2020年11月22日

カウンターの仕掛け方

今回は麻雀におけるカウンターのタイミングについて。


カウンターという言葉を聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか?


多くの人はまず第一に、格闘技やボクシングのカウンターを思い浮かべるかもしれない。

私は幼いころからプロレスが好きでよく観戦しているのだが、格闘王の前田日明さんが最近youtubeでカウンターについてこのようなことを語っていた。

(日本の格闘家が今一つ伸びない理由について)
『カウンターを解説するのに、本職のプロボクサーの世界チャンピオンまで「当て勘がいいんですよね」って、当て勘当て勘言うじゃん。
俺らはもう仕掛けだってわかってるじゃん。それがわかってないんだよね。

出典:朝倉未来 https://www.youtube.com/watch?v=_U-tFGDViV4 「前田日明と対談してみた」


一見、カウンターの上手い下手は天賦の才のような印象を持たれがちだが、前田さんは他の動画でカウンターとは才能というよりも戦略であるとはっきりと言い切っている

つまり、相手との間合い・距離感の中にある様々な選択肢の中から、相手に攻撃させることが得だと思わせる駆け引きをすることで生まれる戦略的攻撃の手段が「カウンター」ということである。

これは前田さんさえも現役を引退してから気づいたことで、理解するためには相当な造詣が必要とのことであった。


これを麻雀に応用すると?

私の陳腐な言葉でイメージを固めるよりも、皆さん自身で膨らませた方が実になるかもしれない。


この対談の相手、総合格闘技でカウンターの名手である朝倉未来さんが以前このようなことを動画で語っていた。

僕は格闘技中に対戦相手を見ているというより、背景をぼんやりと見ている、と。

細部を見ていると不意の攻撃に対応できないので、相手の全体像を捉えるイメージだ。

なので、仮に脇から障害物が飛んできたとしても、格闘技をしながらでも対応できる、という旨のことを言っていた。

このカウンター技術を評して前田日明いわく、「未来は間合いの誤魔化し方が上手い」と。

少なくとも、これぐらいの視野がないとかわしながら当てるなどという芸当、いわゆる戦略的準備ができないわけである。


大局観、俯瞰、鳥瞰という一言で表すのは簡単だが、
なるほど麻雀においても集中して打てている時は手牌よりも目線が卓の中心に向いている気がする。

自分の手牌でいっぱいいっぱいの時ほど、対応に苦慮して長考しがち、思い当たる節があるのではなかろうか?


前田日明というと私のイメージは、危険でエロいおっさん、ぐらいだったが、youtubeチャンネルの動画を見て、そのスケールの大きさ、プロモーターとしての能力の高さ、様々なことに精通している博識さに心酔した

格闘技好きなら誰もが唸る内容が確実に含まれているはずなので、ぜひチラ見していただきたい。

前田日明チャンネル→https://www.youtube.com/channel/UCdr9GSa8Mm_2W039apA_1sw


男なら誰でも憧れる格闘技という世界、その舞台を麻雀の卓上になぞらえて我々は闘っているのだ。

そんな風に想像すると、無味乾燥していた世界にまた新たなエッセンスが加わるかもしれない。


話を戻して、今回はカウンターのタイミングについて。

麻雀ではどのように間合いを計るのが正解なのか。

それを実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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東4局、21400点持ちラス目の西家。

下は2000点以内に3人が競っているかなりの僅差。

局面は早くも煮詰まり、上家に3つ目の仕掛けが入ってここから手出し6p

白中ポンと仕掛けていて、かなり迫力がある。


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私もかなりのチャンス手となっているが、ここで持ってきたのはまさかの発。

発は場に1枚切れているので大三元の可能性は高くはない。

ここから何を切る?





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さすがに切りきれず、6m切りとした。

3フーロ二人に対して6m自体の危険度もかなり高く、直ちにロンと言われる可能性もある。

放銃率だけで見るならむしろ発の方が低いが、上家に打ってしまうと満貫からとなってしまう。

三色テンパイになるなら発を勝負する価値は十分にあるだろう。


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対面の親リーチが入って一発目。

上家の手出しを凝視していると、むむっ、手出しで北が出てきた。


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この瞬間にこちらにもテンパイが入った。

さて、どうしよう?





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ここで発を切って追っかけとした。

親リーチへの対応として出てきたということは、北は待ちだった可能性がそこそこ高い。

テンパイでなければ北よりも6pを引っ張る方が普通だからだ。

つまり、手出しがなかった時と比較して、現在発が通る確率は高まっていると考えることができる。

最悪なのはたった今、発単騎に変わったという可能性だが、総合的には今切る方がマシだろう。


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発は無事に通り、これが一発ツモ。

安目で裏も乗らないが、1300・2600はありがたい。

オリもありえただけに、会心のアガリとなった。

この半荘はこのアガリが効いてトップ奪取に成功。


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上家は親リーチを受けて回った形だった。

リーチへの相手の対応を見ることで、危険牌が通りやすくなる瞬間があることがわかる。

発を保留するのは間合いを見極めながら相手についていく感覚、俯瞰して待つことで、相手の攻撃の真贋を見極める感覚に近い。

発を先に切るのは不用意に相手の懐に飛び込む感覚で、これはややリスクが高い着手であると評される。

カウンターを当てるためには、相手の次の着手を見極めるための、しっかりとした準備が必要ということ。

結果が正しいか、実際に見極められるかどうかも大事だが、それよりも前もって準備をすること、これがカウンターをする上で最も重要だと言えるだろう。



case2
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東4局1本場、14900点持ちラス目の北家。

対面の南家が3フーロ目を入れたところ。

こちらの手はやや間に合っていないか。


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こちらの手は進まずに3pツモ。

対面のチー出し3mをどう読むか。

ここから何を切る?





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東切りで回った。

3p自体は現状切りやすいが、一通絡みの3sが切りにくく、ここを使い切る可能性を見た。

生牌の発も切れないため、迂回のルートをどうするかというところ。


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トップ目の親が赤切りリーチと来た。

これで基本的にはギブアップか。


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粘っていると、残りツモ1回というところで上家から9sが出た。

これを鳴けばテンパイとなるが、余っている発は完全なる生牌。

さて、どうしよう?





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チーテンに取って、発勝負とした。

ポイントは対面の2s手出し→1sトイツ落としだ。

対面は明らかに回った感があるので、発でロンと言われることはないだろう。

発を勝負する対象が親リーチのみならば、テンパイ取りは十分にペイする。


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結果、二人テンパイで流局。

きわどくテンパイに滑り込み、3着目との差を縮めた。

最終的には3着で終了。ここでのカウンターが地味に効いた。


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対面の3mはフェイク気味の引っ張りだった。

一応のドラくっつきに備えたという感じだが、形上ホンイツが本命。

この手出しにより読みが難解となった。ドラトイツなら先に固定していても不思議ではないからだ。

こちらが3pを先に切っても結果は変わらなかったかもしれないが、ここでの東切りは切れない3sと発を中心に据えた粘り強い着手

ストレートに3pを切るよりも間口が広くて受けやすい意味がある。

何気ないが、回し打ちの構想はカウンター狙いにおいて重要だ。

終盤は他家の対応の様子が顕著に出るため、その出方をうかがいつつ、ということである。



case3
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東3局2本場、14600点持ちラス目の北家。

トップ目の親と南家が仕掛けていて、河は煮詰まっている。

こちらは雀頭のないターツばかりのリャンシャンテン。

6mか8mかで悩むところだが、見た目より速度が微妙なので穏やかに8m切りとした。


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手が進まないまま、7pをツモってきた。

上家が4pを通したばかりだが、さてどうしよう?





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4pを合わせた。

ドラが見えて脅威が小さくはなったが、7pは対面に対して放銃リスクがある。

8p9p落としもあるが、9pが対面に切りづらい。

こちらの手が進まないのでここは丁寧に対応。


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ドラ引きにより一歩手牌が前進。

ここで何を切る?





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唐突に6mを勝負した。

ポイントは親の動向だ。

トップ目の親の仕掛けということで赤赤の5800クラスの放銃を特に警戒すべき局面だが、ここにきて2sのトイツ落としというのは悪くない受けだけに違和感がある。

積極的にアガリを見るというより、対面の仕掛けに対応しつつという側面が強そう。

それならば強く押していけると判断した。

もちろんこの瞬間に対面に当たってしまう可能性はあるが、ドラが固まっていないためそこまでの脅威ではない。


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6mに声はかからず、親は2sを河に3枚並べる。

そこに来てこのテンパイとなれば、これはもうカウンタームーブ到来。


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これを引きアガって、やっぱりなムーブ

生かした8pが裏ドラで2000・4000となれば鼻息も荒い。

一躍2着浮上で、最終的にも2着だった。


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下家の謎の2s連打は、片アガリテンパイからやはり回ったものだった。

仕掛けというよりドラ切りから7m手出しの西家に対応という意味合いが強かったかもしれない。


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直前の対面の入り目は4mでこの6m切りは紙一重だった。

紙一重という言葉はカウンターの特徴をよく表しているのではないだろうか。

親の脅威が薄れたこの一瞬を利用して切り込み、ギリギリのところで成果を上げる。

踏み込みが浅いと駆け引きの部分で甘さが生じて、それが隙になってしまう。



麻雀の場合は対応が一人ではなく三人であるため、自身以外の攻撃者に対する反応を具に観察することができる。

そしてその対応により一人の手が偽物と判断した瞬間が、相手の懐に飛び込むチャンスだ

虎視眈々と脱落する相手を見極め、間合いをジリジリと詰めていく。

危険牌を1牌切るタイミングを計るだけで、グッとカウンターの精度が高まることが見てとれるだろう。

そのタイミングを計るための準備を怠らないこと、この準備が言ってみればカウンターの極意であり、場を俯瞰して見る、ということである。


カウンタームーブとやっぱりなムーブ(←2021年の流行語にどうでしょう?笑)


ラベル:天鳳 攻撃
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2020年11月08日

ドラを大事にする手組み

今回はオーソドックスにドラの扱い方がテーマだ。


一昔前、昭和時代の麻雀においては、ドラはとかく丁寧に扱い、ギリギリまで引っ張ることが是とされていた

赤のない時代におけるドラ1枚の価値は今よりもはるかに大きかった。

不用意にドラを鳴かせることはゲームの興を損なうものとして嫌われる風潮もあった。

当時の麻雀は全体の調和を重んじ、「魅せる」「愉しむ」ことが重視されていた。個々人の実力にも格差があった。


一方、赤麻雀が普及した現在は、相対的にドラの価値は減少した

科学的麻雀観が台頭し、鳴きを含めた技術が飛躍的に進歩した。

勝利至上主義が叫ばれるとともに、責任論といった類の倫理観が消滅した。

現代麻雀はゲームとして純粋に強さを追求する「個人主義」、そして他者に規範を押し付けない「自由主義」に裏打ちされていると言えるだろう。


かなり昔の話になるが、東風荘で打っていた時のエピソードがある。

私のモロ引っかけリーチに暗刻落としで放銃した人が、「卑怯者!」とチャット欄で罵ってきた。

それは冗談ではなく本心から怒っている様子で、突然のことに私はあっけにとられた。

観戦していたその人の知り合いがなだめてくれて収まったが、私はこう思った。

ただ普通に打っているだけなのに、なぜこんな嫌な思いをしなければならないのだろう、と。


今はモロヒを批判する人などいないし、ドラを切って鳴かせても文句を言う人はいない。

当時はゲームを楽しむための精神的土壌が未成熟だったためにこういうトラブルは頻繁に起こった。

技術が向上し、Mリーグが発足していく過程で、一般人の麻雀に対する心構え、他家に対する作法のレベルも確実に向上していった。

これは、不快な思いをすることなく安心して麻雀を楽しめる環境が醸成されたという意味で、喜ぶべきことではないだろうか。


前置きが長くなったが、本題に戻ろう。

赤が普及したとはいえ、ドラの扱い方はいつの時代も頭を悩ませるものである

「ドラは恋人」と言ってみたり「ドラは出世の妨げ」と言ってみたり格言も様々だ。

私はドラを引っ張る方だが、引っ張りすぎて痛い目を見たこともしょっちゅうある。

ただ、早すぎるリリースは臆病さが伝わったり河を逆用されたりしてこちらの方が良くない。


現代麻雀では守備の意識が高く、ドラを引っ張り過ぎるのはやや損という考え方が大勢となってきている。

引っ張って放銃するリスクと自身の手が死んでしまうデメリットの方が大きいという考え方である。

体裁よりも実利を重んじる現代麻雀の特徴が表れていると言えよう。


今回はこうしたドラの切り時を踏まえた上で、孤立ドラの扱い方について触れてみたい。

ドラは基本大事にするが、大事にしすぎない。

この間(はざま)の中で、ドラを手牌に組み込む工夫をどのようにするのか。

ここには、かなり難しい何切るの分岐を含んでいることが多いので、実戦例で確認していただきたい。

それではどうぞ。



case1
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東3局1本場、22700点持ち2着目の親番。

急所のペン7sが埋まってやる気が出たところ。

様々な手役が見えるが、浮いている北はドラ

さて、ここから何を切る?





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2p切りとした。

雀頭をひとまず決めて、一通とチャンタの天秤に。

これだと123の三色は消えるが、そのハードルは高い。

ドラ単騎まで見るなら4m切ってチャンタに決める手もあるが、やや受け入れが狭い。

総合的なバランスを重視した。


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2mをツモってイーシャンテンになった。

さて、どうしよう?





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ツモ切りとした。

これを残してイーシャンテンに取る意味はほぼない。

最終形を大きく見つつ。


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8pをツモってきて、ここで4m切り。

手広くドラ切りとする手もあるが、はっきりと高打点の見えるチャンタに手役を絞った。


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粘った甲斐があり、ドラを重ねることに成功。

これで仕掛けても十分。三色を重視しての3s切り。


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上手くくっついて、789三色が視野に。

迷う形だが、ここから何を切る?





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1pトイツ落としとした。

ターツ落としは選択に裏目が生じて選びにくい。

三色ならチーテンで11600が確定するし、わりと鳴きやすそう。


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惜しくも安目を引き入れてしまったが、これでも十分なテンパイ。

即リーチに踏み切る。


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長引いたが、自身最後のツモで見事引き当てる。3900オール。

このアガリが効いてこの半荘はトップで終了。

何気ないが、丁寧にドラを生かす手順を模索したことが結実した。


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下家の手をご覧いただきたい。

ここでの選択もさることながら、手順前後によってはあっという間にアガられていた可能性があった。

難なくアガっているように見えても、その実結果は紙一重であったことがわかる。



case2
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東3局1本場、41600点持ちトップ目の親番。

ピンフと三色の天秤に構えていると、持ってきたのは生牌のドラ。

さて、何を切る?





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9s切りとした。

リャンシャンテンに戻すターツ落とし。なかなかオリジナリティのある一打。

8sがパッと見悪いわけではないので、ここを嫌うとなるとアガリが結構遠のくようにも見える。

ただ、25mが先に入ったところでのみ手のリーチは敢行しづらいので、それならば先に払っておくのもありか。


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工夫した甲斐あり、ドラを重ねることに成功。

これであとは一本道。


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ほどなくテンパイして即リーチに。

ドラを切っていてもタンピン三色になっていた。


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対面の追っかけが入るも、無事にツモって3900オール。

おっと、三色なら高目の方か?

工夫した結果、打点が安くなるというレアケースになってしまった。

トップ目だからこそアドバンテージを生かして伸び伸びとした手組みを心がけたい。



case3
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開局の北家。

4sに5sがくっつき、ソーズに両面ターツができた。

ポツンと浮いている8mは、ドラ。

ここから何を切る?





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2m切りとした。

雀頭不在につき、ピンズの好形には手をかけられない。

タンヤオの構成ターツを払うのはやり過ぎにも見えるが、ワンチャン678三色も見据えつつ。


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ところが、下家の親から先制リーチが入って、完全手詰まり。

ここで何を切るか?





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やや安全な3p切りとした。

まっすぐなら6p切りの方が風通しはいいが、いかんせん浮いているドラが切れない。

こうなると浮かせたドラが足枷となって、自身の手が死に体となってしまう。


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9pをツモってイーシャンテンとなった。

まっすぐならドラ切りだが、さて何を切る?





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ドラ切りを保留してスジを追うと、これがまさかの当たり。

カンチャンにぶっ刺さって痛恨の12000となってしまった。

ドラを突っ張る価値のある手でもなく、この放銃はある程度致し方ないようにも思える。

が、実戦中はドラを引っ張った後悔の念にあふれていた。


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9mが2枚見えているので、ドラを切ってしまうのも普通。

捻った選択が裏目と出てしまったが、ドラをギリギリまで引っ張ることは常にこういったリスクがつきまとう

こういう失敗は、後の判断に影響を与えやすく、手が縮こまってしまいがちだ。

が、あくまでトータルで見ていく必要がある。

この失敗を自身の中でどういう位置づけにするのか反芻すること、これは成功例を振り返るよりはるかに重要な作業だろう。




case4
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東1局1本場、44000点持ち現在ダントツの親番。

好手からダブ東がポンでき、盤石のイーシャンテンに。

さくっとアガれそう。


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くっつきに構えていたところ、ひょっこりドラを持ってきた。

特別ドラにこだわる局面でもないが、ここから何を切る?





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ドラを残して7m切りとした。

9mが3枚切れたことも加味しつつ。


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立て続けに持ってきて、これはビンゴ。

ドラを河に並べるところだったぜ。


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そして下家から温存されたドラが出てきた。12000。

1枚のドラの行方によって結果は180度変わるのが麻雀の難しいところ。

リードしていても貪欲に打点を追うことで、本局のようにリードをゆるぎないものにすることができる。



case5
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東4局、36000点持ちトップ目の親番。

チャンス手のリャンシャンテンから、8s引きでソーズのメンツが完成した。

345も見える十分形だが、余った3sはドラ

さて、どうしよう?





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3p切りでお茶を濁した。

ポンテンの2900にはそれほど魅力を感じないので、三色に固定しながら、ドラ周辺を伸ばす可能性も見ている。

仕掛け二者には直ちにドラでロンと言われることはそこまでなさそうだが、ドラを鳴かせてしまうと非常にやりづらくなる。


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次巡、1sをツモってきた。

さて、どうしよう?





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ピンズを落としてドラを使い切る算段とした。

表示牌受けは一抹の不安もあるが、これでドラが出ていくことはなくなった。

仕掛けの機動性よりも受けを意識した手順だ。


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結果、下家がドラをツモって1000・2000。

うむうむ、そうだろうそうだろう。


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上家の手をご覧いただきたい。

手順でドラを河に放っていると、5200の放銃となっていた。

これはたまたま助かった例だが、このぐらいの巡目だと仕掛けに対するドラ切りのリスクはそこそこ高いと認識できる。

もちろん、引っ張れば引っ張るほど切り出す際の危険度は高まるわけだが、切り出しを保留しつつ使い切る手順を模索することは、相手に先に仕掛けさせないという点で勝負を長引かせることができる。


時代の変遷とともにドラの役割も変化しつつある。

その中で、ドラを大事にする意識、ドラを大事にしすぎない意識。

両者をバランスよく保つことが現代麻雀では求められていると言えるだろう。



ラベル:天鳳 ドラ
posted by はぐりん@ at 09:37 | Comment(4) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月11日

危険牌を押してアガりやすい方に取る

麻雀はアガってなんぼなので、そんなの当り前だ、と思われるかもしれない。


最近の研究によると、相手リーチに対する攻め返しの判断基準として余剰牌の危険度が大きく関わっているらしい。

テンパイになる受け入れを広げて完全イーシャンテンに取ることは、余剰牌の危険度によっては得とは言えないケースがあるとのこと。

つまり、中盤以降は受け入れを広げる作業よりも相手の攻撃に備えて、攻め返せる態勢整えておくことが重要という考えが主流となっている。

「通らばリーチ」という符丁は、その危険牌を通すことがいかに大事かを麻雀打ちの歴史が示唆していると言えるだろう。


中級者と上級者の差として、攻撃者に対して攻め返している者への察知力・ケアに秀でているというのがある。

鳳凰卓で打ってみればわかるが、リーチに対して一牌危険牌を押すと、現物ダマであってもなかなか当たり牌は出てこない。

ケアのし過ぎが損になる部分もあろうが、特上卓との差はこの対応力にある。

上位卓では一牌の押しによりアガリ率の上昇率が他と比べて低くなるので、押し損という状況が多々現れるようになる。

このへんを実感できるようになればあなたのレベルは一段向上していると考えていい。

ダマだろうが現物だろうが闇雲に押しても結局リーチ者とのめくり合い、なんていうケースが格段に増えるわけだ。

こういう状況を目の当たりにしてしまうと、広く受けてアガリを拾うことがそこまでの得に思えず、判断に迷う場面が増えてくる。

冒頭で発していたセリフが決して当たり前のものではなくなってしまうのだ。

特に天鳳の鳳凰卓という土俵ではそれが顕著で、気配を察知されたが最後、当たり牌は永遠に出てこない。

この現象に遭遇して結果が出なくなると、押し引きの迷路に迷い込んで抜け出せなくなってしまう。

天鳳の強者というのは、この極めて損得の微妙な判断において精度の高い判断を継続して行える者であると言えるだろう。


それではどうすればいいのか?

基本的にはアガりやすい方に取る、で間違いはない。

ただし、麻雀の教科書に載っているようにステレオタイプにただ広く受ければいいというわけではない。

闘っている土俵のレベルや自身のリスク許容度(性格)に応じて、同じ判断を継続した結果がどのようになるかをプロットする。

その中で自身の軸をどの辺に置くかという解を導き出す。

何事も重要なのは芯であり、ぶれないための軸である。


今回も一例として私の実戦譜を紹介しよう。

何かのヒントにしていただければ幸いである。



case1
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南3局、15300点持ちラス目の南家。

直対3着目、上家の親からリーチが入っていて、その差は7100点。

上手いことチートイドラドラのテンパイが入った。

さて、どう受ける?





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宣言牌そばの7sを勝負した。

9mがたった今通ったので。

永遠に出ない7sよりはマシだが、放銃リスクと同時にかなり目立つ牌でもある。


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直後に下家から9mがツモ切られ、6400。

2着目から値千金の直撃で、一気に2着捲りに成功。

この半荘は3着で終了した。


66046.jpg

ラッキーだったのは下家が直後に掴んでくれたこと。

あるあるだが、直後は手拍子で切られやすい。

下家は安全牌に不安がある状態につき、いずれにせよ出たかもしれない。

山を見ると驚いたことに7sは残り3枚全部山だった。

重要なのはトータルでどちらがアガれるかという判断である。

チートイツは危険牌を押してアガりやすい方を取るかどうか、という選択が頻出する手役でもある。



case2
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南3局1本場、14200点持ちラス目の西家。

微差3着目の上家からリーチが入って一発目。

いきなり持ってきたのはモロスジの6s。

やや切りづらいが、さてどうしよう?





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ツモ切りとした。

確かに切りづらい6sだが、上家は通っていないスジも多く、当たる確率自体は低い。

現物が9sということもあり、9sを切ってしまうとアガリ率に結構な差が出てしまいそう。

ポイントは、上家のリーチ直後で時間制限のある中、この判断を適切に行えるか、ということである。


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対面から現物の9sが切り出され、1000点。

待望のアガリを拾えてひとまず3着に浮上した。


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山を開けて驚いたことに、上家は一発ツモの寸前だった。

1000・2000をアガられていたら、この後の展開は大きく変わっていただろう。

上家はアガリを得ることよりも私を牽制するためのおどしのリーチだったことが伺える。

出アガリの可能性を高めて決着を早めることで相手のアガリを封殺すること、これがいかに大きいかわかるだろう。



case3
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南1局1本場、24300点持ち2着目の親番。

トップ目の下家からリーチが入っている。

こちらも赤赤のチャンス手イーシャンテン。

上家から4mが出たので…


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赤含みで晒してテンパイを取ったところ。

さて、何を切る?





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現物の9p待ちに受けた。

しかし、この選択は大変に微妙なところだ。

なぜなら、親番で赤を晒しつつこの河だと、9pだけは脇からも出てこないと想定できるからだ。

8pもまずまず悪くない待ちであるため、一旦安全に8p単騎に取りつつ、よりよい単騎を模索する、という手もある。

これぐらい危険度が鮮明だと、出アガリの優位性が少ない、これをどう考えるかである。


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意外にも上家から出て5800となった。

攻め返さざるをえないラス目がいる場合はこの戦略は無意味ではないことがわかる。

自分の都合で攻めてこざるをえない他家は、リーチの現物ならということで切ってくるケースもあるということである。

ただしこのケースは鳳凰卓なら大半の場合止められることの方が多いだろう。

また、私の4s切りは空切りをした方が良かっただろう。



case4
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東4局、25000点持ち2着目の西家。

トップ目対面の親からリーチが入っている。

一発目はビシっと1sを勝負している。

現物の9mを持ってきたが、さてどうしよう?





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8mを勝負した。

これも親リーチへの勝負となると損得は微妙。

ドラを持っているかもと勘繰られると9mはなかなか出てきにくい。

単純に枚数的には8mの方が多いため、判断に迷うのではないだろうか。


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ほどなく上家から9mが出て1000点。

上家も安くてホッとしただろうが、ポイントは親リーチに通っているスジが少ない、ということである。

ケアする際に確実に親リーチの方が優先されること、かつ端牌は他家にとっても使いづらいことで出アガリのしやすさが増している。

なかなかこう上手くいくものでもないが、リーチの情報が少ない、リーチの河が強いケースではより有効となることがわかるだろう


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アガリを逃すと次に待っているのは当たり牌である。

ジリ貧になるかどうかの境目は、若い巡目の勝負判断にあるといっても過言ではない。



case5
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南1局1本場、29300点持ち2着目の西家。

12900点持ちラス目の上家からリーチが入っている。

こちらも超十分形のイーシャンテンだが、ここから何を切るか?





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4p切りとした。

現物の8pに手がかかりがちではないだろうか。

私がここで考えたのは69pの強さと受け入れの広さだ。

8pを切ってしまうとこの手の強みである9p受けが消えてしまう。この手は69p待ちでリーチをするのが最もアガリ目がありそうに見えるからだ。

受け入れは劇的には変わらないものの、23mや8p重なりも見て4p切りがやや優位だ。


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しかしこれが下の受けで当たり。

裏はなく2000で済んだ。


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8p切りでお茶を濁していると放銃はなかったが、おそらくアガリまではなかった。

69pは山に5枚と鉄板級の受けだった。

感覚のみならず、牌山的にもこの69pに寄せていくことがアガリのためには最善であることがわかるだろう

結局この半荘2着終了。しっかり打っての放銃ならば結果は悪いものにはならない。



case6
51064.jpg

南1局、21400点持ち3着目の親番。

2着目の下家からリーチが入って一発目。

テンパイから超絶危険な5sを持ってきた。

さて、どうしよう?





51065.jpg

押した。

これを押してしまうと現物待ちでも簡単にはアガれないが、オリるのも難しいためここは押した。


51066.jpg

さらに持ってきたのはこの5m。

アガリ牌の裏スジでスジトイツ牌。

非常に感触は悪いが、さてどうしよう?





51067.jpg

これも押したが、さすがにアウト。裏1の7700は痛い。

今までと違うところは通っているスジが多いという点で、58sを通してしまうとマンズの下かピンズの上ぐらいしか待ちがない。

ただ、場況から確実に9mは山にいるので、そのアガリ逃しが嫌だった。

これぐらい危険スジが限定されている状況、かつ脇が完全にオリていることがわかっているため、ここは8m切りも十分にあるだろう。

待ちをピンズの上と読んで5mを押すのは私は悪くないと思う。

こういう場面で総合的な判断力が必要になってくる、ということである。


51068.jpg

9mは山に2枚。これを多いとみるか少ないとみるか。

アガリを逃した次に深い闇が待っていることもあり、この放銃が一概に間違いとは言いきれないだろう。

放銃がなくても下家のツモアガリが濃厚だった。

この半荘は幸いにも2着で終了した。



case7
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東4局2本場、39000点持ち連荘中の親番。

競っている2着目対面からリーチが入っている。

中が叩けて11600のテンパイに取れたところ。

さて、どう受ける?





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5m勝負し、現物待ちに受けた。

前巡の3m切りからこの5m切りは並々ならぬ決意の表明。

下家が飛び寸につき、完全にアガリを拾う方向に勝負を賭けた。

8mが今出たばかりというのもストロングポイントだ。


33466.jpg

意外にも上家からロンの声で、5200。

放銃した下家が飛んで、僥倖のトップ終了となった。


33467.jpg

山にはカン6mの方が多かったが、ゼンツなら対面が8mを掴む算段となっていた。

case6と似たようなスジの持ち方だが、一度の結果で軸がぶれてはいけないということだろう。


覚悟を持った打牌には必ずや牌が呼応してくれる。

実戦例から様々な勝負の機微が見えてくるのではないだろうか。



ラベル:天鳳 攻撃
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2020年09月27日

攻め返しは中途半端にしない

先制リーチに対して慎重に対応したらアガリを逃してしまった。


何も珍しくない、麻雀においては日常茶飯事で見られる光景である。

言葉にすればたった一行で吹けば飛ぶように軽いが、打っている者からすればチャンスをふいにしてしまったのではないかという後悔の念、判断の是非への執着など、その一局は非常に重いものとなる

プロのタイトル戦など、場合によっては人生を賭ける場面でそれが訪れるかもしれない。

それこそ、夢にまで出てきて後悔に苛まれる、きっとそういうこともあるだろう。

私においてもそれは例外ではない。


麻雀は対応のゲームである。

だからこそ、刻一刻と変化する状況に対応しながら自分にとってできるだけ損の少ない着手を模索していく。

リーチ一発で危険牌を易々と打ってくる者に強者は少ない。

対応の余地があるのだから当たり前の話だ。



しかし、である。

何事もリスクをとらなければリターンを得られない。

技術の向上はリスクを最小限に抑えることではなく、リターンを最大化させるために採られるものであるはずだ。

麻雀というのは手牌+ツモの14枚を駆使してアガリを目指していくゲームである。

1牌が押せないと有効牌が減って結局オリることになる。

そのうちにどこで攻めたらいいかわからなくなって勝負所を見失う。

典型的な天鳳病である。


ふと、思う。

AI的な正しさが叫ばれて人間の感情が封殺されている。

ロボットは呼べば答えてくれるがその分友達が減った。

的を得た個人の1批評が、誹謗中傷として警告を受ける。

知りたい情報は何でも得られるが、その分人は落ち込みやすく、孤独になった。

この世は便利になったが、なんか、無機質になった。みんなが大人しくなった。

感情が行き場を失って悲鳴を上げている。感情クライシスが起こってる。


だから、今。

ちょっとだけ冒険をしてみないか。

今日一日だけ、リーチ一発目でも手の赴くままに危険牌を勝負してみよう。

それが当たっても構わない。

上手くいったら微笑んで、ダメだったらがっかりしよう。

自分の感情を楽しく開放してみよう。

大丈夫、君の隣人もきっと微笑んでくれるさ。

人間的な麻雀を打つことで、心の靄(もや)が少しだけ晴れるかもしれない。

心のリバランスをすれば、それが何かのきっかけになるかもしれない。


おっと、途中からポエムになってしまった。

攻め返しの際は、対応を意識しすぎると有効な変化を逃してしまうことも少なくないため、行くと決めたらシンプルに全力で行くのがいい。

攻守バランスにこだわり過ぎると自分の軸がぶれやすくなるため、手牌の形で類型化しておくのがいいだろう。

相手の雀風も踏まえ、リーチのかけ得ということにならないように、多少なりとも押し返してプレッシャーをかけておくことで、後々相手のリーチ判断に影響を与えるということもある

また、リーチがかかる前に安全牌を確保しておき、リーチがかかったらむしろ全力というようなメリハリを持つことも、現代麻雀では必要なスキルと言えるだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東3局、34400点持ちトップ目の西家。

たった今、親リーチに続いて南家の追っかけリーチが入ったところ。

このタイミングでこちらもテンパイしたが、赤5pが浮いている。

さて、どうしよう?





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8p切ってお茶を濁した。

場況的に9pは狙い目だが、ラス目の親リーチに対して一発で赤5pは切りきれず。

宣言牌が3pということもあり通常手はかかりづらいだろう。

この仮テンにとってしまうとアガリ目が大変厳しいのが難で、テンパイに取っただけという感じになってしまう。


42284.jpg

次巡、持ってきたのは痛恨の9p。

やっちまった感満載だが、それはそれ。

さて、ここからどうするか?





42285.jpg

9pをツモ切ったところ、これが当たり。

裏が1枚乗って痛恨としか言いようのない11600の放銃と相成った。

たまたま8pがワンチャンスになったのでテンパイ維持としたが、これが甘かった。

アガリ逃しにつき繊細に注意を払うべきところだが、共通安牌が乏しく、このぐらいはという判断になってしまった。


かわし手のためにラス目の親リーチ一発目に赤を勝負できないと考えるのであれば、この9pでしっかりと撤退するべきだったか。

ただ、やはり安牌が続かない懸念というのもテンパイ維持の根拠としてはあり、難しいところだ。

何も考えずに赤を切って追っかけていれば、逆に一発ツモで裏1の2000・4000となっていたわけで、上記の議論は一切必要なかった。

無条件に赤切りリーチがいいということではないが、赤を切って放銃するよりもこの9pで放銃する方が圧倒的に悪いというのは理解していただけるだろう。

方針に一貫性が必要という意味で、受けにはかなりの技術が求められる、という事例である。


42286.jpg

対面の入り目はカン4pだった。

論点として、赤を先に払っておくべきというのも一理あるだろう。

このケースでは、赤の受け入れが2種であることと、仕掛けの下家へのケアという点も考慮したが、仮にピンズの赤受けが1種の場合はとっとと払っておくべきかもしれない。



case2
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南3局、9700点持ちラス目の西家。

3着目まで8000差であと2局という苦境に立たされている。

ラス目につき、一発目の9sはブンと押したが、次に掴まされたのはこの8s。

さて、どうしよう?





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ここで3p切りとした。

上家はドラを切っていて、ペン3pはなさそう。河からもピンズはまだマシに見える。

1sと5sがかなり切りづらいのでそれを使い切れる最終形を目指して。


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ここで待望の雀頭ができ、8s勝負とした。

456の三色になれば十分な勝負となる。


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1sが現物となり、1mと7mを振り替えて、さらにこのくっつき。

出来た!とばかりに追っかけに踏み切った。


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も、上家にツモられ1300・2600。

満を持しての追っかけだけにがっかり感もひとしお。

この局の結果が響いて、ラスで終了した。


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みなさんお気づきだろうか?実は本局、私に痛恨のアガリ逃しがある。

原因は、この場面で選んだ3p切りだ。

8sは重なりにくく、ターツとしても使えない、最も機能しにくい牌につき、ここではツモ切るべきだった。

一発で押した9sにくっついた牌だったため、感触が悪いとして押しを躊躇ってしまった。


tenhou.29342.jpg

8sを押していれば、手順で258p待ちのテンパイが入る。

ここで赤5s切りの追っかけに踏み切るだろう。


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すると、一発で赤5を討ち取り、裏がズバリ5pでハネ満のアガリを得られていた。

ラスどころか2着終了も現実的だったというわけだ。


このように、リーチに対して中途半端に受けてしまうとアガリの効率を損ねることが多く、一牌の後先でアガリを逃してしまいやすい。

連続形を放棄してしまうことは変化の上で損が大きいことがわかるだろう。

受けるにしても効率を損なわないように受ける、なんとなく受けない、ということの大切さが分かる事例だ。



case3
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東2局、16700点持ちラス目の北家。

トップ目の対面からリーチが入っている。

こちらもタンピン三色のイーシャンテンだが、持ってきたのは1個ずれた4p。

さて、どうしよう?





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これを押した。

タンピンで仕上げるためには、4pと6pの無スジを2種通す必要があり、このへんで回りたくなるところ。

8s切りも考えたが、こちらはビハインドの身であるため、真っすぐに勝負とした。


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巡目が進んで7pが通り、上家から5mが出たところ。

チーテンに取れるチャンスだが、これを鳴く?





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これをガンと跳ねつけると、持ってきたのは最良とも思しき6pだった。

満を持して、アムロ、行きま〜す!


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一発で出たのは対面の悲鳴が聞こえる赤5mで、8000ゲット。

真っすぐ押し、かつツモを信じて突き進んだその判断が噛み合った瞬間だった。

仮に6pが飛び出ていてもセーフだった。


38023.jpg

この時点で、対面の待ちは既に山にない。

こういうこともあるから、攻めは真っすぐ、全力がいい。



case4
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南1局、20300点持ち微差ラス目の親番。

大物手狙いをしていたところ、2着目南家からリーチが入って一発目

有効牌とも安全牌ともなる南が重なった。

さて、何を切る?





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手広く、危険な9sを押した。

6sが切りづらいだけに、一発目に押すのはやや抵抗があるところ。

ただ、南が現物であることも踏まえると、仕掛け含めてテンパイの有効牌が段違いとなる。

下家のツモ切りリーチ、これも端牌の9sが押しやすくなる要素となる。


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5sツモでテンパイ。3sが通って6sが切りやすい状況となっている。

日和って南を切っているとテンパイが入らない。

勢い、リーチと行きたくなるが…


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この変化があるのでダマが正解だ。

リーチによる打点上昇効果がそれほど見込めない場合は、変化を重視する。


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これをさくっと引きアガって4000オール。

この最終形ならリーチで良かったかもしれない。

選択で南を切っていた場合は、8sが現れずにアガれていないばかりか、25sで放銃まであったかもしれない。

下家の待ちが47sにつき、勇んでカン2sリーチなら4sが捕まっていた。

このぐらいのチャンス手なら「自身の都合で」打つことが大事であると同時に、最後の最後まで気が抜けないこともわかるだろう。



case5
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南1局1本場、22600点持ち3着目の西家。

親からリーチが入っているが、こちらも赤赤とかなりのチャンス手となっている。

1mを引き入れ、テンパイとなったところ。

さて、どうしよう?





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ツモ切りとした。

シャンポンでリーチするのは5s勝負にやや見合わないと判断した。

安全な9pを切るのはマンズのくっつきテンパイを逃してしまうので有効牌がかなり減ってしまう。

攻めのテンパイ取らず、だ。


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狙い通りに5mを引き込みテンパイ。

5sは目立つが、36mはいずれも現物につき、ここはダマテンとした。


57955.jpg

リーチの親から出て、3900。

即リーチでも9p切りでもアガれていないため、積極的なテンパイ取らずが奏功した。


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4m9pも山にいたため紙一重ではあるが、アガリを拾えていないと7sで親のツモアガリがあった

場面を切り取れば正解は難しくないかもしれないが、選択肢が多いと難易度はぐっと上がるという事例ではないだろうか。



case6
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東1局、前局4000オールを親にアガられて迎えた1本場。

勢いに乗った親から先制リーチが入っている。

こちらはネックの急所が埋まって大チャンス手のイーシャンテン。

さて、ここから何を切る?





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現物を切らずに赤5m勝負とした。

場況的にも打点的にもソーズの4連形はぜひ生かしたいところ。

くっつきの広さで赤に手がかかるのは必然とも言えるだろう。


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狙い通りにピンズで好形ができ、現物待ちのダマテンに。

手出しが現物につき、これは拾えるかも?


66643.jpg

しかし、まさかのラス牌をツモられ、裏8sの3900オール。

勢いのまま押し切られてしまった。

2s切りでも最終形に違いはなかったわけだが、長い目で見れば受け入れの差が結果となって表れるだろう。

このぐらいはっきりとした攻めの牌姿の場合は腹を括りやすいか。



いずれにせよ、攻め返しには強い意志と精神力が必要なため、時に感情を解き放ち、心をリバランスして、攻め返すためのメンタルを準備しておくことが手掛かりとなるかもしれない。



ラベル:天鳳 攻撃
posted by はぐりん@ at 11:38 | Comment(0) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月30日

山にありそうなら最終盤でも即リーチ

最終盤にテンパイして、待ちは強そうなんだが、果たしてリーチしてもいいものか?

麻雀を打っているとよくあるシチュエーションではないだろうか。


最終盤の定義は特に規定されていないが、私は概ね15巡目以降を最終盤として考えている

15巡目だと、東家と南家は残りツモ3回、西家と北家は残りツモ2回ということになるが、大体残りツモ3回ぐらいを目安に最終盤と呼んでもいいのかな、と私は考えている


最終盤でリーチをかけるか迷うということは、言い換えればそれだけの打点があるか、待ちの強さがあるか、ということになるだろう。

点棒フラットとして、リーチをかけるかどうか、以下に明確な基準を示していく。


@残りツモ2回なら問答無用でリーチ

2回あれば十分、そのぐらいポジティブシンキングで行った方が麻雀は勝ちやすい。
ここで考えるべきは自分がアガれるかどうかもさることながら、リーチを受けた相手の立場になること。

テンパイしている者は、残り2巡もリーチに対して危険牌を切るリスクを負うことになる。

万が一にも最終盤のリーチに打ちたくない、最終盤だからこそなおさらそういう気持ちになるものだ。
相手がオリてくれればもちろんのこと、オリずに突っ張ってきたとしても対応にエネルギーを使わせることができる。
これはリーチ棒を出した見返りとしては十分なものだ。

南家であれば一発と海底の2回、1ハンUPのチャンスが生まれてお得。

ちなみに最終盤リーチの基本として、打点よりも待ちの強さの方が重要となる。
山に確実にいるならば相手が掴む可能性も高くなるし、アガリに寄せることでリーチ棒の負担が小さくなるからだ。
それゆえに、待ちの多さや、山にどれぐらいいるかの場況読みが重要となってくる。


A残りツモ1回で役なしなら

これは待ちがかなり強い時のみリーチするのがいいだろう。

さすがに残り1回となると、他家へのプレッシャーも小さくなり、降ろすことが難しくなる。
アガれば大体一発ツモなのは大きいが、空振る可能性もかなり高いため、供託の損失も無視できない。

少なくとも残り山に当たり牌が2枚いることが必要で、できれば3枚ぐらいはほしい。1/6ぐらいだったらいけるっしょ。

あるいは、形テンの仕掛け者がいるなどの場合に戦略的にかけることもある。


B残りツモ1回で役ありなら

これは大概ダマが優位。

残り1回でダマなら確実に出てくる牌をリーチで止めさせることは、リーチ棒の損失の方が大きく、期待値的にマイナスだと考えられるからだ
相当強い待ちで、他家に先制リーチが入っているなど、リーチをかけるにはやや特殊な条件が必要となる。


重要なのは2点で、

残り3巡なら、テンパイ者がテンパイ維持で突っ張ってくることも多いため、十分にリーチが効果的となることと、

・残り2巡と1巡ではかなりの差が生まれるので、残り1巡の場合に限り、慎重になっても問題ない、ということ。


最終盤でも、残り3巡と残り1巡ではリーチの効果に大きな差が生まれる、これを覚えておけばいいだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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南1局、36700点持ちトップ目の親番。

対面の仕掛けを受けて、テンパイが入った。

残りツモは2回だが、さてどうしよう?





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リーチした。

14mは残り3枚しかないが、マンズの場況が良く、2枚ぐらいは山にいそうに見える。

ダマで2900ぐらいをアガってもトップ当確とはならないので、それならと。

仕掛けにより自身が海底につき、一粒で二度美味しい。

それから…


tenhou.16945.jpg

対面視点。

この親リーチを受けてあなただったらどう思うだろうか?

実際は安牌がなく、オリることもままならない。

残り2回のツモは重く、私だったら生きた心地がしない。


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結果は、対面がツモアガって300・500。

対面のホッとした顔が目に浮かぶ。

これが単なるダマでは与えるプレッシャーがまるで違う。

一見さらわれたリーチ棒だが、これが真綿で首を絞めるようにじわじわと効いてくるのだ。


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この半荘のオーラス、対面は1000点をアガって二確。

私にとってこの上ない幕引きとなった。

あのリーチ棒は間接的に対面の心を縛っていたのだ。決して高い出費でなかったことがおわかり頂けるだろう。



case2
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東2局、23000点持ちラス目の西家。

上家2フーロに対し、ドラの余る形に。

ここから何を切る?





33386.jpg

ドラを勝負した。

カン3pが薄くて躊躇いがちだが、こちらに赤がある以上、上家の手が高いということはない。

ここはきっちりアガリを見る。


33387.jpg

粘った甲斐あって、やっとテンパイ。

残りツモは1回しかないが、さてどうしよう?





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これは当然のリーチだ。

何が当然かというと、上家に勝負してきたわけだから、上家に対してぶつけるリーチという意味だ。

上家にツモがある以上、役なしなら必然のリーチということになる。


33389.jpg

って、掴むんか〜い(゚Д゚)!?

まさかの放銃で、書いてる私が一番ビックリしたわ…。

ドラまで突っ張って完全にこちらの流れと思いきや、これ。

2000の放銃で萎えたが、この半荘は2着終了。ということは、悪いリーチではなかったはずだ。



case3
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東1局、3本積んでる親番。

対面からリーチが入っている。

こちらもテンパイが入ったが、4mが現物でダマでも5800ある。

さて、どうしよう?





57880.jpg

追っかけに踏み切った。

さすがにこの場況、上下の河を見ても、14mはかなり山にいそう。

ここは対面が掴む可能性も十分と見て打点を取りに行った。

5800と11600では破壊力が違う。


57881.jpg

が、ダメ・・・!

期待感が高かったのでずっこける。


57882.jpg

山を覗いてみると、フムフム、3枚なら十分…ってワン様か。

最終盤だと他家も丁寧にオリる可能性が高いので、これぐらいの場況なら現物待ちでもリーチが面白いだろう。



case4
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開局の北家。

親が仕掛けていて、ズバリ急所が埋まった。

ドラの東はまだ見えていないが、さてどうしよう?





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6pをぶった切った。

親の最終手出しが5pで、危険度はかなり高いが、この受け入れならギリギリ勝負になるという判断から。

見方によっては無謀な一打だが、開局につき積極策を採った。


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ようやくテンパイが入った。

残りツモは1回で、出アガリも効く。

さて、どうしよう?





76744.jpg

リーチを敢行した。

まずこの場況、1pが山に確実に2枚いる。

これだけでリーチに値するが、この局の本質はあの6pを勝負したということ

何のための6p勝負か、その意味を考えたらこのリーチは迷う余地がない。


76745.jpg

傀「御無礼。ツモる前からわかっていました」

裏は乗らずも一発高目で2000・4000。


76746.jpg

山3なら残り1巡でも十分に勝負になる。大体6分の1でキャッチできる。

1pが1枚しかない…だと?ベタオリの対面が直近ツモったのだろう。


76747.jpg

ちなみに、親はこの時点で高目倍満のテンパイだった。

おそらくピンズが入り目だったことを考えても、極めて紙一重の勝負だったことがわかる。

一方で、こういう一見無謀な勝負に勝機が潜んでいることもわかるだろう。


傀「使い切ったのはあなたの人生の残額です」

…知らんがな。



※ご要望により、コメント欄を開放しましたので、気軽にコメントしてください。

ちなみに現在天鳳での実戦は休止しております。



ラベル:天鳳 立直
posted by はぐりん@ at 22:19 | Comment(0) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする