2021年03月28日

選択しないという選択

今回は少し趣を変えたテーマを。


日常生活において、選択しなければならない時に逃避したり先送りしたりすることは大抵の場合いい結果を生まない。

しかし、選択をしなかったがゆえに間口が広がり、結果的に上手くいくという事例も稀にある。


例えば、株式投資においてA銘柄とB銘柄のどちらかを買いたくて迷っていたとする

A銘柄をもし自分が買ったらなんだかとっても下がりそうな気がする。

それだけならいいが、選ばなかったB銘柄が上がったりしたら目もあてられない。

迷った末にその人はそれらが含まれている指数のETF(TOPIX)を買うことにした。

これならばリターンはともかく、どちらかの銘柄の上下に感情を揺さぶられることもなく平穏でいられる。

これなどは「選択しない選択」のいい例ではないだろうか。


将棋の世界では、「手を渡す」という言葉がある。

いかにも攻め筋がたくさんあって攻めの一手を指したくなる局面で、じっと自陣に手を入れる。

相手はこちら側が何かやってくるだろうとその攻め筋を読んでいたところなので、いざ何もやってこないとなると手が広すぎて逆に指し手に困ってしまう。

将棋の世界ではこういうことがしばしばあるという。

厳密には「選択しない」こととは違うが、これを戦略的に用いることができれば精神的に優位に立てるはずである。


このように、「選択しない」ことで柔軟性の猶予を保ち、いい意味で選択の先送りをするという戦略がある。

これは麻雀においても例外ではない。

具体的には、形を決めずに様々なツモに対応できる構えを取ることだ。


元中日監督の落合博満のバッティングフォームは「構えのない構え」と呼ばれていた

すべての球に対応するためには、球種を「読まない」ということであり、来た瞬間に反応するということである。

「選択しない」ことが柔軟な対応を可能にすることの好例ではないだろうか。


シャンテン数に捉われずに、伸びそうな手は思いきって伸ばしてみる。

手牌の間口を広げることが好結果を呼び込むことも麻雀には少なくない。

どんな牌姿がそれに当てはまるのだろうか?

実戦例からご覧いただきたいと思う。



case1
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南2局、24000点持ち3着目の西家。

ラス目の下家とはやや差があるため、気持ち余裕がある。

ドラドラの好手から絶好のカンチャンが埋まったところ。

自風の西がトイツでターツ選択を迫られている。

さて、ここから何を切る?





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西を1枚外した。

いずれかのターツ落としが悪いわけではないが、さすがにこの形だと裏目が痛すぎる。

タンヤオ、ピンフ、三色という手役がつくことに加え、雀頭が極めてできやすい間口の広さがある。

仕掛けまで踏まえるとこちらの方が期待値が高いのではないだろうか。


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ひとつ仕掛けたところ。

ここから何を切る?





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4s切りとした。

通常は8s切りで、やや特殊な切り筋。

これだと受け入れが狭く、ドラが飛び出るリスクもあるが、8sがいかにも山にいそうなのでポンに対応できる構えとした

8sポンなら三色の含みが残って面白い。


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ベストなツモで自力テンパイ。

より危険な4sを先に処理できているというのもひとつの主張だ。


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対面から高目が出て7700。

ここでのトップ目直撃はあまりに大きく、そのままトップでフィニッシュした。

柔軟な西落としが見事にはまった形となった。



case2
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南1局、21700点持ち3着目の親番。

ラス目対面とは400点差という大接戦で、全体的にも僅差。

マンズにくっついてターツオーバーとなってしまった。

さて、何を切る?





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北切りとした。

最近の教科書にはこういう牌姿からはどこかのターツを落とすべき、と書いているだろう。

効率的にはそれが正しい可能性が高い。

しかし、ソーズもピンズも良さそうだし、せっかくくっついたマンズを無碍にするのも…ねえ?

8pを切るぐらいなら北を切る方が柔軟性があっていいんじゃないかと思う。


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こんな風にどこかが重なるだけでも、随分と有効牌は増える。

北を残している場合はこの4pツモで3トイツとなり、それほど進んでいない。

シャンテン数が高い(テンパイまで遠い)時の受け入れ枚数はそれほど重要ではないが、強いターツがひしめいている時は結論を先延ばしにして「間口を広げる」ことが有効となることがある


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4pが暗刻になり、意外な方向に手が伸びてきた。

危険な47pを固められるこの7pは嬉しいツモ。

これで概ね形は決まった。


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8mを引き入れて即リーチ。

序盤のターツ落とし候補筆頭は通常マンズではないだろうか?

ツモの流れに逆らわない、ということも私の中では重要なファクターだ。


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追っかけを食らって冷や冷やするも、無事にロン。

裏は乗らずに2000。

この2sはとても拾えそうだ。



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北落とし以外だとおそらくこの手はアガれない。

そればかりか、対面のハネ満ツモによる親っかぶりが待っていることがわかるだろう(裏裏)。

手牌・状況によって多少のアレンジを加えること、これが本局のポイントになっている。

このアガリからリズムを掴み、トップを捲ることができた。



case3
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東3局、21500点持ち3着目の北家。

好手牌からよだれが出そうな赤5mのツモ。

これにより手牌がギュッと締まったが、さて何を切る?





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北のトイツ落としとした。

タンヤオがあってこの形、さらにこの巡目ならま〜これはマジョリティかもしれない。

8sが暗刻というのも雀頭不在の心配が少なくていい。


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仮にこれがテンパイ逃しとなったとしても全然悔しくない。

むしろ、2分の1でこの幸せな形を逃してしまった時の後悔の方が大きいのではないだろうか。


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二者に仕掛けが入って、8sがカンツになった。

むむっ、これはテンパイチャンスに差が出てくるが…さて、どうしよう?





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カンした。

マンズの形がいいので、ツモを増やして少しでもテンパイスピードを上げたいとの意。

これだと単騎テンパイのリスクもあるが…


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リンシャンから素晴らしいツモをいただいて、これはベストな最終形。

これはもらったでしょう!


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しかし、これがまさかの流局で一人テンパイ。

これ、アガれんか…


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選択の場面。

シャンテン数重視なら、裏目の少ない5s切りが手筋、次巡6pツモでテンパイとなる。

4巡目即リーなら仕掛けが入らずおそらく2000・3900のツモアガリ(裏1)となっている可能性が高い。が、それは結果に過ぎない。

この形なら巡目が多少遅れても、タンヤオの有無による打点差はそこそこ大きいと見る。

焦らずに打点を見る北切りで問題ないだろう。


見てきたように、ターツ選択で迷ったら「選択しない」という選択が正着となることも少なくない。

とかくスピードが求められる時代ではあるが、要所要所で懐深くどっしりと構えること、このタイミングを見極められれば勝ちきるための大きな武器となることだろう。



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2021年03月07日

リャンカンの先決めは仕掛け時も効果的

今日は扱いの難しい形、リャンカンについて。


六萬七萬八萬九萬九萬一筒三筒五筒三索四索六索七索八索ツモ二索ドラ七萬

リャンカンがやっかいなのは、両面よりも手牌を1枚圧迫するため安全牌が持てないこと。

そして、最後まで残ってしまうと愚形かつ読まれやすい待ちになってしまうことだ。


モロ引っかけのカン2pを嫌って1pを最終手出しにすると待ちは読まれづらくなるものの、456待ちになってアガリづらい。

赤入りならば赤含みのカン4pもかなりケアされる待ちとなるだろう。


余剰牌を持てない上に、最終手出しが100%関連牌となる融通の利かなさこそが、リャンカンの使い勝手を悪くしているのは間違いないだろう。


手役絡みならばリャンカンを先決めしておくことで、そこが最終形になった際に出アガリがしやすいという生かし方もある。

これは以前の記事で詳解しているので参照していただきたい。

先切り引っかけの戦略【part1】

先切り引っかけの戦略【part2】


さて、仕掛けを入れた際にリャンカンが残っているケースも当然あるだろう。

この場合も同様に使い勝手の悪さはつきまとっているものの、一つメンゼン時と違っている点がある。

上家から出た牌をチーできる、という点だ。

何を当たり前のことを、と思われるかもしれないが、先決めは待ちが出枯れになるリスクを常に孕んでいるため、出た瞬間にチーできるのは大きい。


ターツ選択時にリャンカンの先決めをすることで、時に上家から鳴きたい牌を引き出すことができる。

そればかりか、絞ろうとした上家が「選んで」そのスジ牌を切ってくれることも往々にしてある。

なので、警戒されるべき手であればあるほどリャンカンを先決めしておくことは効果が大きい。


リャンカンは使い勝手が悪いからこそ、その特性を上手く利用することで、相手の読みの裏をかくことができる。

リャンカンならばこんな早い段階で形を決めないだろう、という通常の読みを逆用するわけだ。


仕掛け時に愚形を捌いて一手進むことの価値が非常に大きい事は言うまでもない。

奇襲ではなく正攻法として使いこなせるようになれば、特に上級者相手に効果の大きい戦術だと言える。

それでは、実戦例から見ていこう。


case1
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東2局、原点2着目の親番。

ドラの中がトイツというチャンス手をもらっている。

6mをツモってマンズがゴツゴツしてきた。

さて、ここから何を切る?





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5p切りとした。

単純な受け入れの広さならマンズのどちらかのトイツほぐしで、それが一般的かもしれない。

ピンズの上が安く、7p受けはかなり良く見える。

マンズのこの形は両面変化しやすく、中が鳴けた時に威力を発揮しそう。

ピンズの場況的に、カン2pが最終形になったら面白そうという観点からリャンカンを先決めした。

5p先切りならペン7pを引き出しやすい、という思惑もある。


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予想外に中が早く鳴けた。

ここで何を切るかは難しいが、構想通りマンズの変化を重視して、89p落としとした


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即座に上家から打ち出されたのは2p。

待ってましたとばかりに飛びつく。


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5mツモから36mと47mの選択をミスってしまったが、さらなる変化が。

マンズは持たれてそうなので、ソーズに変更することにした。

見ての通り、他家は完全にベタオリ模様。

もうミスれません…


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今度は捕らえて、4000オール。

親番でこの手をアガれるかアガれないかは大違いにつき、ホッと胸を撫で下ろす。


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ここでマンズに手をかけていると、最終形はペン7pとなっている可能性大。

それ自体は悪くないが、一見不自由そうなこのマンズを残すことも柔軟性という点から一考に値することがわかるだろう


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上家の2pはここから。

通常なら絶対に手をかけないはずの2pを選んで切り出している。

これが5p先切りの効果であり、絞ろうとすればするほど手をかけてしまう2pでもある。

高い手の時ほど絞る意識が働きやすいため、先決めの効果は大きい。

仕掛け前提ならチーして手を進めることができ、作為の優位性が高いとわかるだろう。



case2
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南2局、29600点持ち2着目の南家。

ホンイツ本線だったが、ドラが重なった

ややバラバラだがダブ南トイツでもあり、何とか生かしたい。


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ダブ南がポンできてイーシャンテンとなった。

ここから何を切る?





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6s切りとした。

3sと9sのダブル引っかけ。

8sを切ってしまうとソバの9sが絞られてしまうおそれがある。


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9sがポンでき、首尾よく7700GET。


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6s切りと8s切りが逆だと、9sと3sの出やすさに大きな差がついてしまう。

この場合5sが2枚切れにつき選びやすいが、5sが見えていなくてもこの手順は有効だろう。



case3
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南1局3本場、5100点持ちラス目の北家。

上手いことリャンカンとなる3mを引き込んだ。

ここから何を切る?





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5m先切りとした。

打点が必要な局面につき、123の三色に決めた。

この構えならドラツモにも対応することができる。

マンズが安くカン2mが待ちになったら面白い。


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思ったように手は進まず、2枚目の白を渋々ポンテンに取った。

この場況なら2mはあっさり拾えそう…ごくり。


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結局、上家が宣言牌で親に5800の放銃となった。

2mは一体いずこに…?


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2mは山に3枚で、なんとツモる直前だった。

おそらく誰が掴んでも2mは止まらなかっただろう。

このように、後々仕掛けることになった場合も、メンゼン以上に警戒されない待ちとなるため、テンパイまで漕ぎつけられればかなり効果的となる。


見てきたように、仕掛け時のリャンカン先決めは、上家からチーしやすいという利点がある。

ただでさえ手の内が読まれやすい仕掛けだけに、リャンカンの融通の利かなさを逆手にとることで、それを生かせる局面というのは必ずあるはずだ。

ここぞという場面で、お試しあれ。



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2021年02月28日

ドラ雀頭の振り替えを意識する

雀頭の振り替えは麻雀の手組みにおいて重要なテーマだ。

雀頭をスライドさせる意識を持つことは、手役狙いにおいて必須のスキルとなる。

例えば、三色なら複合形から何を切るかによって将来の成就率が変わってくるし、
純チャンなら老頭牌を浮かせることでネックとなる雀頭を振り替えるなど工夫の余地がある。


今回は手役をドラに絞って、その振り替えについてまとめてみた。

よくあるケースとしては、


三萬四萬五萬六萬三筒四筒六筒七筒一索二索三索六索七索ツモ五筒ドラ五萬

ここから何を切るか?


自然な手順なら36mの選択となるだろう。

なんとなく3mを切ってしまいそうだが、ドラをメンツの端に設置する6m切りが良さそうだ


三萬四萬五萬三筒四筒五筒六筒七筒一索二索三索六索七索ツモ五萬ドラ五萬

次にドラをツモった際に使い切りやすいからだ。

ドラを固定する手順ならどちらも変わらないが、例えば58sが薄くなった際に、


三萬四萬五萬五萬三筒四筒五筒六筒七筒八筒一索二索三索ツモ二萬ドラ五萬

こんな最終形になるかもしれない。

ドラをメンツの真ん中に設置してしまうと、亜両面の変化がないためドラを使い切りづらいというデメリットがある。

そこで、ドラをメンツの端に設置するのがセオリーとなる。


それでは以下のケースはどうか。


三萬四萬七萬八萬三筒四筒五筒六筒七筒一索二索三索北ツモ七萬ドラ三萬

3巡目、待望の雀頭ができた。北は安牌として何を切るか?

8mを切って形を決めてしまいがちだが、


三萬四萬七萬七萬三筒四筒五筒六筒七筒一索二索三索北ツモ三萬ドラ三萬

ドラをツモった際に、8mを取っておけばよかった〜と後悔することになる。

ターツにドラが含まれているケースでは、ドラが重なった際にそれを使い切れる手組みを考えておきたい。

ドラ含みのターツがある場合は、ややブクブク気味に構えておいた方がドラを有効に活用しやすいと言えるだろう。


よくある二例を紹介したが、みなさんも思い当たる節があるのではないだろうか。

これら振り替えを意識する際に、守備力との勘案で悩むケースが非常に多い。

振り替えは将来変化にすぎず不確定要素が大きいが、安全牌は絶対的なものであり確実な1巡を保証する。

近年では、中盤以降なら安全牌を持つ方がやや得だと考えられているようだ。

しかし、フラットな局面なら攻め気を強くするなど手牌を伸ばす意識は常に持っておきたい。

勝ちを呼ぶのは攻める姿勢であり、正しい手順を踏んだ上での裏目であればそれは決して悪いものにはならないからだ。


一方、赤入りのインフレ麻雀では打点がつきやすいためこの手の議論が影を潜めている印象が強い。

赤なしの競技麻雀などでより威力を発揮しやすいのは間違いないだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。


case1
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東3局1本場、30600点持ちトップ目の親番。

配牌に恵まれ、三色のイーシャンテンになっている。

2sをツモってきたが、さて何を切る?





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ドラ引きに備えて西切りとした。

この場合25s引きはピンフの変化がある。

ドラ引きなら仕掛けても打点十分、変化の恩恵は大きい。


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6pをツモってきたが、何を切るか?





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2s切りの三色両天秤とした。

入り目を問わず三色テンパイとなるのは打点効果が大きい。

さらに、9pをツモってきたがさてどうしよう?





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白のトイツ落としでピンフにした。

9sが3枚見えて789がやや厳しくなった。

これなら678の三色に決めてピンフを確定させる方がお得だろう。


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むむっ、ラス9sの方を引き入れてテンパイ。

789の三色を逃す形となったが、これはこれでよし。


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首尾よくツモって2600オール。

三色の裏目にならない6mの方をツモったとなれば、満足感は高い。

ノベタンは雀頭振り替えにおける基本形となり、手役を狙う際に大きな武器となることがわかるだろう。



case2
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東4局、34600点持ちトップ目の南家。

567の三色イーシャンテンのところ、8sをツモってきた。

さて、どうしよう?





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ドラ引きに備えて、白切りとした。

ドラは仕掛けに切りづらく、ツモってきた際に困らないように。

8sはワンチャンスでまずまず切りやすい。


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意に反して持ってきたのは、ターツオーバーとなる6s。

この巡目なら危険度も考えたいところだが、さて何を切る?


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8mを合わせて回った。

いずれかのターツ落としはいずれかの危険牌が飛び出てしまう。

ここは上家の親に対して特にケアしたいところ。

無理せずにテンパイする術を模索したい。


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結果、対面が下家に3900の放銃となった。

横移動での親流れにつきこれはいい展開。


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この時点で私以外の三者がテンパイしていた。

一見安全そうな56m落としなら、下家に3900の放銃

8sを残していないと6sに対応できず、親に1500の放銃

さらにドラ受けを軽視していると場合によっては対面に8000の放銃となってしまう。


手牌の間口を広げておくことは手役狙いのみならず、相手に対する受けに対しても効果が大きいことがわかる。



case3
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南2局1本場、39300点持ちトップ目の親番。

ピンフイーシャンテンのチャンス手だが、ここで持ってきたのはドラ。

さて、どうしよう?





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一旦手元に置いた。

自身がチャンス手だけに、危険度が高くなる前に切っておきたいと考えるのも普通だ。

これが単独のドラならば先切りするのも手だろう。

しかし、このぐらいの複合形なら…


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2583pツモで使い切れる含みが残る。

この場合はタンヤオに格上げで仕掛けも可となる。これは地味に大きい。

複合形の場合は変化に富んでいるので一手で雀頭スライドが可能になりやすい。

7pの方が危険度が高いとみて7p切り。


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テンパイが入らないまま、下家がリーチ即ツモで2000・4000となった。

下家のカンツからの1sを捕らえきれなかったのは残念。


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実戦では危険度の観点から、ここで5pを切っている。

ここでも5pを残せばドラツモが生きる変化となるため、ここでは8mを切った方がよかったかもしれない。

このへんはトップ目の余裕をどのように生かすかということでもあるが、後引きのドラを残すぐらいならということだ。


このように、雀頭振り替えは危険度との勘案で悩ましいことも多いが、手牌の間口を広げることで危険牌を使い切りやすいということもあるため、連続形を重視することは損になりづらい。

また、複合形には一見見抜きづらい雀頭の振り替えが含まれていることも多いため、ドラツモの変化を前もって考えておく、迷ったら厚い形は残しておくことで対応しやすくなる。


変化を自然にイメージできるようになれば、あなたの打点UPに大きく貢献してくれること請け合いだ。



ラベル:天鳳 ドラ 雀頭
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2020年12月06日

シャンポン待ちの戦略 出アガリ期待ならシャンポン

今回は仕掛けにおける待ち取りについて。


仕掛け高打点のテンパイにおいて、両面とシャンポンの選択があるとする。

この場合、枚数重視で両面を選ぶのはごくごく自然であり、間違いということはない。


一方、相手の仕掛けが高打点とわかった場合、あなたはどういう対応をするだろうか?

見えている高打点に打つことほどバカバカしいことはない。

その仕掛けにだけは放銃しないように引き気味に構えることがほとんどだろう。


鳳凰卓のような相手のレベルが非常に高い卓で長期間打っていると、気づくことがある。


それは、見え見えの両面待ちは出アガリできる確率が極端に下がる、ということだ。

バッチバチの殴り合いならともかく、守備重視の卓では高打点が確定した仕掛けに対して無スジというのはほとんど出てこない。

だからこそ、枚数重視に受けるのだ、というのも一理あるが、正攻法ばかりでは相手の対応が楽になってしまう、という一面もある。


シャンポンにしていたらアガれていたかも?というケースは結構あるのではないだろうか。

シャンポンの出アガリ率が高まる理由は、2種の待ちに脈絡がなく、スジにかかりやすいからである。

仕掛けにおいても無スジよりスジが切られやすく、手順で否定された中スジなども出やすい傾向にある。


つまり、

@両面の待ち8枚のツモ率+1%の出アガリ率

Aシャンポンの待ち4枚のツモ率+10%の出アガリ率

期待値が@Aになるような状況において、シャンポン待ちを仕掛けるのが一つのタイミングだ。


例えば、両面の出アガリ率が限りなく0%になる相手なら、シャンポンの選択率をやや高める。

両面待ちが相手に持たれている要素があるなら、シャンポンの選択率を高める。

シャンポンが出やすい要素が多いならシャンポンの選択率を高める。

同じメンツと長時間打つことが確定しているなら、シャンポンの選択率を高める、などである。


正攻法ばかりでは攻撃のパターンが一定化して、相手も受けやすくなってしまう。

戦略的にシャンポンを使用することはこちらは期待値との兼ね合いで選ぶものだが、放銃した相手方にとっては奇襲攻撃にやられた、というネガティブイメージを植え付けられてしまうものである

これを1回見せておけば、相手は疑心暗鬼になってメンタルを攪乱でき、これが長時間打つ相手にはジャブのように効いてくる。


それからこれはあまり語られていないことだが、
仕掛けにおけるシャンポンの選択はメンゼンリーチにおけるシャンポンの選択よりも有利だ。

なぜなら、リーチには裏ドラがあるからだ。

リーチの際に広く受けることは裏ドラの相乗効果があるため、特にチップ麻雀においては必須となるが、仕掛けにはこの効果がない。

なので、トラップ的に仕掛けるとすれば鳴いている時の方が有効に働きやすい。

手が狭くなればなるほど相手に手牌を読まれやすいという、仕掛けのデメリットを補う効果もある。


口で言うのはたやすいが、実際に手牌をもらうとシャンポン待ちを選択するタイミングは極めて難しい。

高打点だけに大事にいきたいという思考が邪魔をするからだ。

これを打破するために、自分なりに工夫する必要がある。

トータルで見ればシャンポン待ちも悪くない、という状況は確かにあると私は思っている。

今回は実戦例をいくつか挙げるので、それをヒントにアレンジしていただきたい。

それではどうぞ。



case1
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南3局1本場、13200点持ちラス目の西家。

9sチーして2000のテンパイを入れたところ。

供託リーチ棒が1本あるため、これをアガればひとまず上家と同点まで追いつける。

同点では座順でラスのままにつき、ぜひともツモアガリが欲しい。


31060.jpg

待望の白ツモで、加カン。

これで点パネとなり、出アガリでも捲れる打点となった。


31061.jpg

表示牌には中がめくれ、ドラ4追加の臨時ボーナス。

卓上がざわざわし始めた。


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5mをツモってきたが、何を切るか?





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ここで私は賭けに出た。シャンポンへの待ち変えだ。

他家の動向を見ると、上家と対面は明確にオリに転じた。上家は露骨に9pの暗刻落としだ。

しかし、9pは通っているわけではない、上家は安牌に窮している可能性が高い。

唯一攻め気を見せている下家は直前に生牌の南を切っている

この南は安全牌として切られる可能性が高い。

また、マンズが安くなれば中スジの5mも狙い目だ。

この河では待ちが絞れないと考え、安全策で出る牌を狙いに行った。


31065.jpg

ビンゴ!安牌に窮した上家から5mの方を捕らえて、12000の直撃。

直対相手からこの直撃はあまりに大きく、ラス回避に成功した。

安全度としては3mの方が上だが、両面からシャンポンに変えないでしょ、っていうところで5mが選ばれた可能性が高い。


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山を開けてみると次の私のツモはズバリ南だった。

これは結果に過ぎないが、仮に上家が南を掴んでいても出ていたかもしれない。47mは出ることはないだろう。


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この時点で47mは山に4枚、対して5m南は山にたった1枚。

ドラ4を見せたことで100%47mは出ないことを踏まえると、出アガリ期待のシャンポンはギャンブルだがそれほど悪くない。

上家が手詰まり風味、かつ私の河が強いことも加味したシャンポン受けが功を奏した。


31062.jpg

こういう南を鳴き無しでスルーしておけば、シャンポン変化の際に奇襲として使える。

天鳳打ちは覚えておいて損はないだろう。



case2
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東2局、12200点持ちラス目の西家。

対面からドラをポンしてテンパイ。

ここから何を切る?





44407.jpg

マンズが安いので4m受けでもいいが、片アガリに不安があるのでシャンポン受けは普通か

ただ、あまりアガれる気がしない待ち。


44408.jpg

終盤に3sをツモって両面変化となった。

さて、どうしよう?





44409.jpg

この段階で、4s手出しをしても25sは100%出てこない。

他家は受けつつマンズが劇的に安くなってきたので、2mのポロリがあるかもしれないと考えた。

また、対面の3s切りがやや強く、対面に4sをケアする意味もある。


44411.jpg

自身最後のツモでドラをツモってきて加カンすると…


44412.jpg

リンシャンにはまさかの4sがこんにちは。

僥倖の3000・6000に仕上がる。

天鳳ではこの場合、新ドラは乗らない。ちょっと前の記事参照。


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この時点で25sは山に1枚、4s2mは山に2枚だった。

25sがこれだけ薄いのはちょっと読み切れない。

ツモアガリなので結果はたまたまだが、安易な両面変化にとらなかったことが奏功した。

ドラを切り出した親にはさすがに手が入っていて、赤3。これは脅威だった。

最終手出しが4sだった場合、親が海底で2sをツモったとしてもオリを選択する公算が高い。

このように、シャンポンの方が山に多ければ、出アガリ含めて期待値が高い選択をしたといえる。

枚数を正確に読むことは困難であるが、こういう状況で狙うことができれば優位性があるということである。



case3
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南2局2本場、21600点持ち3着目の北家。

自風の北をポンテンに取ったところ。

5200と打点も十分で、この手を確実にアガりたいところ。

トップ目とは10000点差で圏内だが、ラス目とも6000点差と予断を許さない。


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ほどなくしてドラをツモってきた。

さて、どうしよう?





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ドラとのシャンポンにした。

これは上級者でも迷いどころではないだろうか。

5200でも確実に加点できればラス転落はなさそうだからだ。

私が考えたのは、片割れの9sの出やすさと、二者の仕掛けにより持ってきたドラという点だ。


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これがズバリ嵌って、対面から8000の奪取に成功。

タンヤオ風味の仕掛けから、スジを追っての放銃だった。

出来メンツからの放銃となれば対面も感触が悪かっただろう。

このアガリで2着捲り、最終的にも2着で終了した。


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この時点で25mは山に4枚、3m9sは山に1枚だけだった。

トータルで見れば枚数重視の両面受けは無難であることがわかる。

ドラまたぎの25mは場に現れることなく、先に9sでのアガリがあった。


このケースでは、場況含めて9sという端牌が使いづらいというところに優位性があった。

このあたりも判断材料に含めると、よりシャンポン待ちが利用しやすい場況を見つけやすくなるだろう。


ラベル:天鳳 待ち
posted by はぐりん@ at 17:06 | Comment(3) | 攻撃力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月29日

絞っているファン牌はいつ切ればいいのか?

今回は絞っているファン牌を切るタイミングについて。


仕掛けに対してファン牌を絞っていたら、脇からリーチが入ってさらに切れなくなってしまった。

こういうシチュエーションは思いのほか多いのではないだろうか。


「絞る」という行為は、特定の一者を不利にする行為であり、絞る者と絞られる者以外の二者が相対的に有利になる。

絞った方が得かどうかは状況によって大きく左右され、個別具体的に判断する必要がある。

例えば、明らかに高打点の仕掛けに絞るのは一理あるが、打点のわからない子方に絞って親にアガられるのは最悪だ。

打ち手の雀風や、仕掛けの影響なども含めて、高度な戦略が必要となるテーマでもある。

「絞り」についてはまたあらためて採り上げたいと思う。



中盤以降は相手の攻撃に備えて、危険牌を先処理しようと努めるだろう。

この過程において字牌は数牌よりも温存されやすい

かつ、仕掛けに対して「ついでに」絞るということが往々にして起こりやすい。

絞るつもりがなくても、孤立ファン牌が手元に残りやすいのはこういった理由がある。


なので、孤立ファン牌を切るタイミングは迷う頻度が多く、腕に差が出るポイントとなってくる。

適切に見切ることができれば、ファン牌を必要としている他家を殺しながら、自身の反撃の機会をうかがうことができるかもしれない。


反撃という言葉に何か思い当たる節はないだろうか?

ピンと来たあなたはもしかしたら私のブログの有段者かもしれない。

そう、このテーマは前回記事の「カウンター」と密接な関係があるのだ。


孤立ファン牌を切るタイミングを工夫することで、一見共倒れとなる絞りの不利な面を逆用することができる。

カウンターというのは「間合い」と「駆け引き」であることは前回記事で述べた。

まさにこれを意識して実践することによって、牌を絞りつつ反撃するという芸当が可能となるのだ。

真髄とは分野を越えて不変なるもの、気づきを得て応用することももしかしたら麻雀の一部なのかもしれない。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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南1局、26400点持ち3着目の西家。

下家が3900点と抜けたラス目となっている。

トップ目の南家がオタ風から仕掛けて2フーロ目を入れたところ。


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ここで持ってきたのは、2種目の生牌となる中。

上家の河には早くもドラがお目見えしている。

さて、何を切る?





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ファン牌を絞って、ペンチャン落としとした。

7sも悪くない受けだけに迷うところだが、考慮したのは点棒状況。

上家はピンズ模様につき、ここでテンパイを入れられてしまうと下家が即座に飛んでしまう可能性がある。

下が離れているだけに、粘り強く打って上を目指したい。


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そうこうしているうちに親リーチが入る。

上家の対応を観察していると、手出しで中が出てきた。

これはつまり?


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中がトイツ落としで出てきて、上家は確実に回っている。

これで南も切れるな、と考えていたところ、南まで出てきた。

このように、絞っているファン牌は、仕掛け者がリーチ対応を始めたら切り出すことができる。

「絞り」はこのような局面で最大限有効に働く。

ポンされた牌は手役として確定し元に戻ることはないが、手牌の中のトイツは切り出されればもう活用することは不可能、かつ手役も不確定となるからだ


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残していた4sにドラがくっつきテンパイ。

待ちの3sは親に通っている6sのスジだが、ドラそばだけにあまり期待できない。

ただ、万が一ラス目から出たら飛ばして2着浮上につき、ここはダマとした。

これは親が掴むまであるよ?


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さらに赤5pがインして8000に昇格。

と、思いきや最後の最後にこのツモ。

この1s、切りきれる?(親は赤文字ですが、回線落ちではありません)





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さすがにここだけはという感じでオリを選択した。

親の一人テンパイで流局。

会心の打ち回しだっただけに、テンパイ料を得られなかったのは痛恨の極み。


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この時点で、南中のどちらを切ってもポンテンが入っていた。

結果はわからないが、展開はがらりと変わっていたことは間違いない。

絞りの優位性や反撃のタイミングが手に取るようにわかる一局ではないだろうか。

結局この半荘は3着で終了した。



case2
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東2局、25000点持ち原点の西家。

沈んでいる親がオタ風の北を一鳴きで不穏なムード。

私の手に浮いているのはダブ東とドラの発。

これはめんどくさいことになった。


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何とか絞りながら手を進めてきたが、ここにきて南家からリーチが

こちらの手も悪くないが、東発南の生牌トリオに囲まれる。

さて、何を切る?





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私が選んだのは1mだった。

この1mはリーチに対して決して安全ではなく、メンツ手の受け入れを減らす着手でもある。

ただ、親の仕掛けで入った南家リーチの一発目に持ってきた危険牌、これは感覚的に切りづらい。

加えて親のオタ風ノータイムポン、これもただ事ではない。字牌が場にやたら高く、小四喜などもありえる。


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こちらの手も煮詰まって、前巡に南を勝負。

そしてこのツモ。

さて、何を切る?





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ここで東切りとした。

ポイントは親の手出しだ。

親はホンイツでもなく、リーチに対して明らかに回っている。

マンズ1枚ぐらいならわからないが、セットで落としている以上、さほど脅威はない。


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6pが暗刻になり、グッと手牌が引き締まった。

さて、何を切る?





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ここでドラ勝負とした。

親がドラトイツ以上だとしたら、この手出しはありえない。

南家に当たる可能性はあるが、親の脅威がないこのタイミングが一つの切り時だろう。


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望外の6pをツモって、追っかけに踏み切る。

安牌だからと赤5pを切っているとこのテンパイには辿りつけていない。


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一発で南家から仕留めると、これが裏裏でまさかの12000に。

親の動向を逆用し、絞っていた字牌を全放出、見事カウンターに斬って取った。


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親はドラを浮かせたホンイツ仕掛けだったが、打点が安いためオリ。

親がもう少し行く気を見せていれば、私の反撃は確実に鈍っていたはずで、このアガリを得られていたかどうかはわからない。

リーチに対する反応によってこちらの対応も大きく変わってくることがわかるだろう。

この6p4枚目を捉えていないと私のアガリはなく、上家のツモアガリが濃厚となっていた。



case3
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オーラス、11600点持ちラス目の北家。

3着目の親とは3800点差と捲り圏内。

トップ争いの南家からオタ風ポンが入る。


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何が何でも手をまとめなければならないが、対面のダブ南がポツンと浮いている。

ここから何を切るか?





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8p切りとした。

対面に残っているファン牌はダブ南と発のみ。

打点を考えるに、南は鳴かれる可能性大でいかにも速そうな河だ。

先に鳴かれてしまうと決着が早まってしまうため、ここは自重した。ギリギリの我慢。


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2枚切れも考慮したのに…このツモ。

ドラが9pだけにこの裏目はやっちまった〜。


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なんとかイーシャンテンまで漕ぎつけたが、ここで親からリーチが入る

リーチ棒が出たことにより、こちらの打点は必要なくなった。

あとは…


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ツモは縒れて4s。

ここから何を切る?





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ここで南が切れないのは、対面の8s押しがあるからだ。

白手出しで気配がボケたが、このプッシュを見逃すわけにはいかない。

7sあたりを押す手もあるが、ここはより安全なマンズのターツ落としとした。

次局に勝負を持ち越すことも辞さない構えだ。


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案外なことに、回っていたらテンパイが入る。

しかも234の三色つき。

さて、どうしよう?





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脇から1000点では捲れないため、ここは追っかけに踏み切った。

ラス目につき当然だが、もう一つ勝負できるポイントがある。

対面の発手出しに気づいただろうか。

この終盤で発切りということは、対面はオリた可能性が高い。

トイツであれば親にも通っていないため、暗刻落としの可能性が高いと読める。

つまり、この瞬間なら南はポンと言われてもロンと言われることはない。


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しかし、予想外のところからロンの声が!

まさかの親リーチに当たりで点パネの4800。

全身から力が抜けてコンニャクのようになった私がそこにいた。


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予想通り対面はここでオリ。

この発切りを見ての南勝負はまさにベストタイミングだったわけだ。


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ここで南を切ったら親はおそらく鳴くだろう。その場合もやはり親にアガリがありそうだ。

対面のzeRoさんは発バックのこの形。

ご存じトイトイダッシュだが、これをきっちりテンパイまで持っていくあたりはさすがだ。


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私を嘲笑うかのように、残り山には258sが渦巻いていた。

地団太を踏む、というのはこのことか。

南を先に切る手もあったが、打ち回しが良かった証だと自分を慰めることにしよう。



見てきたように、絞っているファン牌を切る好機は、「相手がリーチ対応を始めたら」である。

「絞り」によって将来的に戦う相手を減らすことができればそれはカウンターの精度が上がることを意味する。

特に守備的な打ち手に対しては絞りの効果が上がることが理解できるだろう。

勝負を長引かせることが自分にとって得かどうか、これを俯瞰して見極めることができれば、より効果的な「絞り」を戦略に組み込むことができるはずだ。



ラベル:天鳳 攻撃 役牌
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