2015年11月22日

スルースキル ファン牌複数でも慌てて鳴かない

ファン牌の複数トイツをもらった場合にまず考えることは、
ホンイツがどれくらい見込めるかというところで、
色が比較的偏っているなら打点妙味があるため、積極的に仕掛けていっていい。

また、色に偏っていなくとも形が整っている場合は、
赤やドラ絡みでバランスのいい手に化けるため、
手順で仕掛けていきやすいと言える。


一方で、それ以外のケース、
色がばらけてホンイツが十分に見込めない場合や、
愚形が多く急所が残りそうな場合は、
慌てて鳴かずに、ツモに方針を聞いてみるのも一つの手だ。


スルーすることで手牌の受け入れが広くなるため、
色に寄ったツモを捕らえたり、好形変化したりと、
手牌の形を整えてから仕掛けることによって、
より的確にあがりを捉えることが可能となるからだ。


ファン牌複数の場合はもう一方の保険があるため、
スルーすることで劇的にあがり率が下がるリスクは低く

例え鳴けなくとも最後までトイツ手を見ることができるし、
何より、相手の攻撃に対しても優秀な受けゴマとなる。


ファン牌複数は基本的には攻撃の大チャンス手だが、
いまいち鳴きたい形でない場合は、
ワンスルーでも依然としてチャンスは継続していると考えてよく
そういう意味では非常に使い勝手が良い、
攻守においてバランスの取りやすい手であると言えよう。


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東4局、20000点持ち微差の3着目の南家。

ファン牌2組のところ、対面から東が出た。さて、どうしよう?





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ラグありでスルーした。

三色にばらけていてホンイツは厳しく、
カン5sの急所やドラ受けがあるため、
いまいち鳴きたい形になっているとは言えない。


ワンスルーからツモに方針をうかがったところ、中が暗刻になった。
これで勝負になる。


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7mをツモって難しい選択。

7pが枯れているので、通常は6m切りなのだが、
上家の5mにラグがあったので、コーツ手の可能性も残して7mツモ切りとした。


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ツモが効かずに終盤を迎えて、3mツモ。

スジトイツで場況的にかなり切りにくいので、
ここで東のトイツ落としも十分に考えられるが、
実戦では5p切りとして粘った。



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切れない3mに2mがくっつき、
ここで満を持して東のトイツ落としに踏み切る。


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最終的には1mをツモあがって、400・700のツモ。

東の暗刻落としに見せつつツモあがりという、
なかなか小洒落た一局となった。


スルーした東を受けに効かせつつのあがりというところで、
スルーのメリットをめいっぱい享受している。

このように、ファン牌トイツ複数から大きな打点が見込めない場合は、
ワンスルーから手を組み立てることで、特に守備面でのメリットがある



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別の半荘。
南1局、16700点持ち3着目で迎えた南家。

ダブ南と発をトイツでもらって、マンズのホンイツも見込めるチャンス手だ。

親の第一打で9mが出たが、どうしよう?





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何も考えずに鳴きたくなるが、ここではスルー。

マンズのホンイツにはターツ不足だし、
9mから鳴いてしまうとダブ南が出にくくなる。
赤5mが上手く使い切れるかどうかもわからない。


上の離れた3着目ということで、
天鳳的にはこの局面は大振りよりも確実なあがりの方がほしい。

拙速な端牌仕掛けは、むしろあがり率を下げる方向に働きやすいのだ。


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数巡後に、嬉しい嬉しい発暗刻。

これで攻守ともに安定し、
今度は積極的に仕掛けていける体勢となった。


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ダブ南が鳴けて、これならホンイツは不要。

手順であがりやすい方に寄せる赤5m切りとした。


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テンポよくテンパイからあがりまで結びついた。1300・2600。

9mから仕掛けていると、ここまですんなりとはあがれていないだろう。


ファン牌複数にあぐらをかかず、
ピントを合わせる急所から仕掛けていく工夫が必要となってくる。


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別の半荘。
南1局、26600点持ち2着目で迎えた親番。

白中トイツのところ、上家から白が出た。さて、どうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

やはり三色にばらけてホンイツは厳しく、
5sに3sがくっついたドラの急所残りで、
積極的に鳴きたい形になっていない。


スルーしたところ、まんまとドラが埋まって、ラッキー!


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対面がツモ切った白を今度は仕掛けて、イーシャンテンに。

先ほどとは手牌が見違えている。
急所が埋まってから仕掛けるだけで、これほどまでに期待度は変化する。


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中も鳴けてテンパイ。

いかにもピンズのホンイツ風の捨て牌が出来あがり、
69sは絶好に見える。


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対面からリーチが入り、現物なのに9sが出ない。

残り1巡で、さすがにこの7sは危険度が高いので、
8sを切ってテンパイ維持とした。


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と思ったら、メッタメタに切られる69s…

この局は2人テンパイで流局した。


ワンスルーでも十分にチャンスは継続しており
ファン牌複数の手は悠々と構えていてもあがりに結びつきやすい。


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別の半荘。
南2局、20000点ジャスト、2着目の西家。
下三者が拮抗していて油断できない状況。

ファン牌複数のところ、下家から発が出た。
さて、どうしよう?





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これも、スルーした。

ピンズの形が不安定で、ソーズのホンイツかどうかも方針が決まっていない。

1sにくっつけば手順でソーズのホンイツへ寄せられるため、
ここで1sを浮かせておくことには意味がある。


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ほどなくカン4pが埋まる。

これにてソーズのホンイツの線は消えた。1s切り。


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すぐに出た発を今度はポンして、イーシャンテンに構える。

カン4pツモによって、この手の方針が決まったため、
このポンは自然な仕掛けであると言える。


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トップ目の上家が露骨にアシストしてくれて、1000点のあがりとなった。

親は手ばらからの放銃にも見えるが、
実は手詰まりで、切る牌に窮している。


上家の意図から見ると、1枚目から仕掛けてもなんとかなった可能性はあるが、
点棒を持っている人からアシストを期待するのは不確定要素が強く、甘い

ワンスルーによって懐深く構えておく方が、トータルでは安定した結果を残しやすい。


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別の半荘。
南3局、22700点持ち3着目で迎えた親番。

この譜は、以前スルースキル 暗刻がひとつもない手は基本チートイで、紹介したものだ。

まず、対面から出た南を鳴き無しでスルー。


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さらに、同巡に出た発も鳴き無しでスルー。


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最終的にはチートイのリーチをツモって裏裏の6000オールに仕上がった。


これについては賛否両論あるだろうが、
苦しい仕掛けから下家と対面を脅してしまうと、
ラス目との一騎打ちになりやすいという、
天鳳的順位戦略の側面
がある。


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別の半荘。
南1局、30100点持ちトップ目の西家。

ファン牌2組のところ、対面から発が出たが、どうしよう?





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鳴き無しでスルーした。

マンズは愚形、ピンズはドラ受けで、鳴いても安い。
トップ目がこの手から仕掛けてもリスクばかりが高まりやすい。

それならば、トイツ手主眼に受け重視の手構えにしたい。


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ラス目の下家からリーチが入って、テンパイするところまでは行ったが、
さすがに押せずに、ここで発のトイツ落とし。


発を鳴かなくとも、テンパイスピード的には遜色ない上、
スルーしたことによって今度は発が守備に生きている。


トイツ手の手組を意識することで、
攻守ともにソツのない対応が可能となり、
ファン牌複数は無条件でトイツ2組であるため、
常にその権利を有している
と言える。


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この局は、親が手詰まり気味に放銃。

リーのみかと思いきや、裏が3枚乗って8000となった。


無傷で局が進んだ自分の立場としては御の字だが、
ちょっとした油断が、時として大事故につながるのが麻雀の怖いところだ。



ラベル:不鳴 天鳳
posted by はぐりん@ at 18:35 | Comment(4) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月15日

スルースキル 点棒がない時こそ慌てない

麻雀において非常に重要なのは、劣勢時における対処だ。

点棒に余裕のある優勢時は、気持ちにも余裕があるので、
自分の為すべきことを比較的冷静に選択できる。

リードを意識して過度に日和すぎてもなかなかいい結果には結びつかないが、
それでも自ら大崩れする方向に傾かないのは、
何といっても心の余裕の面が大きい。


一方で、劣勢時は点棒を取り返したいという気持ちの焦りから、
通常より仕掛けが遅くなったり、早すぎたりして、
自分の求める方向性と乖離が生まれやすい。

いわゆる、ちぐはぐになるというやつで、
平常心を失った状態であればあるほど、大局観を見失いやすい。


俺が劣勢時において最も重要だと考えることは、
劣勢時でもできるだけ自然な手順であがりを取りに行くこと
であり、
例えそれが着順上昇に結びつかなかったとしても、
離されずについていくことによって、何かが起こりやすい

無理な手順は自分のあがり率を下げることによって、
自分の放銃率、相手のあがり率を上げてしまうため、
次の相手の加点がますます自分を劣勢に追い込むことにもなりかねないからだ。


どんなに焦ったところであがり率は上昇しないのだから、
まずはきちんとあがりに寄せる手組を意識することが最重要となる。


それを踏まえた上で、
天鳳の場合、焦りからラグに鳴かされるというケースが往々にして生まれやすい。

天鳳では特に、ラス目の攻撃に対しては慎重に対処される傾向にあるので、
劣勢時の仕掛けが無理であればあるほどそれが成就する可能性も低くなる。

劣勢時だからこそ、仕掛けも慌てずに、あがりに寄せる工夫が必要となってくる。



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東2局3本場、11100点持ちラス目の西家。
開局から親連荘の割を食い、早くも劣勢に立たされている。

ホンイツも見込める配牌のところ、親の第一打で南が出た。
オタ風だが、これを鳴く?





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ラグありでスルーした。

発からなら自然にポンするつもりだったが、
オタ風から仕掛けても打点や待ちの面からいまいちいい結果になるイメージが湧かない。

上家の南合わせでさらに選択を強いられたが、
同巡オタ風2鳴きで鳴かされるイメージが強いため、
「迷ったら鳴かない」に従ってスルーした。


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手順で南のトイツを払っていったところ、
ドラと赤5mを引き込み、まだまだ遅いものの、それなりに打点も伴ってきた。

ドラターツを決める4s切り。


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ピンズの急所をズバズバ引いて、
ポンテンに取れるタイミングで発が出てきた。

数巡前なら悩ましい発ポンだけに、
ベストタイミングで鳴けた幸運を噛みしめる。


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テンパイの入っていた下家から出て、3900は4800のあがり。

最終的には、ホンイツと遜色のない打点に仕上がった。
南ポンからだと発は絞られる可能性もそれなりにある。


この手の場合、初巡の南ポンは不自然ではないため、
積極的に仕掛けていく手も十分にある。

一方で、本意でない仕掛けなら、慌てずにチャンスを待つことで、
このケースのように、より納得のいく決着を見ることもできる


この半荘は結局2着で終えられた。


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別の半荘。
東4局、残り1000点と絶体絶命の北家。

タンヤオの好手牌をもらって、鼻息も荒い。

ところが、58mが一巡の間に3枚も切られてしまった。
一刻の猶予もないが、上家の8mを鳴くか?





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さすがに一瞬迷うも、歯を食いしばってスルー。

これを鳴いても34sのシャンポン形がいまいちあがりにくいし、
ピンズの伸びなど手牌の形に融通が利くので、58mに拘らなくてもなんとかなりそうだ。

飛ばない状態にしておくことももちろん大事だが、
これだけの手をもらった以上は、メンゼンで満貫クラスの手を見たいというのが本音だ。


スルーした結果、まさかの8mツモでちょっとびっくり。
5200テンパイなら並びシャンポンでも十分勝負になるため、即リーチに踏み切った。


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勝負手のテンパイが入っていた親から討ち取り、裏は乗らずの5200。

スルースキルが上手くはまって、会心のあがりとなった。
スルーがはまった時のリーチというのは、かくのごとく強い。


反撃の狼煙を上げたが、善戦むなしくラスで終了した。


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別の半荘。
南2局1本場、18400点持ちラス目の南家。
対面が20200点の3着目で差はわずか。

中がトイツのところ、親の第一打で切られた。
供託リーチ棒が1本あり、あがればとりあえず3着浮上となる。

さて、どうしよう?





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鳴き無しでスルーした。

この点棒状況なら、このぐらいバラバラでもとりあえずポンしておいて、
徐々にあがりに寄せていく、そちらの方が得だと考える人も多いだろう。
それはそれで正しい。

王牌に中が死んでしまうようなケースでは著しくあがり率が下がってしまうが、
こういうケースで慌てて鳴いてもなかなか結果に結びつかないというのも確かで、
トータル的にはスルーでも十分に戦えるというのが俺の感覚だ。


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スルーした結果、白が重なった。
この白重なりはあがりを見る上で非常に大きい。

いつの間にか小三元やチートイツまで見込める手にもなっており、
メンゼンの魅力は数巡のツモで劇的に融通の利く手になるというところだ。


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白をポンして、4sをツモったところ。

さて、何を切る?





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この辺が現実の手との折り合いをつけるところで、打9mとした。

大三元、トイトイ、ホンイツと突っ走りたくなるが、
この局のテーマは、打点よりもあがりを取ることであり、
4sは牌効率的に残すべき牌と判断した。


スルーの感触に気をよくして、
この局の本旨を見失わないこと
がポイントだ。


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4sに上手くくっつき、これではっきりとあがりの見える形となった。


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親リーチが入って、戦々恐々となったが、
この中が鳴けたなら、こちらも実質リーチみたいなものだ。


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首尾よく親から討ち取って、値千金の3900。

慌てない中のスルーが奏功し、一気に2着浮上となった。


結局この半荘は3着で終えた。


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別の半荘。
南3局、13800点持ちラス目で迎えた北家。
上家の西家が19100点の3着目となっている。

ホンイツも視野に97sのカンチャンターツを払ったところ、
裏目の8sをツモってしまった。

対面から1枚目の白が出たが、どうしよう?





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これはスルーした。

白ポンからピンズに染めたいのは山々だが、
ピンズの枚数的に若干無理スジだし、
ピンズに染めないとなると打点的に不満だ。

ソーズのしくりもいまいち感触が悪く、
ここはワンスルーから様子を見ることにした。


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上手くカン7mが埋まり、イーシャンテンに。

上家の仕掛けに対してかなり危険だが、4pを勝負。

これは無事に通過した。


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7pにくっつき、難しい選択となった。

さて、何を切る?





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何を切っても一局だが、ここでは白切りとした。

上家の仕掛けにマンズの下が切りにくいというのもあるが、
白のポンテンにいまいち魅力がないなら、
MAXのピンフを見ての白切りだ。

東切りは白を生かすことも考えた折衷案で、
そちらの方が柔軟性はあるものの、
トイツ一組からではなかなか白のコーツが生きる展開にはなりにくい。


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1mも勝負する展開となり、狙い通りにピンフのテンパイとなった。

文句なく即リーチに踏み切る。


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しかし、残念ながら一人テンパイで流局となった。

3巡目の白ポン時と手牌を比較してみると、
慌てずのスルーによって、より勝負できる形になっていると言える。


上家はカン7pテンパイから、赤5pを掴んでオリ。
ダマテンなら捉えていた可能性が高いが、これについては後悔はない。


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この4p切りも、やはりギリギリのところ。

余りそうな7pを使い切って反撃できたあたり、
自分としては出来のいい1局だった。


結局、この半荘はラスで終了した。


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別の半荘。
東2局、19800点持ちラス目の西家。

対面から1枚目の白が出たが、さてどうしよう?





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鳴き無しでスルーした。

安いし、形がいまいちで、
ピンズの染めかどうかも方針がはっきりしていない。


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ツモが噛み合い、メンゼンで仕上がった。

安いが、ツモで点パネするし、これは即リーチで問題ないだろう。


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終盤にツモ。


裏ドラ1枚乗れ〜〜〜!


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失礼、3枚でした。


こういうラッキーを単なるラッキーと相手に思わせることも一つの腕である。



ラベル:不鳴 天鳳
posted by はぐりん@ at 18:38 | Comment(2) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月04日

スルースキル 連風牌のスルー

今回は、ダブ東、ダブ南など連風牌のスルーについてだ。

ポンの一声で2ハンつくため、無条件で仕掛けるという人も多いだろう。

相手に対するプレッシャーも相当なもので、
ドラ1程度あるなら何も考えずにポンしても基本的には問題ない。



一方、天鳳ではトップ取りよりもラス回避の方が重要な局面が多く、
連風牌の一鳴きが必ずしも得にならないケースも生まれやすい。

連風牌だからという先入観にとらわれず、
状況に照らして本当に鳴くべきかどうかというのを吟味することが必要になってくる。




それでは、実戦例を見ていこう。


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南1局、23700点持ち3着目の南家。
下家がラス目で13800点だ。

ダブ南トイツ持ちのところ、下家から南が出たが、どうするか?





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これは鳴き無しでスルーした。

急所残りでドラ待ちになってもあがりにくいので、形的スルーだ。

親の仕掛けはそれほど脅威というわけではなく、
例えば、ピンズの好形部分がドラならばポンするのだが、
好形部分が捌けてもターツ選択が残るし、
ドラ受けが残った3900では、ダブ南仕掛けのメリットがいまいち生きない。

むしろ、カン8mのドラからなら鳴きたいし、ペン3sチーもなくはない。


スルーした結果、急所の3sが埋まり、これで大分やる気が出てきた。


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対面から1巡遅れで南が出てきて、これは喜んでポン。

これが合わせ打ちでないのは、
前巡鳴き無しだったから
に他ならず、
たった1巡で鳴きたい状況へと劇的に変化している。


中途半端にラグありでスルーだと、
合わせ打ちでさらに迷う状況となり、
鳴いても微妙、鳴かなくても微妙というどっちつかずの展開となっていただろう。


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手順でドラのカンチャンを外していき、すぐにテンパイ。

親の捨て牌を見ても、チーテンは時間の問題だったと思われる。


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リズムよく2000点のあがり。


本局あがれた要因はワンスルー目が鳴き無しだったことに尽きる。

ダブ南だからといって、何も考えずに鳴くのではなく、
あがりまでの構想を考えて、ラグをかけないことによって、
一鳴きよりも圧倒的に速いあがりが生まれることもある



鳴き無しは最初のうちは判断力が必要で切り替えが難しいが、
あがりまでの構想をきちんと自分の中で持つことによって
連風牌であっても躊躇なくスルーすることが可能となる。


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別の半荘。
南3局、28200点持ち2着目の南家。
トップ目が上家の親で、ラス目が15400点の下家だ。

ダブ南トイツで赤含みの手牌をもらったところ、下家から南が出た。
さて、どうしよう?





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これはスルーした。

打点的には問題ないが、
急所が多く、ドラがポツンと浮いていて、鳴いても上手くいかなそうだ。

点棒状況的にも放銃さえ避けられればラスはなさそうな感じなのだが、
どちらかというと形の悪さに比重を置いたスルーだ。


スルーした結果ドラにくっつき、これで手牌の見通しはある程度立った。


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さらに、急所のカン3mが埋まり、感触は良い。

これで今度は積極的に仕掛けていける体勢が整った。


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しかし、その後はツモが空振り、手が進まず。
ダブ南も鳴けないまま、3着目の対面からリーチが入る。

このリャンシャンテンでは勝負にならないので、8s合わせから撤退。

こうなってくるとスルーした南は受けゴマとして生きてくることになる。


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テンパイを入れていた下家が掴み、1300の放銃。


形が悪い場合は、一鳴きを見送ることで、後々の安牌候補となりうる。
連風牌でも力を溜めるワンスルーは、攻守のバランスをとりやすい


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別の半荘。
南3局、21000点持ち2着目の南家。

上家の親が46200点持ちの抜けたトップで、ラス目は15000点と僅差だ。

1枚目を切られた直後に重なったダブ南だが、
対面から2枚目が出た。さて、どうしよう?





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これは迷うところだが、ラグありでスルーした。

鳴いて一通のイーシャンテンなので形的にはさほど問題ない。

しかし、ここで考えるのは大トップ目親の仕掛けだ。
親は無理する必要がないため、積極的に仕掛けるのは何か理由がある。

捨て牌から見ても、速そうな感じがあるし、
ドラが見えていないことからある程度の打点を伴っているのではないかと考えた。


自分がラス前2着目のラス親ということを踏まえると、
ここで最悪なのはラスになる放銃であり、
点棒に余裕のある親に対して無防備になるのは避けたい


たとえ3着目、4着目のあがりであっても、
局が一局進むことはラス回避のためにそれほど悪くない
のである。

手を決めて、中途半端に親に放銃するのが最悪で、
そのシナリオは下位者が望むところだ。


現状打点は必要ではなく、匍匐前進でもなんとかなりそうな手牌であり、
焦って鳴かずに親の動向にも対応できる構えを取ろうという方針だ。

つまり、このスルーは点棒状況的スルーだ。


スルーした結果、ドラをツモって、これで一歩後退を余儀なくされる。


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ドラ周りが伸び、意外にもタンピン系の手牌へと整ってきた。

親が2フーロで、テンパイの可能性も十分あるため、
ここでは南のトイツ落としとした。


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3着目の下家からリーチが入り、なんと赤5mツモで勝負手になった。

さて、どうしよう?





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天鳳的には絶対打ってはいけない場面だが、ここではドラをぶった切った。

ここでのポイントは、親が明確にオリの気配を出しているという点で、
親がつっぱっているなら2人に対してドラは切れないが、
リーチ者だけなら勝負に値すると判断した。

勝負に行くなら自分のあがり率を最大限高める選択をするべきで、
中途半端にドラスジ待ちではあがりを逃して放銃ということにもなりかねない。



ここで思い出してほしい。
スルーというのは、日和るためではなく、鋭い反撃をするための手段であるということを。

ダブ南をスルーした結果として、この最終形になった以上、
赤5mツモには意味がある。

親の脅威が去り、この手恰好で押さないのは日和以外の何物でもない。
ドラで放銃してたとえラスになっても、それはあなたの麻雀を弱くするものでは決してない、そう断言できる。


本手のほぼ最終形だが、ダマテンに構えるのは、
点棒状況的にリーチ棒のマイナスが大きい状況であること、
そして流局間際の最後の危険牌ではオリの選択肢も残したいから
だ。

これはラス前という状況がそうさせるのであり、
東3ならばリーチでも何ら問題はない。


このドラに長めのラグがかかり、焦ったが、これは親のポンラグだった。
親はドラドラのイーシャンテンからオリを選択。
やはりそれなりの打点も伴っていた。


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結局、ラス目が勝負に行って、2mで放銃。
裏が1mで8000となった。


ご覧のように少し日和って4m切りなら、下家の7pを捕らえていたわけだが、
これは結果論であり、勝負の姿勢としてはこちらの方が芯が通っていると言えよう。

この半荘はそのまま3着で終了した。


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別の半荘。
もつれて西1局1本場、19300点持ちラス目の西家。
点棒状況は自分から順に、19300、29800、24800、26100。

連風牌はダブ東、ダブ南だけではない。
西場になればダブ西というものも存在する。

というわけで、上家からダブ西が出たが、どうするか?





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これは、ラグありでスルーした。

スルースキル「頭がない手は鳴かない」の典型的な形だが、
ここでのスルーは鳴いてもドラがなければ2000点に過ぎず、
あがりが3着捲りにつながる可能性がそれほど高くないからである。

それならばメンゼンリーチの可能性も残した方が、
相手の対処も難しく、好結果につながりやすいと考えた。

すなわち、点棒状況的スルーである。


スルーした結果、最高のドラツモで小躍りする。

これにより567の三色による一撃捲りも見えてきた。


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ほどなくして、下家から2枚目の西が出たが、どうしよう?





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涼しい顔してスルーできたらかっこいいが、これはさすがにポン。

ここではできるだけ流局の可能性を下げたい。
なぜなら、下家がテンパイ流局で即終了だからだ。


自分のあがり率だけを見たら、
不格好でもこの西はポンした方がいいと考えた。

メンゼンでは受け入れが限定されるため、
ツモが効かないとそれまでになってしまう。


ドラが入ったことにより、
3900の仕掛けならかなり3着捲りに現実味があり、
メンゼンリーチと遜色ない打点になったともいえる。


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このイーシャンテンがなかなかテンパイせず、
まさかのノーテンを意識したところで、チーテンに取れた。


なりふり構っていられないが、
流局終了という結果だけはなんとかして避けたい。


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苦しまぎれの単騎待ちだったが、上家から出て3900のあがり。

対面にポンされた4s切りによって7sが完全に盲点となった。


苦しい仕掛けが成就し、一時的に3着浮上。
手応えのあるあがりだったが、善戦むなしくこの半荘はラスで終了した。


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別の半荘。
東1局2本場の親番。
気持ちよく連荘を決めて、トップを快走している。

ダブ東トイツの手をもらって、南をツモったところ。
さて、何を切る?





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この手恰好ではメンツ手は厳しいとみて、2枚切れの1s切りとした。

トイツ手主眼で手を進めることによって、
ドラの西にも対応しやすい。


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イーシャンテンになったところで、ダブ東が出たが、
これは鳴き無しでスルー。

スルースキル「暗刻がひとつもない手は基本チートイ」であり、
1s切った時からの構想として、これは想定済みのスルーだ。

形&点棒状況の両面からのスルーといえる。


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切りにくい発が重なって、テンパイ。


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最後は受けのチートイツに切り替えたものの、
運良くあがることができた。


連風牌かどうかにかかわらず、
鳴くべき手は鳴く、鳴くべきでない手は鳴かない、という麻雀の基本を踏まえた上で
形や点棒状況も合わせて判断していくことが重要だ。



ラベル:不鳴 天鳳
posted by はぐりん@ at 20:54 | Comment(4) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月06日

スルースキル オーラスは30000点以上になる手作りを

天鳳の大きな特徴として、
南4終了時点で30000点以上の者がいないと西入するというものがある。


今回の題材はオーラス僅差の難しい場面が多いので、
点棒状況を加味してじっくり考えていただきたい。


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決着つかずに大熱戦の西3局、西家。
現在23700点持ちの3着目で、下家が20900点のラス目。

対面の親が26000点持ち2着目で、上家は1000点あがれば終了だ。


2巡目に対面から白が出たが、どうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

ここで考えるのは、この白を鳴くことがどれぐらい意味を持つのかということで、
白を鳴いてもほぼ安手になるのは目に見えている。

対面の親との差は2300点であり、
この手が上手く2000点に仕上がったとしても、
2着すら捲れずに次局に突入する可能性が高い。

さらに、ラス目との差が2800点であり、
うっかり3900でも放銃しようものなら一撃でラス転落となってしまう。


また、攻め返し必須のラス目の点棒が20900点と、
満貫のあがりでは30000点に満たないため、
下家のあがりが終局に結びつく可能性が低いこと

これもある程度ゆったり構えられる要素として大きい。


これらを勘案した際に、自分の手は安手で仕掛けることよりも、
メンゼンで、願わくばこの局で終局させる満貫クラスの手に仕上げたいと考えている。


つまり、仕掛けても順位UPすら期待できないのに、
手狭にしてラス転落のリスクを高めるという意味で、
ここでのポンは天鳳の順位戦略としては不利であると考えられるのだ。


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親とトップ目の仕掛けを見て、この局は引き気味に構えることを決める。

親はともかく、1000点でもあがればいい上家の仕掛けは、
自分のラス回避の観点からは心強い。


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しかし、ラス目の下家が満を持してリーチ。

待ちがいいか、打点が十分か、いずれかを満たしていそうな、
捨て牌に迫力のあるリーチだ。


いずれにせよ、この状況になったら結果を見守るしかない。


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三段目に突入し、下家がツモ。

END表示を見てすべてを悟る。
つまり、下家の手はハネマン以上が確定ということであり、
実はこの結果は俺にとって悪いものではない。

下家の手は裏なしの3000・6000だったが、
対面が親っかぶりでギリギリラスを免れたのだ。


さすがにここまで考えてのスルーというわけではないが、
下家の満貫ツモでも親っかぶりによって次局が絶望的になるわけではない。

白スルーが総合的に有利であるというのは、
様々な点棒移動をシミュレーションしてみればわかるだろう。


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別の半荘。
南4局1本場、ギリギリ2着目の西家。
点棒状況は自分から、25200、23200、26500、25100と、超絶僅差だ。


対面から1枚目の南が出たが、どうしよう?





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これはラグありでスルーした。

形的には鳴いてもそれほどあがりにくいというわけではないが、
2000点程度のあがりでは徒に局を進めるだけで、
ラス転落のピンチから脱出できるわけではない。


例えば、これが1メンツ完成していたら、スピードの面でさらっとかわしにいくというのもありだが、
1メンツもないところからの仕掛けというのが大いなる不安要素だ

読まれやすい待ちが残ってしまうと、
押す人しか押さなくなるため、終盤にもつれ込むと不利な要素が大きくなる

これは鳴きのデメリットの項目で以前にも触れたとおりだ。


それならば、上家との100点のリードを大事にして、
南は受けに効かせる可能性も見たい。

ここでの自分の手作りのビジョンとしては、
5200での即終了が理想だが、
3900程度なら+リー棒などで30000点以上になる可能性が残るため、
3900なら攻め返す価値があると考えている。


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中盤になり、2枚目の南が出たが、さてどうしよう?





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これもスルーした。

赤5mをツモって打点がUPしたが、
いまだに1メンツもない上、親の仕掛けが入っている。

打点的にはドラ受けもあり、十分になっているものの、
さすがにここから仕掛けてもスピードで間に合わないという判断だ



ここでの親への放銃は一瞬にしてラス転落してしまう可能性が高く、
本意でない仕掛けによる放銃だけは避けたい
やはり上家との100点の差がかなり大きいのだ。


スルーの結果、赤5pをツモり、打点だけは一丁前になった。
ここで南のトイツ落とし。


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カン6pをツモって、あの手が見違える手になった。

親に切りにくい9mを抱えてはいるが、
終了条件を満たす手になっている以上、
ここからは仕掛けても勝負に行こうと思っている。


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何やら嬉しくない5pツモ。

下家が前巡ドラの9pをツモ切っていて、これにラグはない。
親が安手の可能性も現実味を帯びてきた。


さて、どうしよう?





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ここは強く、9mを押した。

押したのは、仕掛けても終了条件を満たす5200以上の打点があるからであり、
赤が1枚足りなかったらここでオリる選択も十分にありうる。


58pでどちらかを切るならドラに絡まない5pの方を選ぶつもりだが、
持ち方からより58pが危険だと判断し、テンパイでの勝負を選んだ。


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直後にラス目の下家からリーチが入って、9mツモ。


両者に58pは危険すぎるし、さすがにこの手はここまでと判断。
赤5s切りからのベタオリを選んだ。

こういう展開になってくると上家も攻め返しにくいので、
何度も言ってるが100点のリードが生きてくるのだ。


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この局は二人テンパイで流局。

親のテンパイ形を見てのけぞった。

9m切りの場面でもっと強く5pを切っていたら12000で奈落のラス終了だったのだ。


俺にとって幸運だったのは、ラス目がリーチしてくれたことであり、
これによって58pがギリギリ止まることになった。

この助かりが大きく、この半荘は3着で終了した。


様々な要素が絡み合い、目まぐるしく攻守が切り替わったが、
30000点の条件を満たす手ができたなら、
基本的には押してあがりにいくのが有効であると考えていい



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別の半荘。
南4局1本場、供託リーチ棒1本、微差のトップ目の北家。

点棒状況は自分から順に、25900、22800、25700、24600。


上家から1枚目の中が出たが、どうするか?





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これは鳴き無しでスルーした。

供託リーチ棒があるため、3900のあがりで30000点の条件を満たすものの、
赤5pを使い切るにはカン6pの比重が高すぎる。

この中を鳴いてしまうと、条件を満たすためにはあがりにくく、
あがりやすくするためには赤5pが出ていってしまいそうだ



スルースキル「頭がない手は鳴かない」にも準じる形であり、
例えば345pツモなどで条件成就の可能性は高まるし、
慌てて鳴かない方が柔軟に構えられる可能性は高いと判断した。


スルーした結果、ご褒美の6pツモ。
ここが埋まったのなら次の中はポンだ。


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次巡、上家から8sが出たが、どうしよう?





4sがネックである以上、この8sを鳴く手は十分にある。

しかし、ここではスルーした。

今度は残り1枚の中がネックとなってしまう可能性がある。
この8sから鳴かなくても、中のポンテンくらいの手にはすぐに変化する。

メンゼンでこれぐらいの手になったら、
シャンテン数の変わらない仕掛けなど入れずに、
手牌をどんどん伸ばしていくことを考えていけばいい。


現状のカン4sがネックというところに捉われないことが重要だ。


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ソーズが下に伸び、役なしのテンパイになったが、どうしよう?





これは決断のリーチでいいだろう。


現状ドラも見えておらず、2フーロの下家の仕掛けは怖い。
リー棒を出してしまうと一時的に2着目に転落してしまい、
無防備な放銃によってラスまである。


しかし、こちらの手は難しいスルー判断を正解して辿り着いたテンパイだ。
あがれば30000点越え無条件のトップで、
待ちは絶好にも見える69m待ち。

ここでリーチをかける気がないなら8sチーして中バックに取れよということにもなるので、
ここはリーチの一手だ。

こういうのは理屈じゃなくて感覚でかけられるリーチだ。


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ほどなくしてツモ。

2000・3900でトップ終了となった。

これぐらいスルーの判断がはまったリーチというのは、
大体悪い結果になりにくい。


この局のように、オーラスは30000点越え即終了の手組を目指すのが基本で、
安手のあがりを取りに行くばかりでは、徒に半荘を長引かせるだけで、
相手にチャンスを与えることにもなりかねない



スルーの判断は、守備面でのメリットだけでなく、
条件を満たす打点を作ることにもつながる
ため、
点棒状況と勘案しつつ、戦略的にスルーの是非を考えていくことが必要だ。


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別の半荘。
南4局1本場、27300点持ち2着目の親番。

点棒状況は自分から順に、27300、21900、22700、28100。


下家から白が出たが、どうするか?





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ここまで読んできたならおわかりだろうが、鳴き無しでスルーした。

1500は1800をあがったところで、終わらない。
ここから鳴いてしまうと、あがりのメリットよりも、満貫放銃でラス転落のリスクの方が高くつく。


ここでのスルーは形が悪いからではなく、
終了条件に満たない可能性が高いからのスルーであり、
例えばこの手でドラが8sだとしたら、この白は鉄ポンとなる。


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下家が鳴き散らしたところで、上家から7pが出たが、どうしよう?





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これはチーした。

この巡目のピンズのリャンカンは急所といっても過言ではなく、
ここを捌かないとあがりが厳しくなる。

条件成就のため赤5pに期待するというのはいかにも虫が良すぎる。


ポイントは、鳴いてテンパイに取れるという点であり、
これが鳴いてイーシャンテンなら特に鳴く必要はない
ように思う。


30000点という条件には満たないが、
テンパイならばこのへんが妥協のしどころという判断
だ。


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すぐに出て、1500は1800のあがり。

次局もあがりきってトップで終了した。


頑なに30000点以上を目指すのではなく、
あくまで柔軟に対応していくということだ。


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別の半荘。
西2局、27300点持ち微差のトップ目の親番。
対面がラス目で21700点だ。


白トイツの手をもらって、下家から2mが出たがどうしよう?





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これはポンした。


若干不安定な仕掛けにも見えるが、
ここで積極的にバックの仕掛けをするのは、
2900のあがりが30000点以上の条件を満たすからに他ならない


これが5800条件なら2mはスルーだ。


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タンヤオにも渡れる4pツモだが、ここでは2p切りとした。


白さえ叩ければあがりやすさは雲泥の差で、
守備力の観点からも好ましい。


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すぐに鳴けて、テンパイ。


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少し長引き、下家のリーチも入ったが、競り勝った。


このように、オーラスの仕掛けは、
あがりによって30000点の終了条件を満たすかどうかというところにも、
大きな判断基準がある



あがりによってそれが本当に有利になるのかどうか、
逆に自分の首を絞める結果にならないように仕掛けを考えていく必要がある。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 23:18 | Comment(2) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月14日

スルースキル 愚形だらけなら鳴かない

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東1局、開局の親番。

下家から1枚目の中が出たが、さてどうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

さすがにバラバラだし、急所のドラのペン7sが残っている。
構想としてはホンイツ主眼だが、ツモによっては上の三色もある。

急所含み愚形だらけなので、慌てて鳴かずにツモによって方針を決めようというわけだ。


スルーしたところ5pがくっつき、これでホンイツの線は薄くなった。
9m切り。


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ピンズのメンツが完成し、急所の3sが埋まった。
これによってぐっと引き締まった。

どちらのターツを外すか?


これはどちらもあるが、ここでは打点よりもあがりやすさの方を選んで、9s切りとした。
すぐにドラを引いたら69sのフリテンに取る選択肢も残した。


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下家から2枚目の中が出て、これをポンテンに取る。

メンゼンテンパイならリーチも視野にいれていたが、
あがりに寄せている以上、このポンテンは当然取る。

1枚切れのカン8pの感触も十分だ。


ちなみに、ここから6pチーの食い延ばしはしない。

テンパイからの食い延ばしのあがり率は見た目より高くならない。
感覚的には、それによってあがりを逃すケースの方が多い印象だ。

この場合は、カン8pがそこそこいいと見ているのでしないわけだが、
愚形からの好形変化でも、少しでも迷ったら食い延ばしはしない方がいい


上級者相手なら下手すると待ちを1点で読まれるし、
場況が良さそうにも見える食い延ばしが罠であることも往々にしてある。

テンパイからの食い延ばしはとにかく細心の注意が必要だ。

これについてはまた改めて触れよう。


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上家のリーチ宣言牌を捕えることに成功。1500。

対面にもチャンス手が入っており、間一髪かわすことに成功した。

この局の捌きが効いて、この半荘は2着で終了した。


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別の半荘。
南1局1本場。21300点持ち3着目の西家。
2着目とは200点差と、下が拮抗している。


1巡目に場風の南が出たが、さてどうしよう?





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これも鳴き無しでスルーした。

さすがにこのぐらい形が悪いとスルーする人も多いだろう。
少し抜けたトップ目が親番ということで、
点棒状況的にも鳴きが不利になりやすい。


ちなみに、10年前の俺ならここからでもポンしていただろう

この鳴きがデジタルかどうかは微妙だが、
当時の俺はファン牌は一鳴きが当然のことだと考えていたからである。


今号の近代麻雀の佐々木寿人プロのコラム、「不動の牌心」にも同じことが書かれているが、
時を経て経験を積むと、雀風というものは徐々にではあるが確実に変化する


食べ物の嗜好だって昔と今では違うし、
着る服の趣味だって歳とともに変化する。
それと同じで、雀風の変化はごく自然のことだ。


ただ、ひとつ言えることは、
その選択が損得とか勝ち負けを別にして、
深みが増している打牌であることは間違いない

これはおそらく将棋の棋風など、
他の種目でも同じようなことが言えるだろう。


若いうちは、ただがむしゃらに勝ちに拘って邁進する。それでいい。
年とともに他者と喜怒哀楽を分かち、他者との折り合いを考えるようになる。
そして打牌にも、より人間味が溢れるようになる。


話が大幅に逸れたが、
ともかくここからの南ポンは今の俺から見たら、
逆に新鮮で興味深いポンとなろう。


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すぐに2枚目の南が親から出たが、これも当然鳴き無しだ。

むしろ、親の受けゴマとして大事に取っておく。


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ドラが重なり、見られる手恰好になってきた。

あがりはともかくとして、打点的には十分になった。


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ピンズが伸びて、よもやというところまでいったが、
ラス目上家のリーチに対して、この8mで撤退。


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結局、上家に海底でツモられ、裏なしの2000・4000。

こちらがまっすぐに打っていればメンホンチートイドラドラのテンパイになっていた。

南スルーがあがり放棄となるばかりか、
このぐらいのチャンス手に伸びることもある。

スルーには無限の可能性が潜んでいるのだ。


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別の半荘。開局の西家。

対面から1枚目の西が出たが、さてどうしよう?





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これも鳴き無しのスルー。

スルーしたところ、スジトイツ完成となる4mツモでいかにもな牌姿になってきた。

スルーしてのこういうツモはわりと感触がある。



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狙い通りにチートイツに仕上げて、東待ちで即リーチ。

仕掛けるよりよっぽど速い。


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あっさりと出て、3200。

東も2mも待ちとしては完璧だった。


スジの目立つ、3トイツぐらいの配牌なら、
ファン牌をスルーしてトイツ手を目指した方が速いことが多い。

今局の配牌を振り返っていただきたい。


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別の半荘。
オーラスの親番。トップ目と2400点差の2着目。

愚形だらけで頭がないが、前巡に中をポン。


バラバラからでも仕掛けるケースとして、
あがりトップや、ラス目の親番などが挙げられる。


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完璧に捌いたが、トップ目にあがられてしまった。

くやしい〜(>_<)



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 20:01 | Comment(0) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする