2015年06月07日

スルースキル 好形イーシャンテンからのファン牌スルー

今回の記事について、前提を先に述べておきたい。

ファン牌をポンしてテンパイに取れるケースでは、
ファン牌ポンが期待値的に損な選択となることはほとんどない。


イーシャンテンからは受け入れがどんなに広くてもあがりの権利は発生しないので、
これは当然の理屈だ。

特に、自分にドラも赤も何もない手においては、メンゼンでの打点上昇メリットが少なく、
相手のチャンス手を潰すという意味でも、かわし手の価値は上がる



麻雀において、局収支をプラスにする方法は、
自分があがるか、またはテンパイ流局か、しかない


テンパイとは局収支をプラスにするための前段階であり、
テンパイの滞在割合というのは半荘の順位を決める上でそれなりに重要となってくる。


これらの前提を踏まえた上で、
好形イーシャンテンからファン牌をスルーするのはどのような場合なのか、
実戦例から見ていこう。


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開局、北家の自分。

完全イーシャンテンのところ、下家から1枚目の東が出た。
さて、どうしよう?





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これはスルーした。

三色が見える好手牌だが、
この手の肝は、やはりドラの7sだ。

ソーズは比較的場に高めで、ポンしたところでドラは出にくく、
4sでの2000点が関の山といったところ。

どうせ急所のソーズが残るならスルーして、
三色含みピンズ待ちの最終形でリーチしようという構想だ。


これぐらい明確に手役が見える手牌ならスルーする人も多いだろう。


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次巡、望外の東ツモでテンパイ。
これはこれで嬉しい。


上家がトイトイ含みの仕掛けでドラを持っている可能性が高いが、
ここは当然リーチでぶつける。


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残念ながら流局。

捨て牌が派手になりすぎ、
47s一点のような河になってしまった。

一人テンパイならまあ許容範囲といったところだろう。


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リーチ時、なんと47sは山に6枚。ドラは全山だった。

仕掛けていればあがれていた可能性が高いが、
チャンス手はチャンス手としてしっかりものにすることも半荘戦では大事だ。


このケースは開局だし、
東場のうちは少々の効率を犠牲にしてもしっかりと打点を叩いていくことが、
半荘を勝ちきるために重要となってくる



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別の半荘。
東4局、34000点持ちトップ目の北家。

ピンフとの天秤も考えながら手を進めて、現在イーシャンテン。
3m中ぶくれは東コーツの雀頭候補として考えている。

下家から1枚目の東が出たが、さてどうしよう?





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これもラグありでスルーした。

上家の捨て牌から69mは手早く鳴けそうだし、
打点は必要ないので、これは鳴くのもありだと思った。


しかし、所詮はシャンテン数の変わらない鳴きだ。
ここから2フーロしても巡目的にあがりやすいかといったら微妙だし、
親からポンしてしまうと、親リーチへの対処が難しくなる。

それならば、悪くないターツ2組を生かしたリーチ前提でも問題ないと考えた。


このスルーによって、好感触のテンパイが入る。
スルーして入ったテンパイ即リーチ、だ。


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上家から追っかけが入ってヒヤッとしたが、
リーチ者が掴んで裏1で5200のあがり。

ご覧のように上家のリーチはドラドラの勝負手で、
待ちの58pも山に3枚眠っていてかなりやばかった。

こちらの69mはラス牌であったことから、
非常にラッキーだったと言える。


感覚として強いのは、
スルースキルのシステムにはまったリーチはとにかく悪い結果になりにくい、ということだ。

このケースでは、下家から出た東を鳴くという選択は決してないわけではない。
しかし、「迷ったら鳴かない」というスルースキルの心得を生かした結果のテンパイであり、
システムに従ったリーチを打った結果が5200のあがりに結びついたわけだ。


上家の追っかけを受けて以降は山に委ねられているため、
この結果はたまたまであることは確かだが、
例えば、迷っての東ポンから他家の反撃を受けた場合に比してどちらがいい結果になりやすいかを漠然と考えた時、
ひとつ確実に言えることは、
この局の結果のみならず、この半荘の結果自体もスルーした方が優っていると、
経験から俺の大局観が言っている



仮にこれがリーチ後放銃という結果であっても、なぜか半荘自体で悪くない結果になることが多い。
オカルト的だと笑われるかもしれないが、現状の俺の感覚にはこうしたものがはっきりとある。


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南2局1本場、23300点持ち北家。
現状2着目だが、ラス目が20700点と予断を許さない状況だ。

くっつきテンパイのところ、対面から1枚目の中が出たがどうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

鋭い人は気づいただろうが、
中を鳴くつもりなら前巡1pを切っていない。

この巡目なら広いくっつきを生かしてリーチと行きたいところだ。
牌重なりで中待ちになっても鳴き無しなら逆に狙い目になる。


スルーした結果、この9pで一応テンパイが入った。

ドラが出ていく上、愚形になってしまったが、どうしよう?





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スルーして入ったテンパイ即リーチ、だ。

不満は不満の最終形だが、
下家の第一打9pから8pは及第点だし、
ここから好形変化を待つのでは遅い。

中をスルーしたのはメンゼンでのテンパイを入れるためであり、
この点棒状況での先制リーチは価値が大きい。
あがりきれればラス回避はぐっと現実的になる。

ここは腹を括って勝負に行った。


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これが奏功し、対面から出て裏1の2600。

裏1の加点はかなり大きく、即リーチが正解だったことを告げている。

これもメンゼン主眼の構想から、
スルースキルが上手くはまったケースと言える。


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南3局1本場、21800点3着目の北家。
ラス目は16600点と、うかうかしていられない点差だ。

好形イーシャンテンから2枚目の南が出たが、さてどうしよう?
ちなみに、浮いている白はドラだ。





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これは鳴き無しでスルーした。

スルースキル「頭のない手は鳴かない」、にも準じるが、
この手はソーズの連続形があるため、
鳴いてもそれほど遅いというわけではない。

しかし、ここで考えるのは余っているドラの白だ。

局を進めることが大きいこの状況において、
南ポンはそれほど悪くないが、
シャンテン数の変わらない鳴きでドラを切り出して鳴かれた場合どうなのか?


それを勘案した際に、やはり白はテンパイで勝負するべきと判断した。
受け入れも悪くないのでメンゼンで十分勝負になるし、
何より鳴かないことで白重なりを見れる。

ひとつ言えることは、
ここから南をポンして23p落としのような手順だけは俺の中にはない。

南をポンする以上はスピードを見るのでこの場合100%白切りだ。
白が待ちになってしまうと打点もそれほどでもないのにあがり率が劇的に下がる。

それでは南ポンのメリットが失われるので、
打点をつけたいなら南スルーの方が優れているだろう。


南スルーは受けと攻めを両方見ながら、
穏当にイーシャンテンキープという手筋だ。


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対面が2つ仕掛けてこちらもテンパイ。

構想通りなのでシステムに従って即リーチだ。
対面の4sチーは長考を伴っており、白はロンではないだろう。

ひとつ懸念があるとすれば、
上家に1sを切られた直後だということか。
これは少々感触が悪い。


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俺の現物で待っていた親に4800の放銃となった。


リー棒つきのこの放銃によって、上家をわずかに下回り、ラスに転落。
かなり焦燥感を持って次局を迎えることになった。

が、なんのことはなかった。
次局に一発ツモ裏3の倍満をツモあがり、一撃トップ捲り。
この半荘はそのままトップで終了した。


もちろんスルースキルのシステムがこの結果をもたらしたというわけではない。

結局、仕掛け派は仕掛けによって、スルー派はスルーによって、
自分のリズムを作っていく
ということであり、
このリズムをしっかりと守っていくことで、
自分のペースを保持しているのだ。

これは言い換えれば、
自分の勝ちパターンを作るということだ。


リズムを作り、ペースを維持し、バランスを保つ。
これを自分の雀風に照らしてどのように構築していくか。



先述した、スルースキルがはまれば負けないという大局観も、
自分の雀風にあった勝ちパターンがスルースキルに内包されている
そう考えると論理的にもしっくりくる。


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別の半荘。
南3局、微差の3着目で迎えた西家の自分。
点棒状況は自分から順に、17700、50600、13400、18300。

かなりの好配牌をもらったところ、対面から1枚目の南が出た。
さて、どうしよう?





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シャンテン数は変わらないが、これはポンした。

ホンイツに染める意識ではなくて、
ここではスピード重視のポンだ。

点棒状況的に、まずラス目の親を流すことが最優先だし、
1000点でも加点して上家を捲っておけば、
ラス親が上家なので、ラス落ちのリスクはかなり低くなる。


南をポンすれば全方位の仕掛けが可能だし、
マンズの複合形が手厚く、雀頭作りに苦労しない手恰好なので、
鳴きによってスピードが伴うからだ。


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すぐに3mを引いてテンパイ。

受けを考えたら4m切りも有力だが、
ここでは素直に点パネの2m切りとした。


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無事にツモあがって、700・1300。

この半荘はそのまま2着で終了した。


このように、スルーは画一的に考えず、
状況に応じて柔軟にしていくことが重要だ。


東場のうちは高打点も視野にゆったりと構えても問題ないが、
南場では点棒状況に合わせて積極的にあがりにいくということも必要になってくる。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 20:57 | Comment(8) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月17日

スルースキル 暗刻がひとつもない手は基本チートイ

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東4局、36000点持ちトップ目、南家の自分。

チートイイーシャンテンから7pが出たが、さてどうしよう?





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ラグありでスルーした。

ファン牌2組なのでポンでも悪くはないが、
この巡目でファン牌はいずれも生牌、
かつ場にソーズが高めで67sが鳴きにくそうなので、
ポンであがり率が高まるかといったら微妙なところだ。


むしろ、1枚切れの北や白が絶好なので、
どちらかというとチートイツの方があがりを取れそうな雰囲気がある。


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中を鳴き無しでスルーした後、東が暗刻になった。

ツモがちぐはぐな印象だが、
これでコーツ手、メンツ手ともに見れる手恰好なので2枚切れの北を切る。


ここから2枚目の中が出たら鳴く人が多いと思うが、
元々ソーズが厳しい手と見てトイツ手主眼に組んでいたことを考えると、
中はスルーでも問題ないと個人的には思う


中をスルーしてトイツ手の可能性を消さないまま、
6pや58sなどのツモでメンツ手が見れる手恰好になったら、
そちらの方も見ていくというのがトップ目の構えとしては最善のような気がする。


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次巡、嬉しい赤5pをツモって、絶好の白単騎ができた。


赤が入って打点ができたのでリーチでも悪くはないが、
ここではかわし手の対面がいるため、
波風を立てずに局を進めることを優先してダマテンに構えた。


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下家から出て3200のあがり。

予想通りソーズの上は厳しく、
仕掛けていってもあがりまで結びついたかは微妙だ。

字牌を晒して無防備になるトイトイに比して、
こちらの方が無理がなく攻守のバランスが取れている。


トイトイ仕掛けは牌種が決まってしまうため、
相手の手牌によって成就率が大きく変わってくる。

例えば、一種がトイツで持たれている場合、成就率は大きく下がる。

さらに、上級者相手だと手が読まれやすいため、
トイトイ仕掛けに生牌はなかなか出てこない。


一方、チートイツは自分で牌を選べるため、
状況に応じて柔軟な対応が可能になるし、
終盤であってもトイトイに比べてあがりの可能性が生まれることが多い


行き当たりばったりになりやすいトイトイは、
守備が効かずに全ツッパになる可能性が高く、
局収支が大きくブレやすいため、
天鳳のラス回避麻雀に向いている役とはいえない



さらに、暗刻がひとつもない手からのトイトイ仕掛けは、
残りのコーツ部分を山や他家の手牌に依存する割合が高く

その成就率は決して高くないばかりか、
守備に不安が残るという意味で安定感に欠ける。


これが、暗刻のない手はトイトイが不利である理由だ。


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別の半荘。
東4局2本場、16600点持ちラス目の南家。

配牌で発がトイツにドラドラ赤のチャンス手をもらう。
現状でチートイイーシャンテンだが、ここで発が出たら仕掛けるつもりだ。


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親が9mをポンして南をツモ。
さて何を切る?





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ここでは3mを切ってチートイツに決めた。

親の9mポンによって、1巡で状況が劇的に変わり、
親はマンズのホンイツやファン牌バックの可能性が高くなった。

発は持ち持ちになっている可能性があるし、
マンズのホンイツならメンツとして機能しづらい。

そして4s切りが早い。
これは親がその周辺を持っていない可能性が高く、
56sは重なりが期待できる。


チートイツで重なりやすい牌を選ぶコツとして、
1者が確実に持っていない牌を優先的に残すことが挙げられる。
これはチートイツの項目でいずれまた触れよう。


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狙い通り6sが重なり、仕掛けが2者いるので当然の即リーチ。

上家の親がホンイツだとするとこの南はかなりの狙い目だと思っている。


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まさに狙い通りに親から出てきた。12000。


何をスルーしたというわけではないが、
2打目の3m切りでもう完全鳴き無しの手組にしているという意味で、
これは実質スルースキルだ。


見ての通り、上家はダブ東バックのトイトイ仕掛けだったが、
チートイ決め打ちの自分と明暗がくっきりと分かれた格好だ。

この結果はたまたまだが、トイトイ仕掛けは柔軟性に欠けるため、
こういうリスクが常につきまとう。


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別の半荘。
南1局、30900点持ちトップ目の南家。

ファン牌2組のチートイイーシャンテンから1sが出た。
さて、どうしよう?





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ラグありでスルーした。

これは現代的にはどちらかというと鉄ポンのぶるいだろうか。

速度的には1sポンの方が速そうだし、
ドラ受けもあるので打点的にも悪くない。


しかし、俺がここで考えたのは667pの部分の迷いだ。

1sポンならドラ受けを消さないことを優先するため、
手順で35sと落とすのが普通だが、
鳴いていった際に、トイトイに受けるのかドラ受けにするのかに難しい選択ができる。

迷いが残る形を残して1sから仕掛けるのはなんとなく微妙だ。
それならば1sはスルーして、トイツ手やソーズのホンイツも見てもいいのではないかと考えた。

次のツモがピンズかソーズかによって、方針を決めていこうというわけである。


これは、「迷ったら鳴かない」というスルースキルの心得に近い感覚だ。


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手が進まずに、下家から発が出た。
さて、どうしよう?





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これもラグありでスルーした。

1sスルーの後、ピンズなりソーズなりを引いて手が進んでいるならこの発はポンだ。

しかし、方針が決まらないまま1sスルーから形が変わっていない。
この形から発をポンするのでは遅れを取っている。
鳴くなら1sから鳴いていなければならない。

これは手筋の一貫性という意味で非常に重要なポイントだ。


曖昧な部分を多く含んだスルーという行為を最大限生かすためには、
どういう構想でスルーするかを考え、
その構想に一貫性を持たせることである。



あっちは鳴かずに、こっちは鳴くというように、
フラフラしていたのでは、
最初のスルーがむしろ逆効果になってしまう。

柔軟性を享受するために、一貫性を持つ。
このへんの何気ない部分に、スルーの難しさが潜んでいる。


スルーした結果7pが重なり、チートイツのテンパイ。

一貫性を持ったスルーによって最速のテンパイを入れられたわけだ。


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しかし、次巡、親リーチが飛んでくる。

絶対に切れない9pを掴んで、ここで発落としの撤退。


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結局、親の4000オールのツモあがりとなった。


結果的には成就しなかったチートイツだが、
この局の感触としては悪くない。

この局のように、先手を取られてから無理なくオリれるのも、
スルーによる大きなメリットだ。
トイトイでは安牌に窮している可能性がある。


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別の半荘。
南3局、22700点持ち3着目の親番。

特上の十段戦士、ぽんじろうさんとの初対戦。


ファン牌2組から、1枚目の南が出たが、さてどうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

ピンズもソーズも急所だらけで、
ファン牌から仕掛けたところでまるであがりが見えない。

仕掛けないことであがりが見えるかといったら決して見えるわけではないが、
ツモで急所が埋まってから仕掛けていっても遅くはないという判断だ。


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上家から出た発も、その流れのままスルーした。


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そして引いてきた6p。
スルーして好牌引いたら攻め意識、だ。


これでほぼチートイツに方針が決定した。
ドラ表示牌の3s切り。


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この上ない5s重なりでテンパイ。

かなりの感触で即リーチに踏み切った。


tenhou.4696.jpg

終盤にツモって裏裏の6000オール。

そりゃ乗るわなあ。


元十段の意地を見せつけ、現十段をラスに沈めることに成功した。


俺はなぜか、3着だったけどね…(>_<)



次回は、失敗例・例外をお届けする。



ラベル:天鳳 不鳴 七対
posted by はぐりん@ at 23:27 | Comment(9) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月10日

スルースキル ターツ不足のホンイツは字牌重なりを見る

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南1局1本場、24700点持ち2着目、西家の自分。

マンズに寄った配牌から、1巡目に上家から自風の西が出た。
さて、どうしよう?





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ラグありでスルーした。

ドラメンツのあるマンズのホンイツがはっきり見えているが、
現状ターツ不足でツモの伸びが必要だ。


ここからソーズが伸びてメンゼンのメンツ手になる可能性も十分にある。
焦って鳴かずに方針をツモに委ねるという構えだ。


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スルーによって発が重なり、感触はかなりいい。
スルーして好牌引いたら攻め意識、だ。


当然マンズのホンイツに行くが、
捨て牌をできるだけおとなしくするために、2sから切った。


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上家から発が打ち出され、これを迷わずポン。

1巡目に比べたら骨格が整っていて、格段に仕掛けやすい形になっている。


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6mツモの後、チーしてテンパイ。


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トップ目からあっさり出て、満貫のあがり。


このように、ホンイツである程度方針が決まっている場合でも、
ターツ不足の場合は焦って一鳴きをしないことで、
ツモの方向性を見ながら柔軟に構えることができる。

1枚切れの字牌は中盤なら止まる牌ではないし、
方針のままホンイツの色が伸びた場合に形が整ってから鳴ける可能性がある。


また、ツモが縒れて他の色が伸びた場合に、序盤なら方針転換が可能だし、
メンゼンの可能性を消さないことでリーチの恩恵を保留することができる。

他家の早いリーチなど状況が大幅に変わった際にも、
柔軟にトイツ落としで回ることできる。


王牌にラス牌が死んでしまうリスクもあるが、
メンゼンを消さなければ常にトイツ手で復活の可能性がある
し、
その時は字牌のトイツが絶対の安全牌となるわけで、
大怪我を負うことは少ない。


麻雀において重要なのは、これはこうあるべきだという先入観を持たないことだ。

ファン牌は一鳴きという先入観を捨てて、
スルーした際にどういうメリットがあるかを常に考えてみる。


個人的感覚としては、
この局はあがれなくてもいい、テンパイできなくてもいい、
ぐらいの感覚でスルーすると最終的に悪い結果になることはかなり少ない
印象だ。


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別の半荘。
東3局、21000点持ち同点3着目の西家。

1巡目に、上家から1sが出た。
さて、どうしよう?





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これはスルーした。

ソーズのホンイツや白のバックが十分に見えており、
鳴いた方があがりに近づいているようにも見えるが、
ドラ3mや赤5pの処遇もはっきりせず、
ここからの1sポンは拙速に映る。


この9sツモで、よりホンイツへの意識を強くする。


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次巡、北が重なり、ホンイツの種がそろった。

チートイツはあるが、これで基本的にはどこからでも仕掛けられる形になった。
ここで赤5pをリリース。


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北が暗刻になり、かなり形が整ってきた。


ここでドラを切ると、前巡の赤5pもあいまって捨て牌が目立ちすぎてしまう。
難しいところだが、ここでは親の東切りに合わせて、派手な捨て牌を控えた。


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1sをポンして、ここでドラをリリース。

鳴かれるリスクは当然高まっているが、
捨て牌も派手にならず、自然な感じでリリースすることに成功した。


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6sツモってテンパイ。

カン8sもかなり良く見えるが、
ここでは普通にシャンポン待ちに取った。


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首尾よく4sツモって40符ぴったりの1300・2600。


1sスルーに始まり、捨て牌にも工夫を凝らしてあがりまで結びついた。
こういう会心のあがりを掴みとった半荘はラスになることはまずない。

3着だったけどね。


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別の半荘。
東2局2本場、19900点持ち3着目の北家。

ピンズのホンイツがはっきり見える手からオタ風の南がでた。
さて、どうしよう?





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これが東なら仕掛けるつもりだったが、南はスルーした。

オタ風から鳴いてピンズに寄せるのは問題ないが、
ポツンと浮いたドラの発が気に食わない。

オタ風ポンで役牌を高くした上、見え見えの赤5m切りではいかにも雰囲気が悪い。


スルーしたところ、東が暗刻になり、かなりの感触。
ここで7mを切る。


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さらに、北が重なった。

やっぱりな、と赤5mを切る。


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ピンズが好形になり、このツモでテンパイ。

ちなみに、リアルならわからないが、
ここから南を鳴いて小四喜に向かうことは天鳳ではしない。


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だから言ったじゃないか、と3000・6000ツモ。

これはできすぎの例だが、
スルーがはまれば、無理なくこういう大物手を手にする機会も増える。

ちなみに、南をポンしていても最終的に14pで8000をあがれた可能性が高いことを付け加えておく。


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別の半荘。
東4局、10300点持ちラス目の北家。
3着目の上家とは10000点以上の差がある。

ソーズのホンイツに決めたところ、下家から白が出た。
さて、どうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。


こういう場面で自然な3900なり5200なりをあがることは重要だが、
ポンしてもターツが足りないのが少し癪だ。

この牌姿ならポンしつつ、字牌の重なりを見ることもできるが、
それだと打点もスピードもいまいちだ。

それならば、メンゼンを消さずに受け入れを広くして、
例えばメンホンチートイのような手役も見たい。


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スルーした結果、南が重なった。

これではっきりと形が決まったので、どこからでも仕掛けていくつもりだ。


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仕掛ける暇もなくツモが噛み合い、弩級のテンパイが入った。

さて、リーチする?





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スルーして入ったテンパイ即リーチ。
コーツ手の基本はリーチ。


狙い通りのメンゼンテンパイになったし、
これを出あがり8000で終わらせるのは少々もったいない。

ここは引きにかけて4000・8000といきたいところだ。


tenhou.3515.jpg

しかし、対面に押し返されて2000の放銃。

リーチで相手にプレッシャーをかけてこの結果であれば仕方ない。
放銃には終わってしまったが、この局の感触は悪くない。


白スルーの判断が正しかったのだと声高に主張するつもりはなく、
それは個々人の雀風が決めることだ。

しかし、何枚切れだろうとスルーは常に悪くない選択肢として存在するという意識を持っておいて損はない。


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別の半荘。
東2局、34000点持ち2着目北家。

はっきりホンイツが見える手から、オタ風の南が出た。
さて、どうしよう?





tenhou.5133.jpg

これは鳴き無しでスルーした。

これを鳴き無しなどありえないという人も多いだろう。
ホンイツに向かうには微妙にターツ不足だし、
この形から鳴いていっても字牌の重なりが肝となってくる。

ドラ周辺は急所となる可能性が高く、
鳴いていってすんなりあがれるかといったら微妙なところだ。

それならば手広くチートイツなどの可能性も見ての判断だ。
鳴き無しの流れで上家の北もそのままスルーした。


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スルーした結果、ご褒美をもらってニヤリとする。

急所がひとつ埋まって、あがりの感触は十分だ。


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さらに急所の3pを引いて、白切り。

これでどこからでも仕掛けていける。


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親リーチが入るも、急所の3pを仕掛けてイーシャンテンに。

テンパイが入ったら真っ向勝負の算段だ。


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しかし、テンパイが入る前に危険牌を掴んでここで撤退。

形を崩さずに南切りを選択した。


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上家の追っかけリーチに親が一発で掴んで2600の放銃。

2件リーチに完全撤退も南と北のスルーが守備に生きている


スルーによってスピードが失われているのは確かだが、
最終的にあがりにくくなっているわけではないし、
他家の攻撃にもバランスよく対処できる柔軟性がスルーの大きなメリットだ


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別の半荘。
東4局北家、27000点持ちだが微差のトップ目。

ホンイツ仕掛けで白をポンしている。
上家から2sが出たが、さてどうしよう?





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これはラグありでスルーした。

この場面、58sならチーするが2sはギリギリスルー。

2sは上家が何枚ツモってもおそらく出てくる。
この場面では2sだけは急所とは言えず、
チーしてしまうと手牌がかなり凝り固まってしまう。


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すかさず下家から西が出たが、どうしよう?





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これもスルーした。

牌効率的にはポンなのだろうが、
2sをスルーしてこの西に飛びつくのはいまいちブレている。

安全度を重視したというより、
西ポンによって自分の手があがりやすくなっているかといったら、
それほどでもないからだ。


スルーした結果、南が重なった。
これは現状8sと並んで最高のツモと言っていい。

このツモによってどこからでも仕掛けていける体勢が整った。


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南ポン後、西を引いてテンパイ。

待ちの感触もさることながら、
守備にも非常に優れた最終形ができあがった。


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上家のリーチ後にツモって、1300・2600。


このように、スルーの有効な判断というのはメンゼンに限らず、
フーロ後であっても選択しうる


どんな状況であれ重要なのは、急所がどこかを見極めることであり、
急所以外をスルーするのはいわゆるピントを合わせるということである。



その牌を鳴くことで自分のあがりはどれくらい近づくのか、
これを俯瞰して見ることができるようになれば
あがりの精度はおのずと高まるだろう。



ラベル:天鳳 不鳴
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2015年05月03日

スルースキル 頭のない手は鳴かない その2

前回に引き続き、スルーの実戦例を紹介していく。


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東1局の親番。前局2900をあがった1本場。

好形から東を放すと、これにラグがかかるも、ポンの声はかからず。
ご覧のように対面に東がトイツで、鳴いてもおかしくはない形だった。


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このスルーによって、対面がドラの9sをツモ。

東ポンなら、俺にとって最高のツモとなる牌だ。


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ほどなく、対面は1sを重ね、ポン良しリーチ良しの超十分形になる。

東ポンの場合はここで俺に58m待ちのリーチが入っている。


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先に三面張が埋まって対面が先制リーチ。

こちらの手はまだリャンシャンテンのまま動いていない。


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上家に仕掛けが入って、東を掴まされる。

ラグありを見ているのでこの東は切れない。これにて俺の手は死んだ。


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結局、対面が1sツモ。
裏ドラが7mで2000・4000となった。

この結果をどう見るか?


これは結局、対面の東スルーが雰囲気のいいスルーだったということだ。

雀頭のない手から東を一鳴きしたところで、ソーズが頭にならない限りは不安定感がぬぐえず、
あがりに近づいているかといったらそれほどでもない。
それならば、ラグをかけてもスルーした方がメンゼンのメリットが生きやすい。


対面が東をラグの流れのまま一鳴きしていたら、
画像の通りに俺に先制リーチが入っており、
動きがなければ対面が河に置いた5mで6000オールのツモとなっていた。


スルーの選択たったひとつでこれだけの得失点差が生まれるのである。
麻雀を結果論で語ることは軽々にはしたくないが、
雰囲気のいい着手からは、いい雰囲気の結果が生まれやすい。


ひとつ、確実に言えることは、
鳴くかどうか判断が微妙な形から仕掛けた場合、
それが自分にとって悪い結果に結びついたなら、
それは良くない仕掛けであった可能性が高い
ということである。

なぜなら、鳴きによるメリットよりもデメリットが優った結果であると考えられるからだ。
これは前々回の「鳴きのデメリット」でも触れたとおりだ。


逆に、仕掛けが微妙な場合にスルーしてメンゼンを維持した場合、
たとえその結果が自分にとって悪いものになろうとも、
自分の仕掛けが相手を有利にしたわけではないので、これは状態フラットだ。
ミスということにはならない。


つまり、鳴いて悪い結果になったらその鳴き自体がどうだったのかを常に検証する必要がある

これは俺の提唱する新セオリーだ。



麻雀は上級者になればなるほどメンゼンのゲームになっていく。
これはメンゼンに逃げるという意味ではなく、
ひとつ仕掛けることがどれくらい恐ろしく、あるいは損であるかということを感覚的に理解しているからだ。
これはデジタルを乗り越えた次のステップとして必ず見えてくる領域だ。



この半荘の結果からいうと、対面がトップで俺は浮上できずにラスだった。
言うまでもなく、この局の結果が両者の明暗を分けた。
何気ない、たったひとつのスルーが、半荘の結果を左右する。
これが麻雀というゲームなのである。


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別の半荘。南1局西家の自分。
22900点持ちの2着目だが、下3者が大接戦だ。

上家から中が出たが、さてどうしよう?





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頭がないのでスルーした。
好形が多く、メンゼンでも十分に勝負になる手だ。

スルーした結果、感触のいい4pツモ。


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手が進まずに上家からリーチが入り、一発目に9pツモ。

ここではとりあえず現物の7sを切った。


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想定外の6sをツモってテンパイしたが、
さてどうしよう?





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ここは中のトイツ落としで回った。

25sは5枚切れとはいえ、感覚的には悪くない。
リーチでも勝負になる待ちだとは思ったが、ラス目のリーチに対して勝負するには打点的にも若干足りないか。

そう考えたところに見えたのが現物の中だ。
これがひとつの道しるべとなった。

中ツモによる出あがりの効くテンパイなら間違いなく9pを勝負している。


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結局2人テンパイで流局。

上家は69p待ちで打点も十分だった。
中のスルーが結果的には道筋となって自分自身を救ってくれた。
スルーの判断が守備に生きた例である。


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別の半荘。
東4局、27000点持ち微差のトップ目南家。

上家から中が出たが、さてどうしよう?


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鳴き無しでスルーすると、暗刻になった。

「入ってたよ」と言われずにすんだ。


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急所の3sをチーしてテンパイ。
ここが捌ければあがりの感触は十分だ。


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ところが、対面からリーチが入って一発目のツモは5p。

さて、どうしよう?





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現物待ちなのでズバッと押したいところだが、最終手出しの赤5sがキズになっている。
この場合、マンズかピンズの好形である可能性がかなり高く、5pは押せない。

フリテンのシャンポン待ちでは勝ち目はないが、
一応あがりの可能性は残す。


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さらに無スジの7mを掴み、これで撤退が確定。

中の暗刻落としに踏み切る。


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親の追っかけリーチに対面が一発で掴み、7700の放銃。

対面の待ちは一発で掴んだ58pだった。


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裏ドラは対面が暗刻にしている5mだった。

仮に中が暗刻ではなくポンしていると想定すると、
安牌が続かないため、一発目に切る牌は5pだ。
そうなると奈落の底までつき落とされていたことになる。

これもスルーの判断が守備に生きた例だ。


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別の半荘。
東4局、ダントツトップ目で迎えた西家の自分。

1巡目に白が出たが、どうしよう?


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これは鳴き無しでスルーした。

頭がない手だし、トップ目だからこそ余裕を持って構えたい。


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ほどなくして、下家から2枚目の白が出たが、
どうしよう?





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これはさすがに鳴く。

メンゼンにこだわる点棒状況ではないし、
この白をスルーすると、スピードはともかくあがり率が下がる。

2着目の上家からしても、局が進んだ方がお互いに得なので、
利害関係が一致している。


このように、頭の鳴い手であっても局を進めることに価値が高い状況では、
柔軟に仕掛けることも必要となってくる。

例えば、このケースのように2枚目が出た場合や、オーラスのあがりトップのような場合が挙げられる。


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2着目のリーチを受けて、テンパイまでこぎつけたが、この9pで放銃。

裏は乗らずの2600で済んでホッと胸をなでおろす。


こういう二鳴きのようなそれなりに必然性のある鳴きであっても、
2着目のリーチに放銃というある意味最悪の結果を招いていることから、
2枚目であってもどうだったのかなというその是非を考えざるをえないし、
やはり仕掛けで結果を出すのは難しいと思わされる次第だ。


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最後に失敗例を。
南2局1本場、26700点持ち2着目西家の自分。
6000点持ちのダンラス目がいる。

下家から中が出て、これを鳴き無しでスルー。

頭がない手ではないが、マンズの急所が厳しく、鳴いても簡単にはあがれないと思っている。
例えばカン8mや4mからなら鳴いてもいいと思っている。


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鳴き無しを解除した直後に、対面から中が出た。

さて、どうしよう?





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これを少し迷った末に、ポン。

鳴きの是非はともかくとして、
ここで俺はスルースキルにおける2つのタブーを犯してしまっている。

まず、迷った末に鳴いたこと、そして同巡二鳴きを見せたことだ。


この中盤で、同巡二鳴き自体が形が整っていないことを示すものであるのに、
それを迷った末に鳴いた、こういう仕掛けは完全になめられる


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案の定、ラス目からアンカン含みのリーチが入る。
急所のカン8mが残っている以上、勝ち目があるとは思っていない。


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当たり牌を掴まされた挙句、ツモられる。
裏1で2000・4000。

このあがりは俺の鳴きが引き起こした結果であり、俺のせいだ。
一言でいうと、「みんな、ゴメン」って感じだ。

この後親番を迎えた上家が吹き上がり、なんとトップ目まで浮上する。


このように、雰囲気の悪い鳴きはその通りの結果を引き起こす。

同巡二鳴きは注意が必要であり、
迷ったら鳴かない、これはスルーの鉄則だ。



ネット麻雀ではラグが鳴きを誘発しやすい側面というのは確かにある。

そことの折り合いをどのようにつけていくか、
ラグに鳴かされるのではなく、意志を持って鳴いていくことが重要だ


幸いにもこの半荘は3着で終了した。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 17:36 | Comment(2) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月26日

スルースキル 頭のない手は鳴かない

前回までスルーの前提について述べてきた。
それでは、実戦例から具体的に見ていこう。


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東2局、北家の自分。前局リーチ棒つき7700点を放銃している。
打点的には悪くない手をもらって、たった今下家から中が出たところ。

さて、どうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

この形から鳴いたところで、何を切るかに選択があって難しい。
鳴いてもあがりに近づいているかと言ったらそれほどでもなく、
中をスルーしてどこかのターツが頭につぶれてから2鳴きをしても遅くはないという判断だ。


スルーした結果、ピンズに両面ができ、形が整ってきた。


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あっという間にメンツが完成してテンパイ。

カン7sはドラ表示牌で少し苦しそうだが、どうしよう?





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スルーして入ったテンパイ即リーチ。
ここはラス目だし、仕掛けが2者いるので当然のリーチだ。


自分の手は仕掛けるかどうかの選択を経た上でのメンゼン先制テンパイだ。
これは期待値的にもスルーの判断が正解であったことを示唆している。
他家に仕掛けがいる場合は、なおさらそれを咎めるリーチにいきやすい。


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7sが後スジになり、安牌に窮した対面から討ち取る。
裏が1枚で8000。


この半荘の結果から言うと、俺がトップ、オリ打ちをした対面がラスまで転げ落ちた。
メンゼンのメリットと仕掛けのデメリットが如実に表れたこの局の結果が、半荘の行方を大きく左右したことは間違いない。

何気なく鳴いていって咎められた場合の代償というのは、想像以上に大きい。

この辺に鳴きの怖さが潜んでいる。


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別の半荘。
東2局、西家、27700点持ちトップ目。

上家から東が出たが、どうしよう?





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これもスルーした。

この形からポンしても、ターツ選択に迷いが残るし、
頭がない形から鳴いていっても両面ターツが積極的に仕掛けられない。
頭になりやすい複合形があるわけでもなく、
最終的に単騎待ちまで見えるのでは、速さという仕掛けのメリットを十分に享受できない。

この場合、愚形のいずれかが頭になっていたら間違いなくポンしている。


仕掛けの場合、雀頭があるかどうかというのは安定感だ。

頭がなければどこを仕掛けるにしても頭のできやすさや、最終単騎を想定しなければならない。
仕掛ければ仕掛けるほど、頭につぶれる牌種が減り、重なりにくくなる。

両面ターツを仕掛けるのにも神経を使うということは、
鳴きの最大の長所であるスピードを生かしきれない。

つまり、この手のように雀頭がなく、複合しない単純ターツばかりの手なら、
鳴かずに受け入れを広くし、どこかが頭につぶれるなりメンツが完成したりするのを待っても、
スピード的に鳴いた場合と遜色ない可能性がある。


スピードで遜色がないならとりあえずスルーして、
メンゼンの可能性も見ることで、打点上昇の期待もアップする。
これが「頭のない手は鳴かない」のロジックだ。


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中盤の出口で、両面のテンパイとなった。

ノミ手、しかも待ちの6sはポンされているが、どうしよう?





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スルーして入ったテンパイ即リーチ。

ここでは、ドラの北が見えているのも大きいが、
仕掛けが2人いるので、リーチで叩き返される心配が少ない。
こういう場合、上から目線で仕掛けを咎めにいっていい


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2巡後にツモって、まさかの裏裏。

これがメンゼンの最大のメリットであることは言うまでもないが、
仕掛けとの選択を経て得られた結果であること、これが大きい。


どうでもいい手を化かすのも一つの腕であり、
こういうあがりを拾えれば完全にメンゼン派のペースだ。

これはチップ麻雀にも有効な戦略であると言える。


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別の半荘。
東4局、南家、34000点持ちトップ目。

ドラ暗刻のチャンス手をもらっている。
下家から東が出たが、さてどうしよう?





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これは、鳴き無しでスルーした。

場況から3pはかなりいいが、1pは固めて持たれているかもと思っている。
東を鳴いたところでピンズが頭につぶれないので、
結局ドラを手放す可能性が高いと踏んでいる。

シャンテン数の変わらない仕掛けでこの手を3900にしてしまうのでは東ポンのメリットがない。
それなら終盤だろうがリーチを念頭にメンゼンでいってもいいと考えての鳴き無しだ。


スルーしたところ、キラキラ輝く赤5mゲット。
これはスルーの判断が正しかったご褒美ツモだ。
これで東を2鳴きする体勢が完全に整った。


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対面から少し遅れて東が出てきて、これをありがたくポン。

構想通り、絶好の3p待ちができた。


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テンパイの入っていた下家から召し取り、8000。

非常に感触のあるあがりだったが、
この局の結果を生んだのは、何といっても鳴き無しだ。

生牌の東にラグがかかっていたら、
やはり1枚抱えていた対面が確実に東を合わせるからだ。


そうなると、慌てて鳴いても同巡2鳴きでノーテンが丸わかりとなり、
微妙な形のまま、あがりまで結びついたかどうかはわからない。


このように、鳴き無しを上手く使うことは天鳳であがり率を高める有効な手段だ。

中盤だろうが終盤だろうが、鳴き無しのメリハリをつけることでぐっと手牌は読まれにくくなる。

例えば、上家のリーチ宣言牌に対応できなくなるなどのデメリットは確かにあるが、
それ以上のメリットがあると俺自身は考えている。


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別の半荘。
東3局、西家、32500点持ち2着目。

赤とドラが組み込まれたチャンス手をもらっている。
下家から発が出たが、さてどうしよう?





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これは鳴き無しでスルーした。

58sの亜両面形が雀頭候補としてはあるが、
ドラまたぎの急所で明確ではなく、仕掛けても不安定感が拭えない。

これは仕掛けずに、ツモでソーズの伸びを見たい。


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ズバッと3sが埋まった。
スルーして、好牌引いたら攻め意識、だ。

ここでは一通の伸びと即リーチを見て、8sを切った。


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ほどなくして2枚目の発が下家から出た。

さて、どうしよう?





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これも鳴き無しでスルーした。

これは、14sのノベタンが現実的な雀頭候補としてあるので、
鳴いた方が実戦的だ。

鳴き無しにするほどではないので、実戦でも少し迷いながらだったが、
ソーズの一通の変化もあるし、発ポンは形を決めすぎるきらいがある。

そして何より3s引きで攻めを強く意識している。
鳴かなくても同じイーシャンテンだし、ツモの感触に従ってリーチ前提でも問題なかろうと考えた。


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これが上手くはまって、最高のペン7pツモ。

文句なく、即リーチに踏み切った。


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追っかけをくらって、なかなかの危険牌が続いたが、首尾よくツモ。

そうだろうそうだろう、という感触で2000・3900をあがりきった。



このように、2鳴きが当たり前のようなケースでも、メンゼンで十分な結果が出ることもそれなりにあり
スルーがはまれば、流れのまま一気にあがりまで結びつくことが多い。


ひとつ鳴いてしまえば、スピードと引き換えに打点の低下と失敗時のリスクを背負う。
一方でスルーは、鳴かないことでスピード自体低下しないこともままあり、
メンゼンの大きなメリットを残したまま戦える。


おそらく現代麻雀は、フーロのメリットが過剰に見積もられている
何をスルーするかを的確に見極めることができれば、
フーロ率が劇的に低下してもあがり率はほとんど低下しないはずだ


麻雀必勝の鍵はこのへんを紐解くことで見えてくると、現在の俺は考えている。


長くなってしまったので、続きは次回に。



ラベル:天鳳 不鳴
posted by はぐりん@ at 17:28 | Comment(0) | スルースキル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする