私の役満ばかり自慢してもなんなので、同卓者のみなさんの役満を紹介したいと思う。
鳳凰卓ではリアリストが多いので、役満の出現頻度は低いかと思いきや、わりと頻繁にお目にかかれる。
無理な国士狙いをする人は少ないものの、その分狙ってきたときの成就率が高いというイメージが鳳凰卓ではある。
とはいえ、役満テンパイよりもラス回避にその比重が置かれるため、ラスのリスクを顧みずに攻めてくる特上卓の方が役満の出現頻度は高いだろう。
まあ役満は手組みうんぬんよりも配牌・ツモ・タイミングによってできるものなので、出現頻度・間隔を気にしてもしょうがないのかもしれない。
狙えばできそうな役満と言えば、四暗刻と国士無双ぐらいで、これらの出現率には個人差があるだろう。

ちなみに私の役統計は以上のようになっている。(鳳凰卓5078試合)
役満はトータル13回で、約390試合に1回。思ったよりアガれていない。
四暗刻が単騎含めて5回、二盃口や混老頭よりも出現率が高いというねじれ現象が起こっている。
一年前ぐらいに見た時は混一色と七対子の出現率が全くの同一だったが、今見たら七対子がかなり上回っていた。
このへんに私の雀風が表れているように思う。
役統計を見るだけでその人の雀風や、好みの手役というのが浮き彫りになって、なかなか面白い。
さて、本題に戻って他家の役満だ。
単に手なりの役満を紹介したところで面白くもなんともないので、できるだけドラマチックなものを選んだ。
放銃か、親っかぶりか、横移動かでも全然違ってくるが、放銃だけは勘弁!というのが一般的な感覚だろうか。
それではどうぞ。
case1

東4局、16600点持ちラス目の西家。
完全に煮詰まっている終盤、親が6pポンしたところ。

直後に親が6pを加カン!
それから6mのトイツ落とし。
親は一体何をやっているんだ?

上家のツモの声とともに開かれたのは、きれいなメンホン四暗刻だった。

親は6p暗刻からのポンだった。
一見わけがわからないが、これはつまり、大ミンカンしようとして誤ってポンのボタンを押したと思われる。
これがほんとのカン違い、なんつって。
押し間違えなくてもツモられるが、鳴きで紛れた典型。
case2

南2局、7300点持ちラス目、後のない親番。
9pが出たが、これを鳴く?

ポンした。
フーロ率が低い私だが、三色同刻だけはなぜか狙いたくなってしまう。
鳴きやすい端牌だが、現状雀頭がなく、安い。

役なしのテンパイになってしまう。

やむなく下家から9sをポンしてフリテンのテンパイに。
トイトイに移行できれば打点十分。

その結果、国士をツモられてしまう。
下家は安全な西を切っていると、私のポンが入らず、対面に9mが流れる。
それだと決着はまったくわからなかった。下家の爆牌(ばくはい)が炸裂したと言えよう。
私のイマイチな仕掛けが役満を成就させてしまった。
case3

東4局、微差3着目の南家。
仕掛けの親が5s手出しで河がかなり脂っこい。

下家の4sにロンの声。
中スジ。ここで当たったら高そうだが?

開けてびっくり緑一色だった。

私が遭遇してきた役満の中でもこれのインパクトはかなりのもので、強く印象に残っている。
これをアガった碧乃さんはこの後私より一足先に十段到達することになる。
この緑一色の勢いが一役買っていたことは間違いない。

ちなみに配牌はこう。
緑はたった6枚しかない。なかなかに夢のある仕上がりと言えるのではないだろうか。
case4

東3局、全員僅差の南家。
親が両面ターツ落とし。
ドラを先に打っているだけにこれは相当警戒が必要な河だ。

下家の1mにロンの声、なんとこれが隠れ大三元だった。
1mを切った下家の手も四暗刻イーシャンテンだった。

対面は、発と中が暗刻で、雀頭がない形からの白ポンだった。

入り目は8sで、ここから単騎探しの旅に。
このぐらいの河で両面ターツ落としが入った場合は単騎待ちが十分にあるので、打点を読む必要がある。
実戦心理としては気配が尋常じゃないので、ここからはオリる。
case5

東3局、南家に手役不明の9pポンが入る。
4p切ってるのでホンイツではなさそう。

対面がツモ。
ファン牌が全部見えていて、ドラも切っている。トイトイか?

高い方のトイトイでした〜。
鳳凰卓で清老頭を見たのはこれが初めてだ。

9pポンはここから。
純チャンの仕掛けだが、清老頭も十分に意識できるだろう。

親の2pポン後のツモを見ていただきたい。
9s→1m→9mだ。
9sポンならツモスジが一緒なのでテンパイまでは同じだが、ここまですんなりとはアガれないかもしれない。
ともかく、9pの積極的ポンが奏功したと言える。
緑一色もそうだが、役満成就にはこのぐらいのピンポイントツモが必要だろう。
case6

南2局、34600点持ち2着目の西家。
北家がダントツで、ラス争いが熾烈。
表示牌の東をポンテンに取ったところ。
私は打点を作りすぎても飛びが出やすい状況につき、局をかわしてラス親で勝負しようと考えている。

この仕掛けが親リーチを誘発してしまう。
手役狙いの痕跡がある、かなり怖い河だ。

白をポンして攻めるも、ドラの南を引かされ、アガりを逃す。
その結果がこれ。

実に47800点差を一撃で捲って対面がトップに。
万理華ちゃんごめんにょ。

東ポンによって、親に2sが流れている。
東スルーなら私はメンゼンでもテンパイしていた。つまり微妙な仕掛けだった。
それよりも、この点棒状況で親は三暗刻のテンパイに取らずに、ピンズを払ってシャンテン戻ししている。
この手組みが見事だったと言えるだろう。
case7

東3局、17600点持ち3着目の南家。
中、白と二つポンした対面が手出し9s。
ソーズのホンイツが濃厚だが、この9s手出しはやや不自然だ。
6sとのスライドがありそう。

こちらもピンフ三色のイーシャンテンだが、ここから何を切るか?

5s切りとした。これは結構迷った。
仮に9s切りが6sとのスライドだとすると、最終手出し3sのソバ2sの危険度はかなり高いので、これを使い切る手組みとした。
対面は8s切ってるため、カン6sはなく、5sも切ってるため6sのシャンポンもなさそうに見える。
5sが通ってしまうとイマイチ対面の待ちがわからない。

対面から手出しで8mが、その後2s→3mと出てきた。
マンズ手出しの違和感が半端ないが、ミスリードさせる空切りがこれには含まれていると想定できる。
あなたはこの手をどこまで読み切れるだろうか?

結果、14s待ちで大三元のツモとなった。

答えはこうだ。
この時点で対面は大三元の9s単騎だったのだ。
ここから単騎探しの旅。終盤の2sは空切りだが、直後に1sツモって14s待ちになったと。

この場面、少し日和ってマンズを選んでいると大三元放銃の可能性大だった。
実際78m切りは選択肢にあったし、8mで放銃するとはまったく思っていなかった。
56sを切ったのは自身のアガリ目を最大限に見るという選択だったが、前向きな姿勢が致命傷の回避につながった。
役満の可能性があるからベタオリする、というのは正しいが、自身がアガりきって役満を阻止する、という方が戦い方としては強い。
ともかく、不自然な手出し連打には単騎待ちの可能性があるということがわかるだろう。
この半荘は放銃回避が実って3着だった。
case8

南1局、26500点持ち2着目の北家。
対面が派手な河で、両面ターツ落としを見せてきた。
国士ももちろんあるが、早いタンピン形というのもありうるのでケアが難しい。

対面の4p手出しに対して、若干ビビりながら6pを切ると、これを親がチー。

南でロンということは…

国士だった。
開けてみれば納得だが、4pまたぎや36sでロンと言われればそれもまた5200以上濃厚につき、厄介な河だ。
テンパイ気配を見極めることが重要で、リーチと来てくれれば対応がしやすくなる。

対面は九種を流さずに、国士狙いだった。
前局会心のアガリを得ていただけに、このへんは流れを重視したのだろうか?
ツモも呼応し、ほぼ無駄ヅモなく国士のテンパイ。この感覚はお見事だった。
素材を使わせていただいたみなさん、ありがとうございます。