2020年06月14日

天鳳で西4局が終わるとどうなるのか?

天鳳で西入があるのはご存知の方も多いだろう。

じゃあ、西4局を越えるとどうなるの?北入はあるの?

今回はこの疑問に答えていきたいと思う。


まず、前提として、

天鳳は南4終了時に30000点以上を満たしている人がいなければ西入するというルールが存在しており、

南4流局時は、親がテンパイかつトップ目でも30000点未満であれば南4が続行する。(親がテンパイかつ30000点以上のトップ目ならテンパイヤメが成立して終局)

・西場では基本、局終了時に30000点を超えた人が出現した時点で終局する。(テンパイ料でも可)

・ただし、西場でも流局時に親がテンパイ、かつ親がトップ目でない場合は、親以外が30000点以上になっても1本場が始まる


このような、やや複雑なルールが存在している。

簡単に言えば、西場では基本30000点以上になったら終了、流局時親は30000点以上かつトップ目の場合のみテンパイヤメが成立する、ということだ。



これらを踏まえた上で、西4局が終了したらその後はどうなるのだろうか?


@西4局が終わるとトップ目が30000点未満でも半荘が終了する

結論から言うと、天鳳では西4局が完全最終局で、北場は存在しない

西4局1本場、西4局2本場〜は存在する。

つまり、西4局のみ30000点に満たない点数でのトップが成立する



A西4局の流局時、親がテンパイかつトップ目でない場合は終局しない

西4局の流局時、親がノーテンなら100%終局する。

ただし、親がテンパイの場合はテンパイヤメの条件が適用されるため、トップ目でなければ1本場が始まる。

これは親以外の誰かが30000点条件を満たしても同様となる

まとめると、西4局の流局時は親がテンパイかつトップ目でない場合は常に続行ということになる。



B西4局の打ち方

30000点以上を満たさなくても終了するという性質上、南4局よりも流局率が高くなる

ノーテン罰符で順位が変わらないなら、引き気味に構えることでラスを避けられる確率は高まる。

流局時は親がテンパイかどうかのみに気を使う。親が下位なら続行になりやすく、親が上位なら伏せて終了になりやすい。


南4との最も大きな差は、親の構えが違うということ。

南4だと西入の可能性があるため、親は緩く構えることができない。

しかし、西4の親ならノーテン終局が確定しているため、下との点差によっては親はアガリに向かわないという判断を取りやすい

これを利用して、例えばやや余裕のある親の場合、早目にオリを匂わせることで、他家の譲歩を引き出すことができるかもしれない。

私はアガリに向かいませんよ、という意思を見せることで紛れが減ってラス者を確定させやすくなるからだ。

もちろん点差的には微差につき、これを利用されて捲られる、ということも十分にあるが。



いずれにせよ、北場がない以上、西4局は順位見込みがしやすく、シビアにラス回避の選択がしやすい場であるということは言える。

知識としてこのルールを正確に把握しているかどうかというのは大きいので、実戦中にあたふたしてしまわないように予習しておくのがいいだろう。

それでは、実戦例から具体的に見ていこう。



case1
33167.jpg

もつれにもつれて西4局

28900点持ちトップ目で迎えた南家の私。

点棒状況は私から順に28900、20300、22000、28800。

2着目とは100点差だが、下まではやや余裕のある状況。

配牌は良いので、アガリも十分に見込めそう。


33168.jpg

満を持してラス目からリーチが入る。

このリーチにだけは絶対に打てない、と考えていいだろう。


33169.jpg

ところが、急所のカン7sがすっぽり埋まってまさかのテンパイ。

6mが現物の上、状況的に発は通りやすそうなので押すが、どこまで押すかはなかなか難しい。

親が押し返しづらいことを踏まえると、危険牌はまったく押さなくても損が少ない状況ではある。

この瞬間に6m拾えないかなあ…


33170.jpg

と思っていると、突然に対面のロンの声

むむっ、対面も現物待ちとはこれ上手い。


33171.jpg

打点は1000点で、30000点条件を満たしている人がいない

これはどうなるの?

答えは、ENDという表示にある。


33172.jpg

なんと、30000点未満でトップを取ることができた。

このように、西4局が終わると北場に突入することはなく、強制的にゲーム終局となる。

なかなかにレアな現象ではないだろうか。



case2
tenhou.16350.jpg

西4局0本場、流局した場面。

開始時の点棒状況は、南家の私から順に26300、23100、27300、23300。

極めて僅差で混沌としているが、一体どうなるのだろうか?





tenhou.16351.jpg

1本場が始まった。

なぜならテンパイの親がトップ目でないからだ。

西4局のみこの場合、親がトップ目なら30000点未満でもテンパイヤメが適用されると思われる。
(これについては未確認です、確定情報があればご指摘ください)

ただし、親がテンパイでもトップでなければ、ノーテン罰符により他家が30000点以上になっても終わらない

つまり、流局時親テンパイは親がトップかどうかが重要ということ。


tenhou.16352.jpg

対面が3900ホーラで終局。

これは30000点を超えるので、文句なしだ。



case3
45698.jpg

西4局、トップ目で迎えた南家。

点棒状況は私から順に、28300、23300、25100、23300。

ラス目に差がないため、がむしゃらにアガリに来ることが想定できる。


45700.jpg

ラス目同士で強引に仕掛けあって、下家から6mが出たところ。

ポンテンに取れるが、さてどうしよう?





45701.jpg

ポンしてテンパイに取った。

受けとの兼ね合いで難しいところだが、固めている36mは今後安全とは言い切れない。

それならば使い切って一旦テンパイに取っておくのが得策と考えた。

この仕掛けには西4局ならではのメリットがある。


45702.jpg

首尾よくツモアガることに成功したわけだが…


45703.jpg

30000点を満たしていないが、END。

南4なら西入となるところだが、西4なのでトップで終わることができた。

西4局は30000点条件を気にする必要のない唯一の局であることがわかる。



case4
59572.jpg

西4局、上位三者が微差の大接戦。

対面がタンヤオのみをツモアガリ。


59573.jpg

300・500でも私は捲られることが確定しているが…


59574.jpg

対面は2着止まりで、トップがほくそ笑むの図。

この差なら、トップまで狙えよ〜なんて一瞬思ってしまうところ。

しかし、よくよく考えてみると、30000点未満でも終局するからこそ、1着順でも上昇できるアガリの価値が高い

西4局が30000点条件を気にする必要がないからこそ、フラットな点差戦略が有効であることに気付かされるだろう。



case5
61898.jpg

西4局、26800点持ち3着目の南家。

点棒状況は私から順に、26800、18000、27000、28200。

ラス目まではそれなりに余裕があるため、ここは何としてでもトップ捲りを目指したい。


61899.jpg

出アガリにできるテンパイに取れる。

さて、どうしよう?





61900.jpg

取ってダマとした。

この選択は南4と西4で結構違ってくる。

仮に南4ならば30000点条件を満たす必要があることから、ペン7sのダマ2600を拾うだけでは西入となってしまう。

出アガリでもそれを満たすためにリーチをするか、もしくはマンズの好形を生かしてピンフをつけることを考えるところ。

私見としては南4なら巡目的にもソーズのペンチャンを払っていきたい。

が、西4に限って言えばこの2600をアガることが即終了となるため、ダマでアガることの価値が大きい。

西4局の特性を知っているかどうかで、手組みの性質が変わってくることがわかるだろう。


61901.jpg

2sツモでやや考えるところ。

チートイツの含みもあるため、絶対に放銃できないなどという場面では、一旦ペン3sに受けるというのも有力だ。

単騎をコロコロ変えることにより、受けの含みを残しつつテンパイに取れれば、トップは揺るぎないからだ。

ここでは巡目との兼ね合いで、最もアガりやすいシャンポン待ち継続とした。


61902.jpg

無事にアガりきり、2600。

30000点には満たないが、狙い通りトップを取ることができた。



case6
49064.jpg

西4局1本場、供託リーチ棒1本。

25800点持ち2着目の西家。

点棒状況は私から順に、25800、25100、26400、21700と大僅差。

テンパイが入ったが、さてどうしよう?





49065.jpg

ダマにした。

リーチ棒を出すと一時的に着順が落ちるため、ラス転落のリスクが高まる。

待ちに自信があるわけでもなく、西4につきひょっこりツモれればトップ終了となる。


49066.jpg

親がひとつ仕掛けて河が濃い。

7mをツモってきて、さてどうするか?





49067.jpg

ここで回った。

親に3900以上を打つとラス転落につき、慎重に構えた。

2着目の利を生かすということだが、ラス目との差が4100点につき、仮にノーテンでもラスまではないというのが大きい。


49068.jpg

3着目の下家からリーチが入って、大体オリというところ。

何を切るか?





49069.jpg

現物を抜いた。

一見4pが通りそうに見えるが、下家はアガリトップにつき、赤切りでのまたぎが狙われやすい状況でもある。

ここからの凌ぎは難易度が高く、腕が問われる場面。


49070.jpg

ラス目上家からも追っかけが来て手詰まりの大ピンチ。

さて、何を切る?





49071.jpg

2s切りとした。

上家もアガればほぼラス回避につき、効率を犠牲にする局面ではない。

すなわち、ドラ受けの愚形よりも両面ターツを優先すべき場面だと考えられる。

スジは怖いが、ドラを切るよりはマシだろう。


49072.jpg

結果、二人テンパイで終局。

なぜ終局かというと、親がノーテンだからだ。

30000点以上がいなくても終局する点から、西4局は南4局より順位期待が見込みやすく、流局率は上がりやすい。


49073.jpg

私はほうほうの体で3着に逃げ込んだ。天鳳の戦い方としてはこれでいいだろう。


西4局の性質を頭に入れておくこともそうだが、実際に天鳳で経験してみればその理解度は格段に深まるはずだ



ラベル:天鳳 レア
posted by はぐりん@ at 23:58 | Comment(0) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月07日

赤を引いたら最終形

前原雄大プロの著書に以下の記述がある。

 そしてベクトルというものがあるならば、赤牌は手役やドラよりも高いエナジーを感じるのである

 もちろん、ご祝儀という現実的な実利の面もあるが、それ以上に赤牌の存在そのものに高いエナジーを感じているのである

出典:前原雄大『前原雄大の勝ってこそ麻雀』MYCOM


これは前原プロのかなり昔の著作だが、現在Mリーグでも活躍している前原プロだけに、
Mリーグでの赤の扱いを見ていれば、根本にはこの考え方があることがわかるだろう。


物理学には、『エネルギー保存の法則』というものがある。

これを簡単に説明すると、「エネルギーはいろいろな種類があって姿を変えるけれど、総量は不変である」という法則のことである。


これは、麻雀にも当てはまるのではないだろうか?

一局に利用できるエネルギーは、34種136枚の麻雀牌のみ。

それが均等に四者に配られているため、全員が使用できるエネルギーも均等で差がない。

総量不変で、有限のエネルギーをどのように利用するのかは、参加者の創意工夫にかかっている。

そこからどのような発想で、エネルギーを有効活用するか、というのは物理学に限ったことではなく、麻雀においても重要な要素となってくる。

以前私は、麻雀を打つことは音楽を奏でることに似ている、という記事を書いたが、ひょんなところで物理学にも似ている、ということを発見してしまった。

このように考えていくと、麻雀はすべての学問、すべての道に通じる部分がある、という深い思想を内包しているような気がする。


やや話が脱線してしまったが、つまり、一局における卓上のエネルギーが不変であるなら、赤1枚をツモることによる価値をどのように考えるか、ということである。

自身にエネルギーが満ちている時は、相対的に他家のエネルギーが減少している、これは先の法則より明らかだ。

このことからも、自身の攻守判断にエネルギー量を組み込んでいくことはある程度有効なのではないだろうか。

赤5を有効牌としてツモった場合には攻めの比重を高めることが必然になる、ということである。


資源が限られていることを自覚し、それを有効活用する工夫が求められている時代、それは決して麻雀だけではないだろう。

過去に例を見ない疾病に脅かされている今だからこそ、今一度、天然資源・食料資源のありがたみについて考えるきっかけにもなるのではないだろうか。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
43990.jpg

東2局、28600点持ちトップ目の南家。

現状、好形2種のイーシャンテンだが、役なし安手でドラの白がポツンと浮いている

仮に先制しても、攻め返されると不安が残る状況と言える。


43992.jpg

ずいぶん長引いたが、終盤にテンパイとなる赤5mを引き込む。

ドラの白はすでに場に現れていて、こちらも処理済み。

さて、どうしよう?





43993.jpg

リーチした。

こちらの危険スジがあまりにも見え見えな上、58s自体がさほど強そうにも見えないため、赤じゃなければやや迷うところ。

ただ、持ってきたのが赤となれば話は別。

対面の仕掛けによる赤ツモであることも、その後押しとなる。

エネルギーのあるツモだと思えば、ここはリーチの一手だろう。

仮にこれが最終盤だったり、58sがあと2枚ぐらい見えていたとしても赤ツモならリーチでいいと思われる。


43994.jpg

ほどなくツモって、裏1の2000・3900。

裏が1枚乗るだけで、勝負手に化ける。これが赤1のリーチ効率だ。

なんでもないのみ手が、赤1枚のツモで様変わりするということも珍しくないため、赤引きの好形テンパイなら何も考えずに即リーチすることをオススメしたい



case2
44511.jpg

開局の西家。

中盤も深くなって、ピンフのみでテンパイが入った。

場にはまだ動きがないが、さてどうしよう?





44512.jpg

ダマに構えた。

場況は見ての通り煮詰まっており、ドラの東が見えていないのが気がかり。

ピンズは場にかなり高く、リーチをかけてしまうと47pはまず出アガリが見込めない。

上家から4pが出たばかりというのも、ダマで拾うにはいいタイミングに映る。

マンズが山にいそうで、456の三色変化もわりと現実的ではないかと思っている。



44513.jpg

次巡、持ってきたのは色つきの5s。

さて、どうしよう?





44514.jpg

振り替えてリーチとした。

赤ツモにより、かわし手から勝負手へ昇格したという認識。

元々ツモアガリも期待できる待ちだけに、打点効率を考えたらここはリーチが効果的だろう。

対面の親の仕掛けによりもってきた赤というのも流れエネルギー充填でリーチ発射最大化要因か


44515.jpg

しかし、下家がドラ単騎チートイツツモで、2000・4000。

感触のあるリーチは見事に空を切った。

も、親の仕掛けがなければまず間違いなく私の放銃だっただけに、むしろ助かったと考えられる。

その点を踏まえると、リーチまでの一連の流れは間違っていなかったと言えるだろう。



case3
58986.jpg

開局の西家。

上家に仕掛けが入っている以外は無風。

テンパイが入ったが、役なしドラなしの愚形待ち。

さて、どうしよう?





58987.jpg

テンパイに取って、ダマとした。

取らずに5pくっつきを待つのは不安定で、得策ではないと判断した。

ドラも赤もまったく見えていないため、攻め返された時のリスクが大きすぎる。

ひょっこり7sツモればそれでよし、他家に動きが入ったら対応の余地を残す。


58988.jpg

次巡、持ってきたのは赤5p。

さて、どうしよう?





58989.jpg

ここでリーチに踏み切った。

赤1ならリーチによる打点効率が上がるため、見合うという判断。

上家以外は河が大人しく、即攻め返されるという雰囲気でもない。

私自身の河もまずまず強いので、リーチは抑止力にもなりうる。


58990.jpg

あっさりとツモで決着。

ドギマギする暇もないのはありがたい。


58991.jpg

裏1があまりに大きい、2000・3900。

赤1の優位性はまさにこれにある。

リアルなら2枚オールということで、半荘の収支を決定づけるアガリにもなりうる。

赤ツモの得点加速度を最大限利用した例だが、テンパイ取らずだとこれが効いていないため、一旦テンパイに取っておいて赤ツモの変化を待つ、というのも戦略的にありだということがわかる



case4
61828.jpg

東1局2本場、21900点持ち北家。親が連荘中。

一応テンパイしたが、さて、どうしよう?





61829.jpg

8m切って、取らずとした。

これは678の三色があるし、8m9pが1枚ずつ場に見えていることから、ほぐすのが基本だろう。

タンヤオ主眼の9pトイツ落としもあるが、ダイレクト678三色を逃すのと、マンズの横伸びで一手遅れになるため、8m切りの方が懐が深い。

特に、ドラツモの愚形テンパイが役ありになるのが大きい。


61830.jpg

次巡、持ってきたのは赤5m。

待ちとしてはイマイチが継続しているが…

さて、どうしよう?





61831.jpg

ここでリーチに踏み切った。

取らず続行や、ここで9pトイツ落としなど、選択肢は多岐に渡る。

マンズの横伸びは期待値がかなり高そうで、即リーチはためらわれるところ。

一方、対面の切り出しから5mはわりと狙い目につき、赤ツモのエネルギーを重視して、ここがひとつのリーチタイミングだと考えた


61832.jpg

手詰まりに陥った対面から9pがこぼれてのアガリ。

もちろん、リーチの狙いはここにもあった。


61833.jpg

裏1枚にこのリーチの価値の大きさを実感することができる。

5mは2枚脇に持たれていたため、実質山にない待ちでアガリを得ることに成功。

何より、テンパイ取らずの変化待ちだとテンパイすら入っていないため、本局に関しては積極策の即リーチが功を奏した言える。

言ってみれば、赤ツモの余勢を駆ってのリーチ判断であった。



case5
32762.jpg

東4局、17000点持ちラス目の西家。

対面親の先制リーチに対して、下家から追っかけリーチが入っている。

こちらもテンパイが入ったが、さてどうしよう?





32763.jpg

6m切って、ダマにした。

3mがちょうど通ったので、下家には6mはかなり通りそう。

問題は追っかけに踏み切るかどうか。

自身の点数的には追っかけで問題なさそうだが、待ちにさほど自信がないのと、ピンズの危険牌を引いたら9p切りで回れるのが本局は大きいと考えた

6p含めてピンズの無スジはかなり危険だが、下家が9pを通しているので、テンパイを維持しつつ回りやすい状態にあるからだ。


32764.jpg

次巡、持ってきたのは望外の赤5s。

さて、どうしよう?





32765.jpg

ここで腹を括って追っかけに踏み切った。

8sが通ったので、5sは割合切りやすくなった。

どうしても切れない36pを待ちにして、出アガリ6400からなら十分に勝負に値するだろう。

赤を吸収することで、自身のリターンが大きくなっただけでなく、リスクも相対的に小さくなる。

卓上のエネルギーバランスが大きく変化した瞬間だと言える。


32766.jpg

しかし、下家の当たり牌を掴んで、8000の放銃となってしまった。

下家には赤が2枚も使われていて、エネルギーに満ちた手だった。

待ちを25sに受けていれば、対面から先にアガリがあった。つまりこちらにも十分にチャンスはあった。

ただ、この2件に対してやっぱり6pは切りづらいなあ…


32767.jpg

牌山をオープンしてみると、下家の待ちがかなり強かったことがわかる。

腹を括った結果なので、この放銃に後悔はない。

その潔さが良かったのか、この半荘は2着終了と挽回することができた。


ちなみに、2件リーチに対して私の手に9p、中というはっきりした安全牌が6枚ある。

他家リーチに対する完全安牌が自身の手に多ければ多いほど、山には相対的に他家の危険牌が眠っていることが多い。

これはあまり語られることは少ないが、このあたりも攻守判断の基準に加えれば、精度は上がるだろう。



case6
53983.jpg

東3局、22000点持ち3着目の北家。

ご覧のように、かなり変則的な場況となっている。

こちらも、ピンフのテンパイとなったが、7pがたった今4枚切られたばかり。

さて、どうしよう?





53984.jpg

これは通なら5p切ってリーチも考えるところだが、普通にピンフに受けてダマとした。

6pは明らかに強いが、2pは強いとは言いがたいので。

それならば、サッと4pを拾うのでも良さそう。


53985.jpg

次巡、赤5sに振り替わったが、さてどうしよう?





53986.jpg

ここでリーチとした。

4pが弱いわけではないので、赤1あるならリーチで良さそう。


53987.jpg

上家から追っかけが入るも、無事にツモって1300・2600。

変則的な場況の割には、上家も普通にピンフだった。

非常にオーソドックスな赤振り替わりリーチの例。



case7
49337.jpg

東4局、40900点持ちトップ目の西家。

フリテン部分を完成させて、役ありテンパイ。

さて、どうしよう?





49338.jpg

テンパイに取って、ダマとした。

4pを浮かせる手もあるが、出アガリできる手につき、緩手になる可能性もある。

トップ目につき、あまり捻らず、局回しを優先させるという意図。


49339.jpg

ほどなくして持ってきたのは、赤5s。

ソーズの好形変化をミスった感がなきにしもあらず。

さて、どうしよう?





49340.jpg

黒5sを切ってリーチに踏み切った。

2sじゃないのは安全度の観点から。

トップ目につき、リーチする必要もないが、ここは打点を叩くチャンスだと考えた。

私の河からは、8mは拾いやすい感じもある。


49341.jpg

狙い通りに上家から出て、5200のアガリ。

積極策が奏功して、さらに点差を広げることに成功した。

東場のうちはできるだけ点差を気にせず、叩けるだけ叩いておくのがオススメだ。



case8
41508.jpg

南1局、31400点持ち2着目の南家。

上家の親がやや抜けたラス目で、その親が仕掛けている。

この局はかわしで十分と考えていたところ、絶好の赤5mがインする。

さて、どうしよう?





41509.jpg

入り目が赤ならと、迷わずリーチした。

親はドラも切ってるタンヤオ仕掛けなので、脅威がまったくない。

仮に9p掴んでも出るだろうし、ここはきっちり打点を稼ぎにいくところだと判断した。


41510.jpg

長引いた末に、親のカン4pに捕まり、1500の放銃となる。

負ける気はまったくしなかったが、さすがに4pを引いた時は観念した。

放銃したといっても1500なので、全然問題ないはずなのだが、この綻びをきっかけになんとラスまで落ちてしまう

ラス目の親をきっちり落とせなかったことがあまりにも大きな代償を生んでしまった。


41511.jpg

この1枚の絵には多くの示唆を含んでいる。

この時すでに対面にはテンパイが入っていたが、私がリーチしたことにより、対面は回ってしまった。

結果的にそれが親のアガリを生んでしまったわけだ。

つまり、

@私がダマなら、ほぼ間違いなく、対面か私か下家がアガっている

A裏ドラが1mにつき、この手をアガれば決定打になっていた

B369pではなく58p待ちに受けていれば私のアガリだった


みなさんは、この分岐についてどのような感想を持っただろうか?


天鳳においては、ラス回避という別ゲーの側面もあるため、自分の手に溺れずラス目の親はきっちり流すということも重要となってくる。

それを踏まえた上で、このリーチが勇み足だったとは私は思わない。

赤ツモの勢いに乗じて、勝ちを決める局面だと思うからだ。

長い目で見てどうかということを判断していかなければならない。


感触のいい赤引きによっても、良くない結果になることももちろんある、ということである。



ラベル:天鳳 赤5
posted by はぐりん@ at 23:59 | Comment(0) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月31日

ダブリー 驚きの手役コレクション

配牌でテンパイしていて、嬉しくないという人はいないだろう。

というわけで、今回はダブリーにおけるびっくり手役について特集してみた。


一昔前は、配牌でテンパイしていたらどんなに待ちが悪くてもリーチをかけるべきという風潮があった。

確かに、愚形待ちでも40符2ハン以上が確定するので、期待値的には最善の選択となりやすい。

ところが、最近の鳳凰卓の傾向として、以前よりもダブリーの愚形頻度が下がったという実感がある


ベタオリ、回し打ち、攻め返しといった技術が全体的に向上した結果、ダブリーでも愚形待ちの出アガリはあまり期待できないという認識が広まったためだと思われる。

愚形でも17〜18巡あればツモアガリ率はそれなりに高い数値になるため、ダブリーが良くないということはありえないが、攻め返された時のリスクも高まるため、なるべく待ちを広くして攻め返しにも備えたいという意識がそこにはある。


鳳凰卓クラスのレベルになると、誰かしら丁寧に攻め返しの手順を踏んで、追っかけが入るということも非常に多いので、そういう経験の蓄積が愚形待ちのダブリーをためらわせる要因になるのだろう。

仮に十分な打点のあるダブリーであっても、愚形待ちなら好形へと組み替える十分な猶予がある。

それが得になるかどうかは手牌の形や点棒状況にもよるが、打ち手は以前より柔軟な視野で見ているということを踏まえると、最近のダブリーはあまり舐められないと考えた方が無難だろう

ダブリーの好形率についてはデータ的な証明があるわけではないが、以前と比較して多少なりとも上がっているのではないかと私自身は感じている。


さて、ダブリーのびっくり手役。

ダマ十分の打点であっても、ダブリーなら勢いでかけてくることも多く、上記の傾向も踏まえると、放銃が致命傷になる割合は増えていると考えられる。

そういう意味でも、ダブリー並びに早い巡目のリーチは警戒度をそれなりに高く見積もる必要があるだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
41329.jpg

東3局、ラス目の南家。

トップ目の下家がおもむろにダブリーと来た。

第一打に北を消費してしまったことに、悔恨の念を禁じえない。


41330.jpg

ギリギリ粘ってみるものの、ソーズが切れない。

安牌は6pだけだが、7pが通っているわけではないので、ここで白のトイツ落としとした。

仮に単騎待ちだとしたら、白よりも北を選ぶはず。





41331.jpg

親が仕掛けて敢然と押し返し、4枚目のドラで11600をダブリー者から討ち取る。

これがあるから、安易なダブリーがためらわれるわけだ。

しかし、この放銃はたまったもんじゃないだろう。


41332.jpg

下家はなんと、純チャンイーペーコーだった。

出アガリでもハネ満からという恐ろしい手。

ダブリーの純チャンなんて聞いたことがない。

が、懸念は待ちが悪いことで、1枚使いの8pでは一抹の不安もよぎる。

下家がダマでもアガれていない可能性は高いが、放銃まではあったかどうかは微妙。

ともかく、ダブリーならば打点よりも待ちの良さが重要ということだろう。



case2
43598.jpg

南3局1本場、私がダントツの親番。

ラス争いの下家が唐突にダブリーと来た。

私の立場としてはオリていればいいから、楽だ。


43599.jpg

赤5mを切っても後が続かないので、ここは勢いで押し返す。

赤赤でこの巡目だが、このへんの判断は頭を悩ませるところ。


43600.jpg

ほどなく、ラス目で後のない上家が、2sで放銃。

これは何やら高そうだが…?


43601.jpg

なんと123の三色しかもドラドラつきで12000。

さすがのzeRoさんもぶっ飛んで終了となってしまった。

私にとっては良い展開だが、やるせないのはハネ満でぴったり捲られた対面だろう。何も悪いことしてないのに、と。


ちなみに、先ほどの選択で2巡凌げる2sを選ぶということも十分に考えられただけに、わりと危なかった

ハネ直ともなると、最終的にどうなるかわからないため、ホッと胸をなでおろすこととなった。



case3
54351.jpg

南1局、ラス目北家の私。

トップ目の親から突然のダブリーが入る。

わりとまとまっている配牌だが、さすがに親に対しては攻め返しづらい。


54352.jpg

4巡目にあっさりとツモ。


54353.jpg

チャンタイーペーコーにドラが絡んでの6000オール。

ええっ?配牌だけじゃん…って思うよね。こんなに苦労のない6000オールはうらやましいの一言。

私はそのまま浮上できずにラスで終わった。



case4
57957.jpg

オーラス、30800点持ちトップ目の北家。

下家とは700点差の僅差だが、3着目の対面からいきなりのダブリーが入る。

こちらの手もかなりいいので攻め返したいが、放銃すると3着転落が濃厚なだけに、ここは慎重さが求められるところ。


57958.jpg

というわけで、全力では行かずにドラ切りで回る。


57959.jpg

2着目の親から追っかけが入った直後に、ラス目の上家から3件目が入る。

おっと、これはラス目のアガリに期待するしかない。


57960.jpg

も、ラス目が掴んでダブリーのアガリ。

リーチ棒付きだし、さすがにこれは捲られた。


57961.jpg

これが倍満で仰け反る。

これ、ダマでも余裕でトップ捲り。

対面はなぜリーチしたんだろう?

16000放銃だと私も下家も急転直下のラス転落で喜ぶのはラス目。

これは追っかけた親が肝を冷やしたはず。

上位が僅差だけに、リーチで抑え込もうとしたのだろうか。


57962.jpg

ちなみに対面がダマなら、私の6pはいつ出ていてもおかしくなかった。

結果的には1順位助けられた可能性があるということで、良しとしよう。

しかし、こんなきれいな確定三色が配牌で入ることもあるんだな。



case5
58220.jpg

東4局、微差ラス目の西家。

親からリーチの声は1巡目

配牌はまあまあ良いのに…


58221.jpg

終盤の入り口あたりで親がツモ。

私は途中で手詰まって、1sトイツ落としと4mトイツ落としで凌いでいる。

ダブルワンチャンスの8pは下手すると切っちゃうような場況。


58222.jpg

またもやきれいな三色で、しかも赤赤つき。

ダマでも高目18000あるのでダマも全然ありだが、高目が外側の4枚待ちだから、私もリーチと行っちゃいそう。

こういうのが空振ってくれれば対面は俄然苦しくなるんだけどなあ。

決まってしまうとこちらが苦しく、結局私のラス終了となった。



case6
74144.jpg

南3局1本場、私が抜けたトップの西家。

も、親の第一打が横に曲がる

やっかいなこってす。


74145.jpg

わずか3巡目にツモの声。

はいはい、親満から親満から。


74146.jpg

えっ?(゚Д゚)!? ていう8000オール。

何が起こったのかを理解するのに少し時間が必要。

きょとんとしているうちに点棒だけが失われている感じか。


74147.jpg

絵面がきれいすぎる上に、あまりダブリーである必要性を感じない。

ここまでくると脱帽というか、むしろ賞賛したくなるレベルかもしれない。

これによりダントツから8000点のビハインドとなったが、執念でトップを捲り返すことに成功した。

配牌だけでは決して勝負は決まらない、という私の意地を垣間見せることができた。



ラベル:収集 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:58 | Comment(0) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月19日

先切り引っかけの戦略【part2】

引き続き、今回も先切り引っかけについて。


四の五の言わずに大量の実戦例から、先切りが決まりやすい状況、そして先切りを警戒すべき状況について感覚的に理解していただきたい。

みなさんもご存知の通り、効率を重視すればするほど、宣言牌における関連度が上がって、引っかけの待ちは出て来づらい。

効率を損なっても先切りする状況にはどんなケースがあるのかそのへんを今回は味わっていただきたいと思う。

また、仕掛けにおいても先切りが有効となる場面は多々ある。

絞りのきつい相手から引き出す有効な手順というのは確かに存在するので、そのへんも少々掲載した。


それではどうぞ。



case1
72415.jpg

東2局の親番。

ここから何を切るか?





72416.jpg

極めて普遍的な先切りの牌姿がこれだ。

通常ピンフの場合は両面ターツ先固定が一般的だが、ピンフがつかない場合はリャンカンの部分を先固定することも多い。

この場合は、ファン牌がトイツにつき、リャンカンの先固定は必然と言える。

場況的にもソーズの上が安く、8sは絶好に見える。

この場合、発ポンのテンパイに取った際も8sは比較的狙い目になるだろう。


72417.jpg

両面が先に埋まってもこの最終形ならリーチと行きやすい。

8sが1枚出ているのもちょうどいい感じ。

打点があれだが、9m暗刻からテンパネ確定というのもポジティブな要素。


72418.jpg

一発で出て、裏1の9600となった。

ただのリーチのみが9600に化けたのは場況の大きな後押しがあったと言える。

対面の手のように牌姿によっては粘り方を考えるため、場に安い先切りは効果的だと言える。

一つ前の手出しが5sであること、この点は引っかけに多くみられるため、注意すべきところだ。



case2
46908.jpg

オーラス1本場、2着目の親番。

トップ目の対面とは17400点差。

一通出来合いの大チャンス手から1sツモ。さて、何を切るか?





46909.jpg

通常はカン2s先固定するだろう。

69mが薄いのが難だが、ドラを嫌っていくわけにもいかないので。


46910.jpg

絶好のドラツモでテンパイとなったが、さてリーチする?





46911.jpg

リーチとした。

リーチだとどこから出てもトップ終了。

ツモ直でトップ捲りにつきダマもあるが、上家から出た時に見逃さなければならない。

この場合はポツン5sにつき2sの出はあまり期待できそうにないが、時間を稼いでツモ狙いというのもありか。


46913.jpg

ラス目からなんと一発で出てきたが、ダブロンの声は直対のトップ目から。

18000と1300だが、上家が飛びで終了。

んで、どうなった?


46914.jpg

わずかに及ばず、2着終了となった。

上家は破れかぶれというわけではなく、全力でチートイツを狙った結果ということだろう。

これだけ狙い通りに決まってもトップを取れないというところに麻雀の厳しさが垣間見える。



case3
46927.jpg

東4局、2着目の南家。

ここから何を切るか?





46928.jpg

789三色狙いで、5s先切りとした。

効率的には赤5p切りが普通で、赤1あるのでカン6sツモでも十分。

ただし、先にピンズが埋まった場合にはっきり出にくいカン8sとなる。

赤切りのあとに5s切りとは何ぞや?となるからだ。

このように、赤を先切りした後は引っかけも警戒度が高くなるのでその切り順には注意が必要となる。


46930.jpg

お帰りの5sもツモ切ったところ、5pが重なった。これはでかい。

赤578pの形はダイレクト6pツモのみならず、重なりや4pツモでも赤が使い切れるので意外と引っ張る価値はある。


46931.jpg

安目ツモとなったが、これだとリーチに行きやすい。

高目ツモでもこの河ならリーチかな。


46932.jpg

対面から出て5200となった。

対面は私に対しては8mの方が安全だが、下家の7m手出しを見て8mが切れなくなった結果の8s切りだろう。

このように、他家の手牌進行によっても出やすさは変わってくるが、場に安い色ほど先引っかけの効果は大きいと言えるだろう。



case4
61336.jpg

東3局、ラス目の北家。

ここから何を切るか?





61337.jpg

親の3s切りの後、対面と上家の手出しが入ったので3sを警戒する意図で止めた。

さすがにソーズが高すぎて手拍子で打ったらロンと言われるかもしれない。

特に安全牌の東が出てきた上家。


61338.jpg

上家の8sポンが入った結果、テンパイとなる7sが流れてきたのでリーチとした。

温存した3sが間に合ってしまうと最悪だったが、無事通過。


61339.jpg

親から一発で出て5200となった。

さすがにこのぐらいピンズが安いと終盤とはいえ先切りの効果は高い。

逆に5pが宣言牌だと2pは止められる可能性があったのではないだろうか。


61340.jpg

親の手を見ると安全牌気味に2pが取っておかれていた。

かつ、2pは山に2枚とアガリ目も十分。

3pの切り時がポイントで、このへんの切り順も引っかけを有効にするポイントとして着目したい。

いかに安全そうに見せるか、打ち手はこれを常に考えているので、終盤のリーチは安全そうな牌にも注意が必要と言える。



case5
63221.jpg

東3局、2着目の親番。

ここから何を切るか?





63222.jpg

5p先切りとした。

仕掛け時にチャンタが見えるが、7pを切ってある河につき、8pに細工を施した。


63223.jpg

発をポンして、ここから5sを連打。

この瞬間の効率は若干劣っているが、打点という見返りがある。


63224.jpg

この8pがケアされにくいのだ。

トップ目の上家につき、有効牌は絞られる可能性が高いが、狙い通りの展開となった。

仮に現物の5pを切ってきてもこの場合はチーテンに取れる。


63225.jpg

すかさずドラをツモって、2000オール。

してやったりのアガリとなった。

仕掛けを考慮した場合も、前もって絞られにくい河作りをする工夫も重要となってくる。



case6
65679.jpg

オーラス、トップと2900点差の2着目親番。

発をポンしたところだが、ここから何を切るか?





65680.jpg

5m先切りとした。

ソーズの横伸びを見つつ、2s切りという手もある。

ここで5mを切ってしまうとカン2mと心中する手となってしまうが、カン4m自体に魅力はないので伸びを見なければこの先固定は普通だろう。

1mを下家が切っているのを考慮している。

場に1mが見えていればいるほど、この先切りは効果的となる。


65681.jpg

4sがポンできて、狙い通りにカン2m待ちとなった。

1mが既に3枚場に見えており、2mは絶好となっている。


65682.jpg

上家から出て、2900のアガリとなった。

脇からだと同点でもう1局。できれば自力でツモりたかったところ。

結果、この半荘は2位で終わった。


65683.jpg

1m切りでトップ捲り確定だが、アガリやすさが違う。ということで赤はツモ切った。

実際、2mは山に3枚に対し、4mは山に1枚。

4m自体も割と盲点になるが、使いやすさという点では格段に差がある。

私はこの場況ならカン2m続行が有利と見たが、1局で決める選択も有力だと思われる。



case7
72461.jpg

東4局、微差ラス目の南家。

濃い河のトップ目親リーチを受けて、早くも手詰まりになってしまった。

ここからひとまず中のトイツ落とし。


72462.jpg

終盤に突入して、完全手詰まり。

さて、ここから何を切るか?





72463.jpg

7sを切るとこれが当たりで、痛恨の7700放銃。

トイツ場なのでいかにも白は切りづらく、2巡凌げる方を選んだつもりだった。

5m先切りの6m後出しはチートイツにしては手順が不自然。

56mターツ落としは結構な謎で、メンツ手なら愚形には刺さりにくいようにも見えたが…


72464.jpg

上家は縦横混合。ここから5mをツモ切りする。


72465.jpg

完全にツモは縦で、ここから4s切りでソーズのリャンカンを決める。


72466.jpg

最後にマンズを引き戻して、カン7s待ちが出来上がったと。

ややイレギュラーな手順につき、待ちが読みづらかった。

ここでの手出しが5mなら7mや白は切りやすかった。

一つ前の手出しが4sであることがやはりポイントとなっているし、ソーズの上が割合安いことも引き出す要因となっている

総合的には1枚切れの白から切った方が良かっただろう。



case8
74801.jpg

南1局、微差ラス目の西家。

場風の南がトイツのところ、嬉しい赤ドラツモで一気に打点アップ。

さて、何を切る?





74802.jpg

ドラ切りとした。

打点は下がるが、ドラ表示牌の受けを嫌ってアガリやすく。

予想外にこのドラにポンが入る。


74803.jpg

先に両面が埋まって、狙い通りに即リーチとした。

さすがにドラ切りからのスジ待ちは盲点になりやすい。

逆に言うとドラのスジで放銃した場合は、打点がついてくるケースが多い、ということである。


74804.jpg

これをツモって、裏1の2000・4000。

狙い通りに決まってホクホクとなった。


74805.jpg

この時点で、山に4pは1枚に対し、2pは2枚。

使いどころの4p期待はやはり厳しいことがわかる。

4pは山に少ないばかりか待ちになっても出て来づらいので、二重苦となってしまう。

アガリづらい高打点より、アガリやすい中堅手を目指すべきだろう。



case9
77840.jpg

オーラス、3着目の西家。

ラス目とは3100点差とノーテンが許されない。

も、親が安泰のトップ目につき、腕が問われる局面。


77841.jpg

ラス目の上家からリーチが入る。

これで流局OKとはいえ、安牌が少ねえ…


77842.jpg

一発目、何を切るか?





77843.jpg

スジの2sを切るとロンの声。

えっ!?効率を犠牲に出来ないラス目が手出し発の2sロン?シャンポンに打ったか?


77844.jpg

上家はカン2s待ち。一発は5200でラスが入れ替わった。


77845.jpg

つまりこう。

上家はホンイツ移行を目論んでのテンパイ取らずから、3sに1sがくっついたというお話。

先切りの5sが盲点になっていて、2sは出やすいが、点差的に脇からだと裏期待になってしまう。

私の2s切りはぬるかった、というわけだ。


77846.jpg

ちなみに、オリていても上家一発ツモで捲られる。牌山を見てホッとした。

3900を作るのは案外難しいので、直撃だけは避ける、というのは重要だろう。

とはいえ、この巡目からはオリ切るのも難しいので、この手ならある程度手を組む、というのが私のバランス感覚だ。



case10
78022.jpg

何を切るか?





78023.jpg

赤切りとした。

国士とホンイツに見せた純チャンだぜ。ワイルドだろぉ〜?


78024.jpg

4pをミスったが、気にならない。


78025.jpg

よしゃ、できた。

芸術作品という名のリーチ、いっきまーす。


78026.jpg

しかし、親に追っかけられてしまう。

こうなると、この作品にも台無し感が漂う…


78027.jpg

案の定ツモられ、1300オール。

こういう河で高い手の場合、大抵待ちは少ないので、追っかけリーチには弱い。

ちなみに、カン4p受けを残しておけば7pで先にツモアガリ。効率は重要だったの巻。

まあでも、たまにはこんな風に手作りを楽しんでもいいんじゃない?



case11
78028.jpg

同半荘、東3局の西家。

配牌から何を切るか?





78029.jpg

9p合わせ打ちとした。

タンヤオへの渡りも見つつ。

縦固定よりは効率は犠牲にならないだろう。


78030.jpg

手順でテンパイなら、ドラ切ってリーチだ。

このケースは直接の先切り引っかけとは異なるが、序盤の先切りの工夫により、河の変化によって出アガリが格段にしやすくなる。


78031.jpg

この4pだ。

これを後から持ってくることで極めてペン7pが盲点となる。


78032.jpg

最後にテンパイの入った親から出て、5200となった。

このように、序盤の切り順の工夫によって、先切り引っかけや後引っかけ時にアガリ牌を引き出しやすくなる。

効率を損なわずにできれば効果は絶大だろう。



※諸事情によりコメント欄を一時閉鎖しています。ご了承ください。



ラベル:引掛 戦略 天鳳
posted by はぐりん@ at 23:54 | Comment(0) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月12日

先切り引っかけの戦略【part1】

引き続き今回も引っかけについて。

前回は引っかけが決まりやすい河についていくつか見てきた。

リャンカン形が残っている場合は、いずれにせよいつかは形を決めなければならない。

しかし、それが宣言牌となってしまうと今のご時世では警戒されて止められてしまう。


なので、できるだけ自然な形で先に布石を打っておき、リーチ後に出やすくなるように工夫をしたい。

本記事ではこれを、「先切り引っかけの戦略」と命名した。


場況とタイミング次第では、極めて効果的な先切りの布石となることが実戦例からも散見される。

時には効率を犠牲にしても、先切りしておくことで出アガリ率がUPするというような状況も確実にある。

どういう状況で決まりやすいのか、逆にどういう状況だと決まりにくいのかを、本記事から感覚的に理解していただきたい。

全体像をインプットしておくだけで、出アガリしやすい状況のイメージが掴みやすくなるはずだ。


また、失敗例から相手リーチに対して、警戒すべき先切りはどのようなものかを学ぶことができる。

例えば、リャンカンの先決めはリャンシャンテン→イーシャンテン時に行うことが多く、テンパイ前の手出し牌が引っかけに絡んでいることが多い。

なので、テンパイ前の手出しを注視しておくことで、先切り引っかけを警戒することが可能となる。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
tenhou.14476.jpg

先切りすべき典型の牌姿がこれだ。

リャンカン+愚形ターツ含みのリャンシャンテンで、現在イーシャンテンになったところ。

ここから何を切るか?





tenhou.14477.jpg

ドラが場に2枚見えたので、5m先切りとした。

場況からマンズの上が安く、8mがドラ表示牌とはいえ、狙い目になりそう。

他家が攻め返してきても、8mは手牌で使いづらいので、それも強みとなる。


tenhou.14478.jpg

雀頭を手広く受けて、狙い通りにカン8mで即リーチとした。

6pが食われていない方が、河の印象としてはいいかもしれない。


tenhou.14479.jpg

しかし、下家の仕掛けにかわされ、1000点の放銃となった。

8mは上家が配牌からトイツで持っていたというのはやや意外だった。

これがリャンカン先決め基本形だが、ドラに絡んだカンチャンはどんなに先切りしても警戒の対象となるため、劇的にアガリ率が上がるということはない。

モロ引っかけよりマシ、という程度。



case2
33403.jpg

東4局2本場の親番。

ドラドラのチャンス手だが、ここから何を切るか?





33404.jpg

4p切りとした。

もちろん7p待ちの布石だが、下家の89p切りもあり、1pを切るよりはリーチ後に7pを引き出しやすいだろう。

ドラドラなので出アガリ重視で先切り引っかけとしたが、この4p切りにはデメリットもある(後述)。


33405.jpg

狙い通りにペン7p待ちとなり、即リーチを敢行。

ピンズの上もほどほどに安くなっている。


33406.jpg

場に3枚目の9pを持ってきて、これはよし。

リーチ前に切っておけばなおよし。


33407.jpg

しかし、対面にかわされ下家が2000の放銃。

引っかけの布石の4p切りだが、7pが出やすくなるというメリットがある一方、以下のデメリットがある。

@下家がダマの47p

4p切ったことで、自分自身の河が弱くなり、他家の有効牌である4pが場に出やすくなる。
布石を打ったはずの4pが他家のアガリに逆用されている。

A7p→4pのスライドが可能

他家が47pのいずれかを選択する際、河に1pしか出ていなかったなら、7pを切って放銃してくるかもしれない。
4pが出ているゆえに、7pと4pをスライドする選択肢が生まれる。


このように、中級者までならわりと放銃してくれるかもしれないが、上級者との対戦では引っかけの布石が逆効果となることもある。

河の情報が少ない方が相手としてはやりづらい可能性がある。



case3
33864.jpg

東2局、トップ目の北家。

2着目のリーチ一発目だが、何を切るか?





33865.jpg

まっすぐにドラを切ると、これが当たりで7700。

これはやっちまった!

69sの景色が良く、発ポンでかわしにいこうと思っていた。

通常は発のトイツ落としで回るところか。


33866.jpg

下家はまずここから3s切り。

リャンカン&リャンカンの愚形コンボ。


33867.jpg

両面が先に埋まって、ここでドラ受け固定するのはある意味必然。


33868.jpg

カン4mがきれいに埋まっての最終形。

3s手出しでボケてはいるが、前回手出しが5s切りというのは警戒の対象とすべき。

このように、リャンカン形の性質上、テンパイ付近の手出し牌が、引っかけに絡んでいることが多い。



case4
35395.jpg

東3局、ラス目の親番。

トップ目の対面リーチ一発目、さて何を切る?





35396.jpg

イーシャンテンにつき粘ろうと2mを切るもこれがアウト。


35397.jpg

一発ドラドラに裏裏で限界突破いくぜHIPHOP。

もうやめて!私のライフはゼロよ!


35398.jpg

雀頭なし+リャンカン形のパターン。

カンチャン部分の縦重なりでもいいので、場況的にいいカンチャンに先固定されやすい。

この場合の5mはツモ切りにつき、キズになっていない。ノータイムだとなお良し。


35399.jpg

ダマ十分なのにリーチするというのはそれだけカン2mの場況がいいということ。

1mが3切れになっていて、5m先切りが効いている。

ちなみに私が打たなくても、2巡後に対面ツモで倍満親っ被りだった。

点棒がない親番につきある程度は仕方ないが、トップ目がリーチと来るからには「それなりの何か」があると思わなければならない。



case5
44854.jpg

東4局、トップ目の南家。

ラス目の親リーチが入っている。

チートイツテンパイから4p暗刻に。さて、どうしよう?





44855.jpg

7mぐらいは押すだろう。

ペン7mに刺さるかもしれないが、47mはまずない。

役ありテンパイなら取る価値ありと判断した。


44856.jpg

8sツモってどうするか?





44857.jpg

嫌々押すもこれが当たり。裏ドラ表示牌にも8sでまさかの12000となった。

9s3切れにつき、ギリギリのライン。


44858.jpg

6s2枚出たタイミングでの、カン8s先固定。69mフリテン受けも厭わず。

このように、リャンカン形は場に現れた枚数次第で固定されることも多いため、場況の変化を具に観察することで危機回避力がUPする。




case6
46420.jpg

東4局、微差ラス目の親番。

ここから何を切るか?





46421.jpg

枚数的にはギャンブルだが、打点重視のイーペーコー形先固定とした。

ドラが1枚もないので、イーペーコーの1ハンは重要。


46422.jpg

終盤にやっとテンパイ。

さて、どうするか?





46423.jpg

ええい、ダメ元でリーチだあ!


46424.jpg

まさかの一発で出た。7700。

上家はテンパイから。

7pと8pの選択だが、さすがに5p手出しから距離があるため、ペン7pの可能性の方が濃いと読んだのだろう。

このように、先決めは手出しから巡目が経過すればするほど、効果的となる。



case7
47617.jpg

何を切るか?





47618.jpg

8sが2枚出たタイミングにつき、カン6s固定が自然。

ここでも場に出た枚数でリャンカン固定が見られる。3s先切りしてるしね。


47619.jpg

3p暗刻になって即リーチ。

本来この形は57sの重なりを待ってツモり三暗刻形まで待ちたいところ。牌形がいかにもコーツ場っぽい。

ただ、中ワンスルーしてるしドラ1あるし即リーでも十分か。


47621.jpg

親の追っかけに掴まり、3900の放銃となった。

先切りの布石を打っても追っかけられた瞬間に徒労と化す。

分の悪いただの捲り合いになってしまうので、先切りはあくまで奇襲で、正攻法は枚数重視のツモ狙いにあると知るべし。


47622.jpg

カン6sは山4。

これだけいれば両面待ちにも引けを取らない。

赤入りだとカン4カン6は警戒の対象になりやすいが、3赤579からなら先に9が払われやすいため、3を先に切ってるケースでは案外カン6は残りにくい。

このへんも深く読んでいくと案外奥が深い。赤が自分から見えているかどうかでも変わってくるし。



case8
61326.jpg

上家リーチに対して、何を切るか?





61327.jpg

中スジの5sを切ると、これが当たりで7700。

最終手出しが字牌の西でまさか先決めしてるとは思わなんだ。


61328.jpg

上家の2sツモ切りはここから。

456の三色(!)と効率の両天秤。

手役が絡むと先切り引っかけはかなり効果的だ。なぜなら他家からはその意図が不明瞭になりやすいから。

このケースでは、強さ不明のカン5sにわざわざ固定しないでしょ、など。


61329.jpg

ズバリカン5pが埋まって狙い通りの三色に。

西は安全牌気味でもっていたかと思いきや、まさかの暗刻から(!)

456三色という手役絡みと、字牌暗刻からの1枚外しというレアケースに継ぐレアケース。

こちらの手もまだ死んでいないため、こういう放銃は仕方ないと思える。


逆に言うと、状況によっては引っかけの先決めが極めて効果的となる場面もある、ということである。

次回も同様に実戦例をお届けする。



ラベル:引掛 天鳳 戦略
posted by はぐりん@ at 23:55 | Comment(6) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする