2020年06月28日

放銃で相手の心を折る

みなさんは放銃にどのようなイメージを持っているだろうか?


おそらく、大抵の人は放銃にいいイメージを持っていないだろう。

「放銃率」が平均順位に占める影響が大きく、ラス率に直結するファクターであることからも、その感覚は当然のものであると言える。


ところが、長いこと麻雀を打っていると、他家の放銃によって自身のチャンス手が潰され、放銃者以上に自分がダメージを受けるという局面があるだろう。

そればかりか、自身が他家からアガリを得ているにもかかわらず、あまり嬉しくない、なんとなくチャンスを潰されたような気になる、ということが稀にある。

これは主に、ツモアガリ濃厚の多面張でアガリ牌を打たれたとか、高目安目の差が大きい手でド安目が先に打たれたというようなケースで起こりうる。

俗に言う、「アガらされた」アガリであり、自身のアガリがなんとなく微妙だなと思える半荘は、大概最終的に好結果にはならないという印象を私は持っている。

なぜなら、半荘に得られるチャンスは限られているからである。


私は放銃には良い放銃と悪い放銃があると思っている。

場況とか局収支だとか状況に左右される部分はもちろんあるが、
基本的には、真っすぐ打っての放銃は良い放銃で、オリに窮しての放銃は悪い放銃だ。

なぜかというと、ベタオリからの放銃は、確実にメンタルに悪影響を及ぼすものだからだ。


前回記事で触れたように、相手のメンタルを揺らすには、一見非合理的な部分、アナログな部分にそのカギがある

そして、良い放銃というカテゴリには、放銃した自身よりもメンタルにダメージを負った他家が含まれていることを意味する

私の感覚では、これは期待値で考える数学的なものというより、動物的な閃きや直観によってなされる性質のものであることが多い。

わかりやすい例でいうと、リーチ宣言牌をチーして前進、テンパイでもないのに食い取った一発目の牌を平然とツモ切り、これが放銃牌だった。

一発ツモを逃したリーチ者はなまじそれが見えるためになぜかダメージを受ける。

これを計算ではなく感覚でやってのける者が強いのだ。


天鳳においても、ベタオリが正確すぎるゆえに、なまじラス目の親にチャンスが回ってしまい、想定外の大逆転を食らう、なんてことが散見される。

ラフに打っていた方がお互いに良い結果になっていたという半荘を何度見てきたことか。

そういう意味では、ネガティブに捉えられがちな放銃の中にも、実は相手のメンタルを削っていくことができる要素が含まれていると考えることができる。


麻雀の上手い人は例外なく放銃も上手い。

自身の意図しないところで実は相手の心を折っているかもしれない。

放銃による相手のメンタルの変化を観察できるようになれば、それはあなたの成績を向上させる一助になるだろう。

それでは、具体的にはどのようなケースがあるのだろうか?

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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南2局、25500点持ち2着目の西家。

13000点持ちラス目の上家からリーチが入っている。

安全牌がなくなり、手詰まり気味になった局面。

ここから何を切るか?





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4pのトイツ落としで回った。

一応チートイツのイーシャンテンだが、7sも切りづらく、ここから全ツするのでは厳しい。

一旦迂回とした。


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ピンズを根こそぎ落として対応していくと、最終盤にテンパイが入った。

残りツモは海底の1回、現物は6mと3sがあるが、さてどうしよう?





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8mを勝負するとロンの声。

かなり危険な宣言牌またぎだが、対応した結果のテンパイ、ドラが使い切れるということで見合うと判断した。

ラス目への放銃は最悪だが…


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幸いなことに2000で済んだ。

この放銃をみなさんはどう思うだろうか?

現状2着目だから無理する必要ないとか、裏が乗っていたらひどいとか、色々あるだろう。

この時私は内心、良しと思っていた。

これをアガったラス目の上家はどのように感じるだろうか?

全員が対応しているように見える河、一人テンパイでも十分なのにアガった結果がテンパイ料より少ないのである。

私が上家の立場だったら決していい気分はしない。むしろやられたと感じるような気がする。


私は真っすぐ打った結果の放銃、しかしアガった上家の心情的には微妙。こういうケースではアガった方の浮上が難しい。

逆に放銃して良しと思えた私は、そのメンタルのままにこの半荘はトップを捲り切ることに成功した



case2
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東2局、23700点持ち同点2着目の親番。

5巡目にして絶好のテンパイが入り、即リーチ。

場況を見るとソーズの下が安く、2sが鉄板級。

これはかなりの確率でアガれそうだ。


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対面から唐突に8sが出てロン。

裏が乗れば十分だが…


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裏はなし、ピンフもつかない方で、3900。

3900なら及第点とも思えるが、実戦心理はまるで逆。

これはやられたという印象が強かった。


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山を開けてみるとこう。

狙いの2sは全山で、2巡後にツモる算段だった。

3900と2600オールでは全然違う。

この微妙なアガリの感触が暗示していたかのように、私は3着で終わった。

放銃した対面が2着だったということからも、この8sは良い放銃だったと言えよう。



case3
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南2局、18400点持ち3着目の親番。

ここから何を切るか?





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678と789の三色天秤ということで、7s切りとした。

マンズ部分が雀頭になった場合に344sの好形が生きやすい。


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狙い通りに雀頭をシフトさせることに成功。

これで形は決まった。


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サクサクと有効牌を引いて上手くテンパった。

6p引きアガリで6000オールよろしく。


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8p先切りで懸念していたが、まるで嬉しくない9pが出て渋々倒す

裏1、裏1でいいんや…


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しかし乗らずに2900止まり。

山を開けて叫んだことには、6000オールのツモが2回待っていた。

裏ドラがその高目というのもなんという皮肉か。

下家の手を見ていただきたいのだが、回ろうと思えば4mのトイツ落としで余裕で回れる。

ある程度攻めの姿勢を貫いたからこそ出てきた9pで、これにまんまとアガらされてしまったのが私だ。

驚くなかれ、この後私はラスまで転落する。振り返って悲鳴を上げたのは言うまでもないだろう。




case4
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東4局、14900点持ちラス目の親番。

3着目の対面から早いリーチが入る。

一発目にワンチャンスになった9mを押したところ。


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数巡経過し、こちらもイーシャンテンになっている。

しかし、持ってきたのはドラソバの2mと厳しい。

1sは通っているが、さて何を切る?





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7m切ってるので回ってられんとばかりに6m勝負するも、アウト。

ドラ受けのドラじゃない方は安目で、裏なしの2600。

2暗刻からもこれは得した気分。


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仮に1sのトイツ落としで回っているとどうなるか?

2巡後にドラをツモられ2000・3900となってしまう。

放銃の方が安く、ベタオリだと1.5倍の支払いを強いられる不思議。

対面が首をひねっている姿がネット越しに見えた。

このように、親番はツモられ損から押し得になるケースが多いので、ガンガン押して他家の心を折ってしまおう。



case5
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南3局、19600点持ち3着目の親番。

このバラバラの手から、8mを切ると下家が手役不明のチー。

そして出てきたのがドラの8p。


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何を切るか?





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すかさず生牌の白を打つと、これが当たりで1000点。

1000点なら御の字とほくそ笑む。

こちらの手牌がどうしようもない以上、一刻も早く下家にアガってもらうことを考えるのは当然だろう。

ドラを打ってくれたのもありがたいサインだ。


ここで、対面と上家の手を見ていただきたい。

対面にはファン牌カンツ含みのトップ捲り手、上家にはタンピン三色含みのラス回避手が入っていた。いずれもイーシャンテン。

私が親番であることから長引くといいことはひとつもない。

少なくともこのアシストはラス目の心を折るに十分だっただろう。



このように、損得微妙な押しによる放銃が、放銃者より他者にダメージを与えているケースがあることがわかるだろう。

case5はともかく、リーチに対して押しているケースでは本人にそれなりの覚悟がなければ成立しない。

ある程度のリスクを伴うからこそ、その覚悟によって相手のメンタルを揺らすことが可能となるわけだ。


ひとつ、気をつけてほしいのは、この放銃が成立する局面の出現頻度はそれほど多くはないということ。

相手の心を折るつもりが、ただのヌルいゼンツ野郎になってしまわないように、使いどころを吟味していただきたい。



ラベル:天鳳 放銃
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2020年06月21日

形テンを咎めるリーチ

今回は、相手の形式テンパイに対して敢行するリーチについて。


麻雀に限らず、スポーツなど様々な対人戦の勝負事において、勝つために重要なことはなんだろうか?



それは、相手の隙を突く、ということである。

これは、相手の弱点を突く、弱みに付け込む、と言い換えることもできる。

何をそんな当たり前のことを、と思われるかもしれない。

しかし、重要なのはここからである。

実力が同等の二者において、勝敗を決定づける最も大きな要因となるのが、心の揺れだ。

これは鳳凰卓で何千戦と打っている私が嫌というほど思い知らされてきた事実である。

不思議なことに、勝負事は相手の心を大きく揺らしてしまえばそこで大体勝負がついてしまうのである。


剣の達人同士が斬り合いをしてどちらが勝つかと言えば、技術よりも重要なのが勘と才だそうだ。

わずかな部分で勝敗が決する時に技術よりも重要なものが他にあるということである。

技術レベルが上がり、上位者の打ち筋に差がなくなってきた昨今、麻雀で勝ちきるために重要なこと。

それは、相手の隙を機敏に察知する直観と、それに呼応してアクションを起こす閃きだ

人間同士なのだから、セオリーonセオリーでは相手も周知で心を乱すことはできない。

相手の隙や弱っている部分をアンテナでビビっと察知し、そこを攻めることで、相手の感覚のコアな部分に訴えかける。

相手のメンタルを揺らすには、一見非合理的な部分、アナログな部分にそのカギがある。

正攻法オンリーでは強きを挫くことができないからだ。

麻雀歴の長い人ならなんとなく理解してもらえるのではないだろうか。


そこで話を元に戻して、麻雀において相手の隙を突く、ということ。

現代麻雀においてテンパイ料の重要性は以前よりも高まっている。これは周知の認識だろう。

しかし、その形テン仕掛けは果たして本当に必然なのか?

安易にテンパイ料狙いで仕掛けてはいないか?

その仕掛けに臆病や慢心が隠れてはいないか?

不安な面持ちで仕掛けているなら、リーチを被せてやれば間違いなく相手は迷う。

これが隙を突く、ということであり、弱い部分を咎める意識を持つ、ということである。


総論気味になってしまったが、形式テンパイを取りに来た相手は、アガリ目がない上に、守備においては無防備となる。

それがなんとなくミスを含んでいると思われる場合は、終盤でも積極的にリーチを打つことが効果的であることが多い。

剣の勝負と同様、麻雀も勝負は一瞬で決まるものであるため、閃いたら積極策を採ることをオススメしたい。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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開局の親番。

終盤にタンピン赤のテンパイが入った。

さて、リーチする?





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ダマにした。

これは場況的にダマなら25sがかなり拾えそうなため。3sが宣言牌というのもね。

一方、決定打にするリーチも魅力的に映る。

結果、切った3sにポンが入り、対面の4s切りに上家のチーが入る。


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どうするか?





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ここでツモ切りリーチを敢行した。

3sがワンチャンスになり2sが狙い目になったのもあるが、仕掛けで身動きが取れなくなったところでチャンスが増えたと判断した。

形テンかどうかはわからないが、形テン気味に仕掛けている人が一人はいるだろう。


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手牌を開けてみるとこう。

なんと二人とも形テンだった。

終盤の仕掛けにはそういう性質のものも多い。

ここで親リーチを被せられると対面と上家は結構しんどいはず。


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結局、全員テンパイで流局。

上手いことテンパイをキープされてしまった。

咎めるには至らなかったが、25sが王牌に3枚沈んでいるのを見ると結果は紙一重だったと言える。

3s手出しリーチだと25sはまず出ないが、3sポン後のツモ切りリーチだと狙いがボケるため、テンパイなら2sぐらいは押してくる可能性も十分にある。

そういう意味では、状況変化後のリーチにより期待値が高まっているケースだと言えるだろう



case2
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南2局、24300点持ち2着目の南家。

テンパイが入ったが、ダマテンに。

678三色を取り損ねた形につき、勇んでリーチとはいきづらい。

親がラス目というのもある。


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トップ目がおもむろに9sをポン。

ラス目の親のツモが増える、感覚的には大変危険な仕掛けだ。


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直後に持ってきたのは好形変化となる、4m。

残りツモはあと1回しかないが、さてどうしよう?





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間髪入れずにリーチとした。

トップ目の形テン仕掛けを咎めるリーチだ。


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対面がすかさず7mを合わせ打ってきた。

この時点でリーチ正解の雰囲気が漂う。


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結果、私の一人テンパイで流局となった。


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対面は2pを掴んで、テンパイからあっけなくオリ。

次巡持ってきたのが当たり牌の3mとなれば、リーチは完全に正解だった。

私がダマ続行なら対面は苦労なくテンパイ料を得ていたことを考えると、形テン仕掛けを咎めることに成功したと言えるだろう。

ちなみに、カン6mのままならさすがにダマ続行する。

この半荘はトップを捲り切るまでは至らなかった。



case3
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東2局、28900点持ちトップ目の親番。

終盤にカンチャンが埋まって、ピンフのみのテンパイをしたところ。

さて、どうしよう?





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ダマにした。

ドラツモのスライドがあるのと、58sはそこまで強い待ちには見えないので。

ドラ1あるならリーチでいいだろう。


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上家が仕掛けた後、対面にもおもむろに9pチーが入った。

これは形テンの可能性が高い。


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どうするか?

リーチするなら空切り?ツモ切り?





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ツモ切りでリーチした。

ツモ切りにしたのはこちらが好形テンパイだからだ。

形テン気味の仕掛けに呼応したのは一目瞭然なので、足止めリーチのように見せることで舐めてくれるかもしれない


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一発目に対面から現物が打ち出されて作戦成功臭が漂う。


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結局、私と上家の二人テンパイで流局。

海底で上家のzeRoさんが打ち出したのは無スジの9sだった。

これはツモ切りリーチというのも加味しての選択で、なるほどと思われるが実は紙一重。

ツモ切りリーチが端にかかる待ちならなおのこと効果的であることがわかるだろう。


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形テンを入れていた対面はまんまとドラを掴んで回っていた。

やはり形テンを咎めることに成功している。

58sはこの時点で山4で、かなりのチャンスだった。

ツモ切りリーチだけに、対面は掴んだら出していた可能性はある。



case4
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開局の西家。

かなり変則的な場況から、2pツモでメンツ手のイーシャンテンに。


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親が明らかに形テン仕掛けを入れている。

さらに国士みたいな河の上家がペン3pをチーした結果…


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ラス2pが下がってきて、こちらもテンパイ。

イーペーコーの役ありで、しかも残りツモが1回しかない。

さて、どうしよう?





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リーチに踏み切った。

親の形テンと上家の仕掛けが噛み合ってのテンパイ。これは仕掛けが入れされてくれたテンパイと言ってもいいだろう。

さらにドラが見えていて仕掛けには全く脅威がない。

ここは咎めるタイミングと判断した。


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結果、親から一発で召し取り、8000。

まあ親はテンパイなら大概は押してくるだろうな。

それも加味すると、親の形テン仕掛けにはよりぶつけやすいかもしれない。


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親が7sを掴んだところだが、なんと次の上家のツモも7sだった。

親が仮にオリたとしたら、上家は私の河に対してドラを切りきれるだろうか?上家放銃のシナリオも十分にあった。

仕掛けを完全に咎めることに成功している。



case5
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東4局、22800点持微差2着目の北家。

終盤にタンヤオのテンパイが入り、8p切ってダマに。


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この8p切りに対し、上家が長考を伴ってのポン。


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どうするか?





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ダマにした。

いかに上家が微妙な仕掛けだとしても、ダマなら36pが拾えそうなので、リーチまではやりすぎなんじゃないかと。


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すかさず対面から3pが出て2600GET。

これはこれで悪くないが、対面はリーチでも出していた可能性が高く、チャンスを逃した感も。


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上家のポンはこの形からだった。

ノーテンからテンパイになる形ならそれほど迷わないだろうから、こういうケースは安全度による凌ぎを考慮していることが多い。


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トップ目の迷った仕掛け、ここは理屈抜きでリーチする局面だった。

ここでの8000を2600にした結果、最終的に大逆転を喫してラス転落してしまう。

出アガリできるという理由があっても、case4のように感覚で踏み切らなければならない。



case6
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東2局、24500点持ち2着目の親番。

対面に形テン濃厚の仕掛けが入る。


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テンパイが入るも、新ドラが出ていく上、愚形テンパイののみ手。

さて、どうしよう?





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リーチした。

この場合、形テンを咎めるリーチの他に、もう一つトピックがある。

仕掛けのカンを咎めるリーチだ。

裏ドラが2種あるのであれば、リーチのみでも十分に値するだろう。


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対面が現物の赤を抜いてきた。

すでに作戦成功だが、これを上家がおもむろにチー。

一発を消されてしまった。上家に放銃も覚悟だったか?


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まあこうなるわな、ってなもんでツモ。

テンパネ確定で、裏1枚乗ってくれ…


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カン裏で2枚乗って、美味しい4000オール。

対面と上家の連携を上手く咎めることに成功した。


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巡目的に対面の8pチーはごく普通にも見える。

が、これをスルーしていると対面はメンゼンでテンパイが入って、カン6pでのアガリまである。

逆にこの仕掛けがなければ私にはテンパイすら入らないというのだから、なかなか示唆に富んでいるのではなかろうか。

こういう善悪が微妙な仕掛けを直観で捉えて、機敏に打って出る。

これすなわち、「隙を突く」ということである。



ラベル:立直 形聴 天鳳
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2019年08月25日

打点重視の打牌選択【鳳凰卓編】

前回の記事からなんやかんやで大分延びてしまったが、打点重視の打牌選択・鳳凰卓編だ。

この記事を楽しみにしていて夜も眠れず、睡眠不足の日々を送っていた人も多いことだろう(そんな人はいないか)。


令和の時代は回顧の時代。打点を顧みる手役重視の時代へと再び舞い戻る動きもあろう。


個人的に思う麻雀の歴史としては、

・昭和→ファイア(鉄火場の熱狂に踊る)

・平成→ブリザド(科学と効率に耽る)

・令和→サンダー(前時代の良きところを顧みる)


という感じで、令和の麻雀は、ビシビシッと的確に打点で取る、というのをテーマとしてはいかがだろうか。


前回記事は、タンヤオを狙うか否か、みたいなちまちました内容も多かったので、今回はスケールを大きくしてお届けしたい。

それではどうぞ。



case1
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開局の親番。

嬉しいは嬉しいが、やや捌きの難しい中重なり。

チートイツを見るならピンズ落としだが、69p引きの裏目を逃さないようにここでは2m切りとした。


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上家から発が出て、仕掛けたところ。

さて、何を切る?





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7p切りとした。

当然の打牌のようにも見えるが、シビアに南切りと考える人はむしろ上級者かも知れない。

なぜかというと、上家の河に両面ターツ落としが入っており、染め手もしくはトイトイの可能性が高く、字牌が出にくく使われていそうな場況だからだ。

とはいえ、南のトイツ落としをしても、ダブ東ならまだしも中ポンで2900はつまらないというのもまた確か。

この場況とはいえ、マンズの染めに行くのも自然と言える。


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ほらほら、狙い通りに南を持ってきたよ。

どちらのフィニッシュでも打点変わらず、親満のテンパイ。


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しかし、下家がリーチをツモアガって、1000・2000。

69pもツモっていたが、南落としでもやはりテンパイまで。

上家とは中持ち持ちで、やっぱりな、という感じだが、東の方は山に2枚とアガリ目も十分にあった。

対面はご存知、沖ヒカルさん、下家は現在十段の00saiさんだが、当時七段の画像。

過去の画像には段位の変遷も見て取れ、趣深い。



case2
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西1局、19100点持ちラス目の西家。

かなりの好手をもらっていて、これを是が非でも生かしたいところ。

9sをツモって、さて何を切る?





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ツモ切りとした。

567の三色を絡めてハネ満にすれば、30000点を超えて一撃トップ終了につき。

一見普通に見えるが、6m4枚の受け入れの代わりに47s7枚の受け入れを犠牲にしており、テンパイ効率としては微妙なところ。

6mチーが魅力的なので、それで補えるか。

ドラの8mツモでも自然な変化を見ることができる。


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来たで来たで、リーチだ!


33100.jpg

一人テンパイで流局となった。

対面の親がテンパイなら即終了につき、降ろしたことは大きかった。

この後粘って2着捲りをゲットすることに成功。



case3
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東4局、微差3着目の北家。

4sをツモって何を切るか?





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234の三色部分が確定しているので、タンヤオの効率には取らなかった。

ソーズの場況は抜群で、カン3sもかなりよく見える。

7p先引き時は損得微妙だが、先に3sが入った時に5200ダマに構えられるのは大きい。


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親と上家の2件リーチに対応した結果、この上ない赤引き。むひょ〜。

たった今現物になったばかりの3s、これは拾えるかも…


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しかし、上家が力強くカン5pをツモって、裏1の3000・6000。

大蔵遊星さんが九段だった頃。当時の彼は愚形も全部リーチして全部ツモアガっていた。今は若干打ち方を変えたか。

昔と打ち筋が変わったな、と思う人も長く打っているとわかる。



case4
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東3局、原点3着目の北家。

嬉しいカン4sツモ。さて、何を切る?





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9m切りとした。

テンパイ効率的には大幅ダウンの一打。昭和の打牌選択を彷彿とさせる。

メリットは、

・69mツモによる赤5m切りのピンフのみを避ける(赤5mを使い切れる)

・単騎テンパイのグズグズがなく、テンパイ時に好形が確定する

・タンヤオが複合しやすく打点が見込める



その代わり、効率を犠牲にしているのでテンパイ巡目が遅れるのがデメリット。

場に高いマンズ待ちになるのを避け、かつ369sが強い、という場況を生かした打牌選択でもある。


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5p重なりでテンパイを逃すも、来たで来たで!の絶好リーチが入る。


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が、流局…

手順が良くてもアガれるかどうかは別、と言われた気がした。


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他家の手を見ると、マンズの上目はかなり使われ、有効牌が少ないことがわかる。

待ちになりやすい47mはこの時点で山に2枚しかいない。


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前巡の5p重なりテンパイでの47mは山に2枚で、上家が掴むもおそらくは出さない。

47pは山に3枚で、47mだと感触はまるでないが、47pは確かな感触があった。

打点重視の打牌選択というテーマだが、かつ場況重視の打牌選択、というテーマにもマッチする内容だ



case5
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東2局、26500点持ちの南家。

ここから何を切るか?





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ダイレクトテンパイチャンスは減るが、567の形を生かしやすいように内に寄せた。

一通にはなりそうでなりにくいので、打点アップする受け入れを重視した。


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3pツモって、どうするか?





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これはいささかやり過ぎの感も否めないが、さらに壊して内に寄せた。

三色のシャンテンを崩すことになるが、カン6mが厳しいのであれば、再構築でも間に合うでしょ、と。

カン2sも悪くないのでこれがどうなるか。


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ツモが言うことを聞いてくれ、この素晴らしいイーシャンテンに。

3pが普通だが、ここでは3s切りとした。


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うむ、できた。

しかし、親リーチ一発目に最も危険な3pが残ってしまった。

このへんの兼ね合いは難しいが、ここは当然の勝負で無事通過。


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これに勝利し、8000。

親の待ちは47pで3pはかなり危険だった。形を決めてこれを処理しておくのも一つの手だ。

最初の形に戻ると、例えば8s切りなんかは有力な候補に挙げられるが、これを切ってしまうとその後相当テンコシャンコになることは想像に難くない。

肝心のカン2sカン4s先埋まりがないため、本来嬉しいはずのカン6mツモが空振ってしまう羽目になる。

カン6mの2600リーチに踏み切りたくないのであれば、最低でも三色のプランを持つのが良さそうだ。



case6
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東3局、30200点持ちトップ目の親番。

ダブ東がポンできて、カン4sが埋まった。

ツモは順調だが、ここから何を切るか?





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両面ターツの方を払った。

上家下家の河から、2pは割と良さそうなので、打点狙いでここを残してみた。

西を叩いた場合に2900では物足りないので。


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中の方が叩けた、これで親満テンパイだが、さすがに警戒度は高いか。


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最終盤に下家のリーチ宣言牌で出てきて、11600&1300。

えっ?出るの?という感じでこれは意外だった。

この高め取りは緩手になることも多いので、場況との兼ね合いが肝要だ。



case7
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東4局、12800点持ちラス目の西家。

123の三色主眼に進めていたところ、7sの引き戻し。

ここから何を切るか?





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ドラ含み両面ターツ落としとした。

純チャンには雀頭がネックだが、ピンフにならないのであれば、ドラ1愚形はそこまで魅力的ではない。

ドラ重なりを見つつ、純チャン狙いの一打。


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待望の雀頭ができる。これが一番の好ツモかも。


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来たで来たで!満を持してリーチ。

できればカン8sで待ちたかったが。


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上家から一発で出たのは、なんと入り目の8s。くぅ〜!これは惜しかった。

ドラ含み両面ターツ落としだけに、他家が戦々恐々の雰囲気なのはかなり伝わってきた。

字牌も怖いので、暗刻落としも恐る恐る、という感じだった。


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結果、一人テンパイで流局。

まあこの作品を作れただけでも満足です。



case8
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南3局、34900点持ち2着目の親番。

ここから何を切るか?





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純チャンしかみえねえぜ〜BABY〜俺は高打点狙いだぜ〜。

先ほどの味を占めて、純チャン狙いに。3sが4枚見えだし。


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べいべ〜、こ、こんな安目が、この世に、あるのか…?

しゃあない、リーチのみだがかけるぜ。


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OHMYGOD!

ドラ3のみならず、三色付きでド高め12000。これはやっちまったぜ。


みなさんも、ご利用は計画的に。



ラベル:打点 天鳳
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2019年07月21日

打点重視の打牌選択

今回は打点を重視した打牌選択の特集だ。

「科学する麻雀」に代表される牌効率を重視したいわゆるデジタル麻雀、
平成の時代は麻雀を数理学的・統計学的視点から見ることで飛躍的に技術の進歩を得ることができた。

それでは、令和の麻雀はどのようなものになるだろうか?

私が思うに、昭和の手役狙いが再度ピックアップされる、そういう回顧的な動きが起こるような気がする。


極限まで技術が高まり、相手のテンパイに対して放銃がまったくない、そういう最上位の対戦で勝利のために何が求められるか?

それは、打点力である。


最速でテンパイを入れても相手が放銃しないので、自身のツモ依存の割合が高くなる。

それでやっとこツモって500・1000ではむしろ相手が喜んでしまうかもしれない。

最終盤に眠っているたった1枚のアガリ牌、どうせそれに頼るしかないのであれば、テンパイスピードを少し遅らせても打点力をアップさせた方がトップ率は上がるかもしれない。


事実、赤なしの連盟鳳凰戦Aリーグでは時折びっくりするような手役狙いの打牌選択が見られる。

デジタルを超越した雀士が次に考えることは、リーチでは放銃してくれない相手にダマでいかにしてアガるか、である。

リーチではツモ依存となってしまうため、巡目を遅らせてもダマで打点力のある手を作ること、局収支的にはそれほど差がないかもしれないが、順位期待値としてみれば実はこちらの方が上、ということだって考えられる。

天鳳でも、最近の鳳凰卓はレベルが上がり、ファン牌をスルーする打ち手も前より格段に増えた。

誰もが画一的に統計に従って打つのでは、誰もが平均順位2.5ということになってしまう。

皆が勝つために同じことをしているからこそ、その裏をかくことが効果的になる、という側面は確かにある。

そこで、「手役狙い」という回顧主義が生まれるだろう、と私は予測している。


令和の時代の手役狙い。今回はその来たるべき時代への予習だ。

実戦から手役狙いの打牌選択をご賞味いただきたい。



case1
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東4局、3着目の親番。

何を切るか?





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南切りとした。

一見、何事もなくツモ切ってしまいそうな牌だが…


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1メンツ完成したが、何を切るか?





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2m切りとした。

ピンズが連続形だけに、テンパイチャンスなら圧倒的に3m切りが有利だが、2m切りにはそれを補ってあまりある打点力がある。

3m切りの場合は最終形が不満なテンパイになる受け入れも多い。

4m引きに備えて1mを切る、というのがMAX打点だが、巡目と危険度の兼ね合いから2mでもいいかな、と。


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一手遅れの裏目4pを引いてしまった。が、これは想定内。

ドラ1あるなら十分だが、メンピンだけなら特に問題なし。この4pはツモ切り。


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狙い通り来たで!ということで即リーチ。


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対面から一発で出て裏が1枚乗り、12000となった。

受け入れを狭めてもメンタンピンの破壊力は十分。

雀頭がない場合、中張牌の膨らみを雀頭と見て手牌を構成することで、打点を見ることができる。



case2
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東2局の親番。

ここから何を切るか?





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むむっ、9pツモ切りでイーシャンテンを拒否。

ちょっと悠長なんじゃないの〜?


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好形が先に埋まった場合に愚形リーチを打ちたくないので、タンヤオに寄せていることの価値が高い。


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ぴったしかんかんのくっつき。勇んでリーチだ。


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これをツモって2600オール。

わりと普通の手順だが、ズバリ決まると会心の手順にも思えてくる。

このぐらいでもドヤって良し!



case3
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南3局、22700点持ち3着目の北家。

ラスまではやや余裕があるが、油断はならない。

さて、何を切る?





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おやおや?大分狭く受けたようだが…

1mを切ってしまうとマンズ部分のくっつきテンパイが1mのみになるため、相当テンパイチャンスが狭まる。

例えば7mツモを想像してもらえばわかりやすいが、三面張のテンパイを逃すことになる。

巡目的にリカバリーが効きやすいし、打点が見込めるでしょ、ということ。


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このように、わかりやすく来てもらえればありがたい。

仮にソーズのくっつきが愚形になってもタンヤオならダマが効くというのもメリット。

一方、マンズが来た際はフリテンにならない捌きをする必要が生まれる。


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これを引きアガって、裏が1枚乗り2000・4000に。

これでオーラスは一躍トップまで見込める点差になった。

決まると鮮やかだが、てんこしゃんこになるということも多そう。

この半荘は2着だった。



case4
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南3局、4000点しかないラス目の南家。

ここから何を切るか?





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私は567の三色の助、とばかりに8pツモ切り。

6mツモよりも確定三色になる7mツモの方が嬉しかったりする。

ソーズはドラ狙いで打点十分。

フラットな場面でどうするかは好みが分かれそう。


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三色崩れだが、最終形優秀のかなり嬉しいツモ。これなら即リーチに踏み切りやすい。

7sの方が急所と見て4s切りリーチ。


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一発ツモで1300・2600ゲット。

次局の親番で4000オールを引き当て、2着終了となった。

昔の私は引きが強かったね。



case5
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オーラス3着目の親番。

下家が2600点しかなく、上2人が36000点台。

親満のロンでギリギリ2着浮上という感じ。

待望のドラ引きだが、さて何を切る?





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タンヤオ大好きタンヤオ厨さん。

3m周りの機能が微妙だが、まあ変化していけば何とかなるでしょ。

赤5sでも出たら、ポポンがポン、と言ってしまいそう。


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ツモが上手で、あっという間にイーシャンテンに。

ここではさすがに3m切りとした。ソーズの複合形で雀頭ができやすいので。


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無駄ヅモなく、ドラを引いてテンパイ。

ツモ直でトップ捲りにつき、私は謙虚にダマにしたが、これはリーチでも良さそう。

ダマの方が順位期待値は高そうだが、リアルならリーチかな〜?


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ラス目から出て、デバサイとはならず、2着浮上。

1本場なのでトップまで100点足らずというのがいと悔し。



case6
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東4局、トップ目の北家。

東は役がつくが、1枚切れ。さて、何を切る?





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イーシャンテン取らずとした。

ターツ落としの選択をしない、という選択だ。

裏目のない選択とも言えるが、アガリまでは一手遅れとなる可能性も高い。

ドラがないので、比較的選択しやすいだろう。


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雀頭を落としていった場合、最終的に雀頭待ちになることもそこそこ多い。

この場合ノベタンなのでまだマシだが、369sツモで単騎待ちになってしまう。

下家リーチ一発目につき、やや難しいが、8s切りとして現物待ちダマに取った。


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切りにくい4mを待ちにして、赤を2枚引きロン。3900。

なんのことはない、打点重視とは赤引きのことだったのだ!



case7
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開局の北家。

何を切るか?





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私は三色厨、とばかりに7s切りとした。

不確定だが、赤が使い切れるのが打点的にも大きい。


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さすがに三面張なら愚形は見切って7m切りか。


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うひゃ〜やっちまった〜い。

天鳳を打っていたら大声を出してしまうところ。


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赤5m使い切れる、セーフセーフ!

感情の起伏が激しくなる瞬間。


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結局他家がアガるんかい!1300。

西家に西を絞りつつ、打点狙いの5m切り。件の西は山に3枚だった。



case8
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東1局、2本場の親番。

何を切るか?





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ピンフ厨なら2s切り、タンヤオ厨なら西切り。

どうやら私はタンヤオ厨のようです。


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カン3s、カン6pとズバッと引いて追っかけリーチに踏み切る。

このぐらいツモが効いてくれればタンヤオにした甲斐があるってもんよ。


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他家がアガるんかい!対面が隠しドラ3で7700。

私、タンヤオ厨、掴まなくて、良かった。



効率を犠牲にしたタンヤオ狙いは、食い下がりのない仕掛け時に特に効力を発揮しそう。

つまり、アガリトップの際などに効果的ということ。

次回は【鳳凰卓編】だ。



ラベル:天鳳
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2016年03月06日

安牌の続かない手はそれなりにまっすぐ行く

相手の先制リーチに対して、
どの程度攻め返す余地を残すのかというのは麻雀の永遠のテーマだが、
自分の手の打点・あがりやすさだけではなく、
リーチに対する安全牌がどのくらいあるかによっても攻守判断は変わってくる


オリ切れる保証がないのにメンツを中抜いても、
放銃のリスクは低くならないのに自分のあがりの可能性を消してしまうため、
局収支的には大幅に損な選択ともなりかねないからだ。


このへんは経験を積めば感覚的にある程度の正解を導き出せるわけだが、
後手における押し引きの強弱というのは個人差がかなり大きく
和了率・放銃率・局収支といった各数値に影響を与える部分であり、
ひいては、個々人の雀風を司る部分とも言えるのではないだろうか。


本当につまらない手なら安全を考えながら手を進めるのが普通であるため、
中盤以降に安牌に困っている時点でそれなりに攻め返す余地があるとも言える。

ただ、つまらない手だからこそかわす価値も高いのであって、
皆が一様にオリを選択しやすい場面こそ、
実は腕の問われる部分なのではないかと思ったりもする



強者というのは間違いなく、
しぶとい、しつこい、あきらめないという特徴を持っているものであり、
特にラス回避が重要な天鳳だからこそ、
後手に回った際の対応が重要になってくるのだろう。


それでは、具体的に実戦例から見ていこう。


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東4局、28800点持ちトップ目の北家。

タンピンの望める整った手牌のところ、ラス目の上家からリーチが入った。

さて、何を切る?





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ひとまずお茶を濁す感じで、8p切りとした。

さすがに7pを中抜いても後が続かないため、ある程度まっすぐ行くのだが、
ラス目のリーチである上、一発目に引かされた7mの感触が悪すぎる


567の三色なども見えるが、47mを使い切る最終形が難しく、
ゆくゆくはオリかなあ、という感覚を持っていた。


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8pを下家にチーされ、7mが重なったところ。

さて、何を切る?





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7s切りと少し迷ったが、2m切りでドまっすぐとした。

これなら懸念していた47mを使い切れるので勝負になる。

次巡、あっさりテンパイが入り、文句なく追っかけに踏み切った。


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これを仕留めて、裏なしの3900。

上家の手は、シャンポンのリーチのみ。
ラス目だとしても先制にはこれがある。

だったら行けばよかった、とならないようにギリギリまで攻め余地を残すわけだ。
テンパイまでいけば勝負は五分以上と思っていい。


本局は8pさえ切れればあとは手順に沿ってなのでわりと楽。
7mの重なりに気をよくすることが肝心だ。


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別の半荘。
東1局1本場、原点2着目の西家。

連荘中の親から早いリーチが入っている。
さらに、中を仕掛けた下家が6pなど押している。

安牌がありそうでないが、さてどうしよう?





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6mのトイツ落としも考えたが、ここではまっすぐに6s切りとした。

こちらもドラ暗刻とはいえ、牌の並び的にはあがりまでは少し厳しい。

ただ、中途半端にオリて放銃するのが一番悔しいので、
ギリギリまであがりを捨てない手順を踏もうと、がんばった。


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ここ引くか!という3sツモで一応テンパイしたが、
さてどうしよう?





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こうなった以上は、放銃覚悟で勝負するところだろう。

ダマで出あがりも効くし、打点も十分にある。
何より未だに安牌がまったくない。
6sを押した流れから言っても、ここは勢いにまかせたい。


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結局、下家が赤をツモって2000・4000。

親は、ドラメンツが完成した上での、69m待ちだった。


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6sを押した局面。

ワンチャンス6mトイツ落としでも、スジの3p切りでも大変なことになっている。

日和らないことで回避できる危機というのも確実に存在するのだ。


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別の半荘。
東2局、原点の北家。

チャンス手イーシャンテンのところ、
ラス目の親からリーチが入って一発目。

嫌な5sをツモって何を切る?





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切りたくない6p固定の7p切りも考えたが、全力の5sツモ切りとした。

場況から36sは良さそうに見えたので、
最終形をそれに寄せるのが最もあがりに近いと読んだ。


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赤5mをツモってマンズはフリテン含みだが、
8pが顔を見せたのでここでは7p切りとした。


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4sをツモって何を切るか?





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やはり36sに寄せる意識で強く4s切りとした。

親の河にはドラの8mも見え、赤やドラが続々と見えている。
親リーチとはいえ、それほど打点はないのではないか。

こちらもチーテン満貫なら十分に勝負になる。


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結局、親がダブ東をツモって4000オール。

予想外に高くてちょっと冷やっとした。
先ほどとは逆で、思いのほか高いケースだが、頻度としてはこちらの方が多いような気もする。

放銃に結びつかなかったので、これはこれで良し。


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別の半荘。
南1局1本場、19500点持ち3着目の北家。

41000点持ちトップ目の親からリーチが入って、一発目。

3pツモって一手進んだが、さて何を切る?





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トップ目の親にだけは打ちたくない点棒状況だが、
やはり3m切っても後が続かないので、1m切り。

これにラグがあり、ぎょっとしたものの、無事通過。


ドラドラなのですんなりテンパイすれば攻め返せるが果たして…


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次巡、少しずれて6sツモ。さて、どうしよう?





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ツモが縒れた上に、安牌が増えたので、ここでオリる手はあるが、
ギリギリまで粘る意味で2m切りとした。

先ほどの1m切りより遥かに勇気がいる2m切りで、
天鳳的な期待値としては微妙な一打かもしれない。


次巡に9sをツモって更なる押しも考えたが、
ちょっと感触が悪いのでここでマンズ落としとした。

2mを押したことで、今度はマンズを全部落とせるため、
風通しがよく、気分的にはかなり楽になっている。


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ラグのあった1mから切ると、上家がポン。


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そして、対面が役なしをツモって500・1000。

自分の手はイーシャンテンに復活していてまだまだ粘れる体勢だし、
2mを押したことによって1mポンの猶予を上家に与えたと考えることもでき
結果これが対面のかわし手に結びついたわけだ。


1mを連打していても上家はポンして同じ結果になった可能性もあるが、
ただベタオリして、自分の手牌も死んでいるのと、
1牌押して自分の手牌が生きているのではこの結果に与えるイメージがまるで違う



自分の手牌を生かして場を活性化させ、その上で生まれるいい結果というのは、
麻雀において最もいい循環であり、
それをもたらすのが1牌の押し、気持ちを強く持った押しではないだろうか。


見ているものを熱くさせる麻雀というのは、
押しの部分MAX同士で戦う姿勢を前面に出しつつ、
最後ギリギリのところで引くという絶妙な駆け引きで、
そういう麻雀を打っている時は本当に充実感がある。


天鳳的な期待値としては一見微妙に見える一打だとしても、
実はその押しには様々な付加価値があって、
トータル的にはそれほど悪い結果を生みにくいのではないだろうか。

天鳳位の打牌は、
何気ないところにこういう付加価値を生んだ打牌があるのではないだろうか、と思った次第である。


この半荘は気分のままに2着浮上で終了した。



ラベル:天鳳 攻撃
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