天鳳で西入があるのはご存知の方も多いだろう。
じゃあ、
西4局を越えるとどうなるの?北入はあるの?今回はこの疑問に答えていきたいと思う。
まず、前提として、
・
天鳳は南4終了時に30000点以上を満たしている人がいなければ西入するというルールが存在しており、
・
南4流局時は、親がテンパイかつトップ目でも30000点未満であれば南4が続行する。(親がテンパイかつ30000点以上のトップ目ならテンパイヤメが成立して終局)
・西場では基本、局終了時に30000点を超えた人が出現した時点で終局する。(テンパイ料でも可)
・ただし、
西場でも流局時に親がテンパイ、かつ親がトップ目でない場合は、親以外が30000点以上になっても1本場が始まる。
このような、やや複雑なルールが存在している。
簡単に言えば、
西場では基本30000点以上になったら終了、流局時親は30000点以上かつトップ目の場合のみテンパイヤメが成立する、ということだ。
これらを踏まえた上で、
西4局が終了したらその後はどうなるのだろうか?@西4局が終わるとトップ目が30000点未満でも半荘が終了する結論から言うと、
天鳳では西4局が完全最終局で、北場は存在しない。
西4局1本場、西4局2本場〜は存在する。
つまり、
西4局のみ30000点に満たない点数でのトップが成立する。
A西4局の流局時、親がテンパイかつトップ目でない場合は終局しない西4局の流局時、
親がノーテンなら100%終局する。
ただし、親がテンパイの場合はテンパイヤメの条件が適用されるため、トップ目でなければ1本場が始まる。
これは
親以外の誰かが30000点条件を満たしても同様となる。
まとめると、西4局の流局時は
親がテンパイかつトップ目でない場合は常に続行ということになる。
B西4局の打ち方30000点以上を満たさなくても終了するという性質上、
南4局よりも流局率が高くなる。
ノーテン罰符で順位が変わらないなら、引き気味に構えることでラスを避けられる確率は高まる。
流局時は親がテンパイかどうかのみに気を使う。親が下位なら続行になりやすく、親が上位なら伏せて終了になりやすい。
南4との最も大きな差は、親の構えが違うということ。南4だと西入の可能性があるため、親は緩く構えることができない。
しかし、
西4の親ならノーテン終局が確定しているため、下との点差によっては親はアガリに向かわないという判断を取りやすい。
これを利用して、例えばやや余裕のある親の場合、早目にオリを匂わせることで、他家の譲歩を引き出すことができるかもしれない。
私はアガリに向かいませんよ、という意思を見せることで紛れが減ってラス者を確定させやすくなるからだ。
もちろん点差的には微差につき、これを利用されて捲られる、ということも十分にあるが。
いずれにせよ、北場がない以上、
西4局は順位見込みがしやすく、シビアにラス回避の選択がしやすい場であるということは言える。
知識としてこのルールを正確に把握しているかどうかというのは大きいので、実戦中にあたふたしてしまわないように予習しておくのがいいだろう。
それでは、実戦例から具体的に見ていこう。
case1

もつれにもつれて
西4局。
28900点持ちトップ目で迎えた南家の私。
点棒状況は私から順に28900、20300、22000、28800。
2着目とは100点差だが、下まではやや余裕のある状況。
配牌は良いので、アガリも十分に見込めそう。
満を持してラス目からリーチが入る。このリーチにだけは絶対に打てない、と考えていいだろう。

ところが、急所のカン7sがすっぽり埋まってまさかのテンパイ。
6mが現物の上、状況的に発は通りやすそうなので押すが、どこまで押すかはなかなか難しい。
親が押し返しづらいことを踏まえると、危険牌はまったく押さなくても損が少ない状況ではある。この瞬間に6m拾えないかなあ…

と思っていると、
突然に対面のロンの声。
むむっ、対面も現物待ちとはこれ上手い。

打点は1000点で、
30000点条件を満たしている人がいない。
これはどうなるの?
答えは、
ENDという表示にある。
なんと、30000点未満でトップを取ることができた。このように、西4局が終わると北場に突入することはなく、強制的にゲーム終局となる。
なかなかにレアな現象ではないだろうか。
case2
西4局0本場、流局した場面。開始時の点棒状況は、南家の私から順に26300、23100、27300、23300。
極めて僅差で混沌としているが、一体どうなるのだろうか?
1本場が始まった。なぜならテンパイの親がトップ目でないからだ。
西4局のみこの場合、親がトップ目なら30000点未満でもテンパイヤメが適用されると思われる。(これについては未確認です、確定情報があればご指摘ください)
ただし、
親がテンパイでもトップでなければ、ノーテン罰符により他家が30000点以上になっても終わらない。
つまり、
流局時親テンパイは親がトップかどうかが重要ということ。

対面が3900ホーラで終局。
これは30000点を超えるので、文句なしだ。
case3

西4局、トップ目で迎えた南家。
点棒状況は私から順に、28300、23300、25100、23300。
ラス目に差がないため、がむしゃらにアガリに来ることが想定できる。

ラス目同士で強引に仕掛けあって、下家から6mが出たところ。
ポンテンに取れるが、さてどうしよう?
ポンしてテンパイに取った。受けとの兼ね合いで難しいところだが、固めている36mは今後安全とは言い切れない。
それならば使い切って一旦テンパイに取っておくのが得策と考えた。
この仕掛けには西4局ならではのメリットがある。
首尾よくツモアガることに成功したわけだが…

30000点を満たしていないが、END。
南4なら西入となるところだが、西4なのでトップで終わることができた。
西4局は30000点条件を気にする必要のない唯一の局であることがわかる。
case4

西4局、上位三者が微差の大接戦。
対面がタンヤオのみをツモアガリ。

300・500でも私は捲られることが確定しているが…
対面は2着止まりで、トップがほくそ笑むの図。この差なら、トップまで狙えよ〜なんて一瞬思ってしまうところ。
しかし、よくよく考えてみると、
30000点未満でも終局するからこそ、1着順でも上昇できるアガリの価値が高い。
西4局が30000点条件を気にする必要がないからこそ、フラットな点差戦略が有効であることに気付かされるだろう。
case5

西4局、26800点持ち3着目の南家。
点棒状況は私から順に、26800、18000、27000、28200。
ラス目まではそれなりに余裕があるため、ここは何としてでもトップ捲りを目指したい。

出アガリにできるテンパイに取れる。
さて、どうしよう?
取ってダマとした。この選択は南4と西4で結構違ってくる。
仮に南4ならば30000点条件を満たす必要があることから、ペン7sのダマ2600を拾うだけでは西入となってしまう。出アガリでもそれを満たすためにリーチをするか、もしくはマンズの好形を生かしてピンフをつけることを考えるところ。
私見としては南4なら巡目的にもソーズのペンチャンを払っていきたい。
が、西4に限って言えばこの2600をアガることが即終了となるため、ダマでアガることの価値が大きい。西4局の特性を知っているかどうかで、手組みの性質が変わってくることがわかるだろう。
2sツモでやや考えるところ。
チートイツの含みもあるため、絶対に放銃できないなどという場面では、一旦ペン3sに受けるというのも有力だ。単騎をコロコロ変えることにより、受けの含みを残しつつテンパイに取れれば、トップは揺るぎないからだ。
ここでは
巡目との兼ね合いで、最もアガりやすいシャンポン待ち継続とした。

無事にアガりきり、2600。
30000点には満たないが、狙い通りトップを取ることができた。
case6

西4局1本場、供託リーチ棒1本。
25800点持ち2着目の西家。
点棒状況は私から順に、25800、25100、26400、21700と大僅差。
テンパイが入ったが、さてどうしよう?
ダマにした。リーチ棒を出すと一時的に着順が落ちるため、ラス転落のリスクが高まる。
待ちに自信があるわけでもなく、西4につきひょっこりツモれればトップ終了となる。

親がひとつ仕掛けて河が濃い。
7mをツモってきて、さてどうするか?
ここで回った。親に3900以上を打つとラス転落につき、慎重に構えた。
2着目の利を生かすということだが、
ラス目との差が4100点につき、仮にノーテンでもラスまではないというのが大きい。

3着目の下家からリーチが入って、大体オリというところ。
何を切るか?
現物を抜いた。一見4pが通りそうに見えるが、下家はアガリトップにつき、赤切りでのまたぎが狙われやすい状況でもある。
ここからの凌ぎは難易度が高く、腕が問われる場面。
ラス目上家からも追っかけが来て手詰まりの大ピンチ。
さて、何を切る?
2s切りとした。上家もアガればほぼラス回避につき、効率を犠牲にする局面ではない。
すなわち、ドラ受けの愚形よりも両面ターツを優先すべき場面だと考えられる。
スジは怖いが、ドラを切るよりはマシだろう。

結果、二人テンパイで終局。
なぜ終局かというと、親がノーテンだからだ。
30000点以上がいなくても終局する点から、西4局は南4局より順位期待が見込みやすく、流局率は上がりやすい。
私はほうほうの体で3着に逃げ込んだ。天鳳の戦い方としてはこれでいいだろう。
西4局の性質を頭に入れておくこともそうだが、
実際に天鳳で経験してみればその理解度は格段に深まるはずだ。