
これが現在の俺の天鳳の成績である(特上東南戦赤あり8500戦ジャスト)。
放銃率097に俺の守備的な雀風が表れているが、
フーロ率269に注目してほしい。
これは全体的に見てもかなり低い数値なのではないだろうか?
打ち方は、必ずしも一定というわけではなく、
守備的なのを基本ベースにして、
牌効率に積極的だった時期もあれば、
仕掛けに積極的だった時期もある。
様々な打ち方の変遷を辿ってトータルでこのフーロ率ということは、
どちらかというと俺は元々鳴きの少ないタイプの雀風なのだろう。
今現在の俺は、
フーロ率の高さは必ずしも成績に直結しないと考えている。
ネット麻雀はチップがない分鳴きの有効性はフリーよりも高まるが、
天鳳においてフーロ率が低いまま好結果を出すことは十分可能であると考えている。
また、フリー雀荘の半荘戦や、競技麻雀のタイトル戦では、
フーロ率は高すぎるとむしろ勝てなくなる可能性が高いと考えている。
麻雀と名のつくすべての土俵で、
できるだけ打ち方を変えずに安定した成績を残すこと、これが今の俺の目標である。
そのためには、
フーロ率をどの程度の水準に安定化させるか、というのが非常に大きなウエイトを占めてくる。
★鳴きのデメリット
鳴きのメリットと言えば、何といってもスピードに尽きる。
その他様々な鳴きのメリットについては他に譲るとして、
今回は鳴きのデメリットについて考察していく。
具体的には以下のとおりである。
@自分の手の内を晒す手牌を晒すということは、自分の作戦を相手に晒すということである。
打点、手役、待ちが読まれやすくなり、
対応されると出あがり率は激減する。
A手狭になる晒した牌は二度と戻すことができない。
自分の手を短くすることは、選択できる牌の種類が減るということ。
必然的に相手の攻撃に対して受ける牌も減る。
つまり、守備力が低下する。
B打点が下がる
鳴いた瞬間、メンゼンを放棄し、リーチする権利と裏ドラを見る権利をなくす。
これによって、打点上昇幅がかなり限定され、
平均あがり点が下がる。
C他家のツモを増やす一局単位で見た場合、鳴きによって他家のツモは確実に増える。
あがりで早期に決着がついた場合は、このデメリットは露呈しないが、
長引いて終盤までもつれるとこのデメリットが顕在化する。
仕掛けの待ちがある程度読まれている終盤では、
勝負手の入った他家に叩き返されると、直接対決の様相になる。
これがリーチである場合は、打点的にも待ち的にもすでに仕掛け者不利になっているケースの方が多い。
終盤までもつれるとメンゼンが圧倒的有利であるのはこのためだ。
D紛れを起こす誤解を恐れずに言えば、
鳴きというのは流れを変える行為である。
ひとつの鳴きによって、局面自体ががらりと変わり、
好調者のツモ筋がずれたり、本来あがりのなかった者にあがりが生まれたりする。
テレビ対局などを見ても、役満が出たり、劇的な大逆転が生まれたりする実例には、
必ず何か鳴きが絡んでいるケースが多い。
これはおそらくデータ的にも実証できるのではないだろうか。
基本的にはくだらない鳴きで紛れを起こしても長い目で見れば本人に不利に働くが、
第三者視点から、わざと紛れを起こすような戦略も確かに存在する。
★デメリットは鳴いた瞬間に発生する
以上が鳴きによるデメリットの主だが、
これらのデメリットは鳴いた瞬間に無条件で発生する。
つまり、ひとつ鳴くことが有効となるためには、
その
デメリットを補えるほどのメリットがなくてはならないと考えるべきである。
具体的には、
鳴きのメリットが最も生きるのは、
相手の攻撃が顕在化する前に、自分があがってしまうことである。
★鳴きの絶対法則
ここから確実に言えることは、
微妙な鳴きというのは、デメリットを補えるだけのメリットがないケースが多く、
長い目で見たら損をする可能性が高いということである。
特に、
くだらない鳴き、必然性のない鳴きは自分以外の他家に必ず利する。
これは理論的支柱が曖昧で、科学的麻雀誌には載っていないが、
数少ない麻雀の絶対法則だと俺は考えている。
くだらない鳴き、必然性のない鳴きとはどういう鳴きなのか?
例えば、自分の手牌が進まない一発消しなどは基本的にくだらない鳴きの類であると俺は考えている。
これについては後の日記で個別具体的に検討していく。
★あがりとはピントを合わせる行為
麻雀であがることは、ピントを合わせる行為に似ている。
ピンボケしたままシャッターを切って行っても(仕掛けていっても)、
いい作品はできない(フィニッシュにはつながらない)。
全体のバランスを見ながら、シャッターを切っていくこと。
急所が最後に残っても、それはもつれやすくなるだけで、
仕掛けのメリットを十分に享受できるとは言いがたい。
仕掛けにおいて重要なのは、急所がどこかを的確に見極め、
その急所から捌いていくことであり、これがピントを合わせるということである。
逆に言うと、急所でない部分は鳴かなくても大勢に影響はない。
自分のあがり率がたいして高まらず、鳴きによりデメリットが大きくなると考えられる場合は、
スルーしても構わない、
むしろスルーした方が得なのだ。
これがスルーをする理由である。
★スルースキルとは
麻雀には状況に応じて様々な戦略があるように、
スルーのタイミングにも明確なシステムが存在する。
スルーした方が得、あるいはスルーしても悪くなさそうという状況には、
確かな理由が存在しており、
それを体系化したのが「スルースキル」である。
今後のブログではそれを個別具体的に検討していく。
★敵を知り己を知れば百戦危うからず
鳴くという行為は隙である。
相手が鳴いたらそれを常に咎める意識を持つこと、
そして自分が鳴くときは隙のない構えであることが、基本であり理想である。
相手の仕掛けというのは、敵を知ること。
自分の仕掛けというのは、己を晒すこと、という前提を弁えておくべきだ。
個人的見解としては、
何をスルーすればいいのかを的確に見極めることができれば麻雀は必勝に近くなる。
これが百戦危うからずということである。
★スルースキルの心得
スルースキルを使用するにあたって、以下に心得を示す。
これはスルーの心構えであって、考え方の根本となる部分である。
@スルーして好牌引いたら攻め意識
スルーして好牌を引いたらそれはスルーしたことが正着であることを暗に示している。
いわゆる、ご褒美ツモである。
メンゼンである場合は、リーチを念頭に高く仕上げることを意識する。
Aスルーして入ったテンパイ即リーチスルーして入ったメンゼンテンパイというのは、
仕掛けとの利益衡量を乗り越えて得た正着の証だ。
状況にもよるが、これによって入ったメンゼンテンパイは即リーチと行くのが基本である。
相手の仕掛けによって入ったテンパイならなおさらだ。
B迷ったら鳴かない迷って鳴くというのは、自分でも有利不利の判断が難しいということである。
こういう鳴きは、総合的には不利に働くことが多いのは経験からも明らかだ。
「迷う」という感情を相手に見せることも隙につながり、咎められる可能性が高い。
何もなかったそぶりでツモ山に手を伸ばすのが正解だ。
Cできるだけ鳴き無しにすると効果大ネット麻雀限定の戦略。
スルーを有効に生かすためには、それを読まれないための準備が必要不可欠だ。
自分の手が鳴くべき状況にない場合は速やかに鳴き無しに設定することが手を読まれにくくするコツだ。
特にファン牌のポンラグは相手に合わせ打ちさせる機会を与えないためにも、繊細な鳴き無しが必要となってくる。
Dスルーは日和るためではなく、鋭い反撃をするためと心得るべし
スルーすることによって、守備力が高まるのは確かだが、
スルーの目的は放銃しないことではなく、鋭い反撃をすることにある。
これをはき違えてしまうと、ただただ地蔵になってしまうことを肝に銘じるべきである。
Eしかし、鳴くべき手は鳴く鳴くべき手でない手を鳴くのは蛮勇だが、
鳴くべき手を鳴かないのは単なる臆病だ。
鳴くべき手を鳴かないのはむしろ勝てなくなる、これを認識してこそのスルーである。
★スルースキルの効果、効能
それでは、スルースキルを活用することでどのようなメリットがあるのだろうか?
@守備力
スルーすることによって、手狭にならないため、相手の攻撃に対する守備力が高まる。
これはかなり明快なスルーによるメリットだ。
特に字牌の場合は、2枚落とせることで守備力が高まるとともに、落としていくことで自分の手牌がグレードアップすることも少なくない。
A柔軟性スルーをすることで、様々なツモに対応できるのと同時に、
状況の変化にも柔軟に対応しやすくなる。
例えば、
放銃というのは、自分がテンパイに近ければ近いほど起こりやすい現象だ。
なまじテンパイしているから放銃するというケースは麻雀には往々にしてある。
急所でなければスルーしてテンパイを遅らせることで、一手の余裕が生まれ、
それによって放銃を回避することができる場合もある。
速いことが最善であるという先入観を取り除くことが、麻雀の大局観においては重要だ。
B安定感@守備力とA柔軟性を伴うことによって、不運かつ致命的な放銃が減る。
これによって、
ラス率が下がり、成績の上下のブレ幅が小さくなる。
個人的見解としては、
好調時の最高到達点は、鳴き麻雀の方が高く、
不調時の最低到達点は、スルー麻雀の方が高い。ラス率を低く抑えることが可能になるスルースキルの活用は、
ラスが圧倒的敗者である天鳳においても有効な戦術であり、
順位の分散を大きくしないという意味で、
順位の安定を確保できると同時に、精神的な安定感をもたらす。
これは前回日記に書いた、
「デジタルのジレンマ」に陥らないための一つの方法であり、
自分の鳴きによって相手のみならず自分自身までも翻弄されてしまうという、
鳴き麻雀最大のデメリットを解消する手段でもある。
さらに、このスルー麻雀がフリーやタイトル戦など、
あまねく麻雀の土俵において成立する可能性が高いこと。
これは、土俵の違いごとに自分のスタイルの根本を変えずに、
わずかに修正するだけですむため、
ブレ幅が小さく、精神的負担が少ないという意味でも合理的であり、
安定した麻雀を打つことにつながる。
以上が、スルースキルを活用することのメリットであり、
フーロ率を抑えた麻雀がスタンダードな戦術となる可能性を示すものである。
次回以降、その具体例を挙げていきたいと思う。