自然に仕掛けられるか、そういう判断基準に依るべきだと考える。

ちなみに、テンパイから待ちの変わらない赤鳴きは状況によっては可というぐらいだが、ノーテン時よりは遙かにマシだと思う。



case おまけ
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東1局、原点の親番。

絶好の赤引きで当然の即リーチに踏み切る。


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一発目に持ってきた赤5pを下家がカンチャンで仕掛けた。


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さらに、間髪入れずに持ってきた赤5mもチー。

やめて…


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5mが出てきて、食い替えを悟る。


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ちょぉ、ちょぉ、ちょぉの2000・3900で親っ被り。

これは上手く打たれた感がある。


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見て驚くなかれ、下家のチーはなんとここから。

4sも2枚枯れだし、あまりアガる意思を感じないが…


53900.jpg

これがこうなり、


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よくわからんが、こうなった。

仕掛けにより4sも引き込んでおり、これはかなりのミラクルプレーだと言える。


こういうケースもあるのご参考までに。

おそらく、上手くいかないケースの方が多いはずだ。



ラベル:天鳳 赤5 鳴き
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(2) | 鳴き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はぐりん@さん

特上卓で暴れていた両AIも結構メンゼン重視でしたね。
鳴きのメリットってあくまで速くなることが主体なので、急所でないところをメンゼンから仕掛けるのは局収支を下げてしまうっていうことがよくわかる記事でした。
三人麻雀ではチーがなく遠い仕掛けも厳しくて必然的に副露率下がりますが、四人麻雀においても、13枚の手牌で守備力があり、ツモと裏ドラでただの1翻手役に留まらぬリーチの強さが際立つなと再認識しました。
Posted by クソ親父 at 2021年10月10日 23:04
>>クソ親父さん
いいように解釈してくれてありがとうございます。

赤だからっていう理由で鳴くと、苦しい形が残ったりして大概上手くいかないんですよね。
「慌てる乞食は貰いが少ない」って言いますけど、餌に釣られて大局を見失うとろくなことがないと思ってます。

流れ論とかオカルト的な解釈をしても面白いですし、なかなか奥が深いテーマですよね。
Posted by はぐりん@ at 2021年10月11日 16:01
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