2019年02月10日

遠くの三色をイメージする

今日は手役狙いの王道とも言える、三色同順について。

食い下がりはあるものの、タンヤオやドラなど他の手役とも複合しやすく、
メンゼン派だけでなく仕掛け派にとっても重宝される手役と言えるだろう。


一方、現代のスピード麻雀においては、手役よりも赤やドラが大事にされる傾向にあり、
いかに先手を取ってリーチするか、または仕掛けて最速のアガリを得るかということが重視されている。

必然的に三色という手役も軽視されやすくなっており、
特に端がらみの三色は受け入れが狭く見切られがちということが言える。


2〜30年前の何切るのマジョリティを今と比較すると、
いかに昔は三色という手役が意識されていたかを痛感することができるだろう。

何切るの変遷は麻雀の技術力の向上のほかに、赤が普及したという影響が大きかったと思われる。


天鳳における三色同順の役割も、他のネット麻雀と同様それほど大きいとは言えないが、
鳳凰卓では相手の守備が強く、リーチにおける出アガリが期待しにくい。

それゆえに、高い手ならダマテンが効く手役狙いが効果的だし、
局回しの必要な南場はリーチに頼らない手役を意識する必要がある。


両面両面の三色イーシャンテンでは2分の1×2分の1、三色が決まる確率は4分の1に過ぎず、
これにこだわるのはナンセンスという見方もできる。

一方で、カンチャンペンチャンなど愚形含みの場合は、ターツの形が決まっている関係上、
三色確定形になりやすいなど、三色狙いにおいてはメリットになるケースもある。

孤立ファン牌と端牌1・9の比較でも、ファン牌の受け入れは最大3枚だが、123三色におけるターツの受け入れは1残しなら23と、最大8枚に有効牌が増える。

一見、かなり遠いように見える三色でも、終盤に照準を合わせれば、意外とテンパイまでこぎつけられるものである。


配牌でなんとなく切った端牌が、最終的に三色のフリテン待ちになる、などのケースはあなたも身に覚えがあるのではないだろうか?

数牌を大事にする、というのは牌効率においては原点であり、4メンツ1雀頭を作る基本となる。

三色を上手く成就できるかどうかは、配牌含めて序盤で、いかに遠くの三色をイメージできるか、という構想力が重要となってくる。


思うに、鳳凰卓の勝ち方も一昔前とは変わっていて、
ただやみくもに仕掛けていくスピード重視だけでは太刀打ちできないように私は感じる。

読みの効きやすい仕掛けに対しては、当たり牌を止めつつ、終盤勝負に持ち込む。

その際に、反撃の手段として三色という手役を準備できていれば、状況次第でリーチでもダマでも常に勝負形として戦える。


メンゼン派は、手役を一つ準備できれば終盤に必ず分の良い勝負に持ち込むことができるのである。


おそらくだが、守備が極限に高まった対戦においては、手役の重要度というのは上がってくる。

今はやや影のひそめた感のある三色という手役だが、この先必ずや再度ピックアップされる時代が来るだろう。


それに備えて、というわけではないが、実戦からどのように遠くの三色をイメージするのか。

手役をしっかりとイメージできている時は、麻雀をきちんと打てているという印象が強い。

実戦例から見ていきたいと思う。



case1
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東3局、19700点持ちラス目の西家。

ドラの8pが使いづらく、捌きの難しい手。

さて、ここから何を切るか?





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1m切りとした。

タンヤオを見つつ、横の伸びに広く対応した打牌。

ブロック数が増えるので、牌効率的にはイマイチに見えるが、この場合は打点上昇メリットがそれを補うと考えた。

手役狙いには浮かせ打ちなどが必要となるので、ブロック数は必然的に多くなりやすい。


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6mをツモって、何を切るか?





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再び1m切りとした。

5mが裏目となるので、やはり牌効率的には疑問だが、とりあえずタンヤオにはなる。

ドラの8pが使いづらい形なので、ドラを切る場合は234の三色などの手役がほしいという意図

カン3sが場況的に良さそうというのもこの場合の打牌の根拠となっている。


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嬉しい好形ターツができる、4pツモ。

さて、何を切る?





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6m切りとした。

自然なら2s切りで、6m切りだと狭くなるが、構想通りの234狙いとした。

3sは2枚切れだが悪くないと思っている。

その後、急所の7pを引き込む。このツモなら36s受けが残っていた方が良かったが。


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中盤の出口、上家から2pが出たが、これを鳴く?





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チーテンに取った。

次の3sを切られてしまうとアガリがなかなか間に合いにくい。

ピンズは場に高く、25pがいい受けとは言えない。

下家のピンズ仕掛けに対して6pを勝負する機会でもある。

構想通りの234の三色なら喜んでチーする場面だろう。


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テンパイの入った上家から3sが打ち出され、狙い通りの3900。

2s残しに拘った結果、最善の234三色をアガりきることができた。

他の手順でもアガれている可能性はあるが、大体2000点だろう。

このアガリで現状2着浮上、最終的には3着だった。


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下家の染めは恐るるに足らず、だった。

3sは読み通り山に2枚、さらに25pも残り2枚とかなりの急所だった。



case2
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開局の西家。

ドラの南が浮いていて、愚形が多く捌きが難しい手。

さて、何を切る?





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8m切りとした。

南を切らないとすると、効率的には2mか8m切り。

7mがかなり良さそうに見えるのが悩みの種だが、ここは下の三色の可能性を見ることにした。

打点のない手はドラ勝負に見合う手役を見る、というのが基本だ。


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カン7pを入れてテンパイした。

ここは色々あるが、さてどうしよう?





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4m切りダマとした。

マンズが悪くないので、ドラ1あるなら即リーチでいいと思うが、リーチのみだと微妙。

この手は5mツモでのピンフ変化があり、狙いの4sツモなら234の三色となる。


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親と南家に仕掛けが入って、狙い通りに三色変化。

一気に打点がUPしたが、さて、リーチするか?





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親の仕掛けに対応して、ダマとした。


親は赤赤で5800以上確定、親の現物に3mがあるのでそれを拾う方針。

リーチで直対だとリターンは大きいがリスクも大きい。


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下家から打ち出され、2600。

狙い通りに親をかわすことに成功した。

この3mを捕らえられていないと、どうなったかというと…


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なんと、次のツモで親が4000オールのツモアガリとなっていた。

蛇足だが私も次ツモで4mを掴んでいた。

点数的には2600に過ぎないが、丁寧に手役を見た結果のアガリであり、ダマが効く手役の価値を実感することができる。

高い手の親は全員でかわす意識が必要で、これならば放銃の下家も納得だろう。


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この半荘が最終的にどうなったかというと、三者大接戦のオーラスから上家がツモアガり。

私は辛くも3着で逃げ切った。

対面が親で4000オールをアガっていたら、結果は大きく変わっていたのは間違いない。

三色という手役が私を救ってくれた半荘となった。



case3
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開局の西家。

配牌で何を切るか?





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東切りとした。

開局の第一打でダブ東切りというのはやや抵抗があったが、この手は123の三色が十分にあると見て。

細かいところでは25mツモで、2種のリャンカン形を作ることもできる。


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何を切るか?





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2s切りとした。

雀頭がないので、12234部分は雀頭作りに最適だが、123三色のためには崩れやすいと考えた。

ドラがないので、三色が崩れた場合は好形テンパイ必須。その場合の好形ターツを7s周りでも考えている。

この打牌はタンヤオの裏目が怖いが、13m13pと現状でははっきりと123の三色部分が決まっているので見返りは十分。


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4m重なりで雀頭候補ができた。

123が崩れない雀頭は歓迎できるツモだ。


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その後、マンズが伸びて123三色のイーシャンテンに。

タンヤオ変化より123三色が早く、成功。

ドラの2mが肝で、3mの切り時も難しい。


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終盤に狙い通りの123三色のテンパイとなる。

が、ここでは3mの方が危険度が高いと判断し、1m切りとした。

終盤は手役よりも危険度を重視する、だ。


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親との二人テンパイで流局。

第一打で切り飛ばす可能性のあった1mを生かしての、三色テンパイだった。



case4
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東3局1本場、24700点持ち3着目の親番。

9sツモでメンツが完成したが、ここから何を切るか?





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5s切りとした。

単純牌効率なら明らかに8m切りだが、5sくっつきの両面は自分が7sを使っているだけにあまり強くない

それならば浮き牌の8mくっつきから789三色を見てもいいと判断した。


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狙い通りに7mがくっついた。

さて、何を切る?





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ピンフ受け入れMAXの1p切りとした。

これはかなり選択の別れるところだが、点棒状況や東場南場でも変わってくる。

仕掛けの効く手なら3mの受けが減らない5m切りが面白いか。

リードしている場面では、牌種を少なく持つ2p切りを私は選択する。

相手の攻撃に対して2スジは切りづらいので、1pのトイツ落としで対応しやすいという意だ。

5ブロックにするターツ落としが今風だが、この手はピンフにつき、ピンフの受け入れを減らす打牌はやや損という気がする。


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上家の3pにラグがあったため、あっさりと3p受けを嫌う。

これが偽ラグという可能性もあるにはあるが、実戦では感覚と雰囲気で判断している。

鳴き無しにしないことのデメリットとして、こういうターツ選択が明確にしやすくなる、というのがあり、鳴き無しにしている人にとって大きな情報となる。


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上家からリーチが入ったが、三色確定となる9m。

さて、これを鳴くか?





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スルーした(鳴き無し)。

逆に鳴き無しのデメリットがこういうところにあって、意志のスルーというより、鳴き無し解除が間に合わなかった。

リーチの声と同時に鳴き無しを一応解除するのだが、リーチの声から打牌が早い場合には大抵解除が間に合わない。

天鳳では鳴き無し解除から鳴けるまでのタイミングがかなりシビアに設定されている。

この場合、例えば9mが2枚切れなら鳴きありにしているので、この9mは急所ではないと考えている。

叩き合う覚悟で攻め返すわけだが、自身のアガリが大幅に遅れるのがこのスルーのデメリットであると言える。


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結果、4mの縦引きで三色のテンパイ。

69mがパタパタと切られているが、5m切りではダマでも出にくいと考え、ここは勝負のリーチに踏み切った。


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一発で高目をツモりあげ、6000オールとなった。

5sを残して8mを切っていると最終形はカン6sとなり、仕上がっていない可能性が高い。

これは結果に過ぎないが、遠くの三色を意識したことで、このような爆発的なアガリを得ることができた。

ちなみに、3pは対面のポンラグだった(可能性が高い)。



case5
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東2局、29000点持ち2着目の西家。

ドラが重なって、大チャンス手だが、さて何を切る?





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123の三色を見て発切りとした。

発ツモが嬉しいか、23sツモが嬉しいかという比較。

単純に効率だけなら発3枚に対し、23sは8枚なのでそちらが有利。89sの愚形ターツから移行しやすいというのもある。

前局アガっているという体勢を重視するなら仕掛けないことに比重を高めるので、1sを残す。こちらの方が私の理由としては大きい。

仕掛け派は発を残したいと思うのではないだろうか。


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直後に2sを引けたなら、ビンゴ。

これなら喜んで89sを落としていける。


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ペン3sが埋まれば、狙い通りに123三色に照準を絞れる。

3p切り。


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親リーチ一発目に三色確定となる1pツモ。

飛び出すのは最も危険なドラだが、ここは当然の追っかけに踏み切る。


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親が一発で掴んで、裏は乗らずも12000。

親も好形高打点の勝負手で、私の3pがギリギリ間に合っていた。


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ペン3sを捕らえられていないと、一手遅れとなり私のアガリ目は厳しかった。

勝負に出ると36pで放銃するまであった。

発を捕らえ損ねてアガリを逃すということももちろんあるが、
形の決まっている三色はきちんと型を見ることで、思っている以上にアガれるケースが多い。

最終的に仕掛けてかわし手として機能させることもできるため、使い勝手はいい。


河原で対岸の景色をぼんやりと見るように、配牌で遠くの三色をぼんやりと見る。

それは時にあなたを救ってくれるだろう。



ラベル:天鳳 三色
posted by はぐりん@ at 23:37 | Comment(6) | 手役狙い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月27日

最終形を強くする決め打ち 【手役狙い】

前回のリャンカン形に絡んだ内容として、
先に形を決めることで最終形を強くする工夫がある。
リクエストもあり、今回はそれを特集してみた。


チートイやトイトイ等、トイツ系は手役構成上決め打ち傾向が強いため、
今回はシュンツ系の2ハン役に絞って、考察することにした


愚形含みの手牌では、牌理上、どうしても形を決めなければならない場面がある。
迷い多き場面とも言えるが、
そういう局面こそ、河を工夫して迷彩を施すことでリーチ時にあがりやすい最終形を実現できる


現代麻雀では早い時点でこれをやりすぎるとスピード負けの可能性が高くなるため、
凝りすぎるのも考えもので、自己満足にならないようなバランスが重要だ。

迷彩は、牌効率を損なわない自然な手順で施すのがベストだろう。


重要ポイントは以下の通りとなる。



@リャンカンは決め打ちの絶好の形

一筒三筒五筒と持っている場合、リーチ宣言牌で五筒を切っても現代麻雀では出あがりがあまり期待できない。
この五筒を自然な形で先切りすることによって、二筒の警戒度はかなり下がってリーチのあがり率は劇的に上がる。
リャンカン形は3枚使いで手牌を圧迫する形であるからこそ、
そのデメリットを逆用して、先切りで出やすい待ちになるように工夫する。
場に安い色の先切りが特に効果的だ。



A決め打ちの最も効果的な手役はチャンタ系

チャンタ系は手役の性質上、赤が絡まず、ドラも絡みにくいため、
中途半端に内の牌を残したところで打点が伴いにくい。
結果、自然に先切りの迷彩になることが多い。
赤が使えないのが難だが、逆に言うと赤も積極的に切りやすい手役であると言える。



B端の三色は決め打ちに適している

内の三色は伸びがあるため、決め打ちには適さないが、
受け入れの狭い端の三色は決め打ちが有効なケースが多い
これはチャンタにも共通している部分で、
受け入れが狭い分、形を決めて打点を見ることによって手牌のバランスを保つという意識だ。
形を決めたら中途半端に伸びを見ずに、出あがりしやすい河を作りにいくのが効果的だ。



C一通は割合決め打ちしにくい

先の二つの手役に比して、一通は手役固定しにくい。
なぜなら、一通決め打ちする過程で必ず複合形となるため、
ピンフや効率を犠牲にすることが大半となるから
だ。
特別打点や手役が必要な状況でもない限り、決め打ちをしにくい手役であると言える。



D手役両天秤の決め打ち

決め打ちをしながら手役両天秤を見るという贅沢な手牌もある。
どの受け入れが不要かというのを的確に見極めることで、
様々な手役に対応した打点の伴った手作りが可能となる




E意志を込めた最序盤の決め打ちは読まれにくい

効率重視の現代麻雀では、最序盤の捨て牌は不要牌であるという認識が強い。
手出し牌が多ければ多いほど序盤の手出しは関連牌でない可能性が高い。
だからこそ、序盤の決め打ちというのは読みをはずすために有効となる。
私自身はシュンツ系の手で序盤の決め打ちをすることはほぼないが、
他家がこれをした場合、放銃率の低い打ち手でもはまりやすいことは紛れもない事実だ。



それでは、実戦例からみていこう。



@リャンカンは決め打ちの絶好の形 case1
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南2局、21600点持ち3着目の親番。

9mをツモって、雀頭不確定の少し重い形。

さて、何を切る?





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5s先切りして、待ちを先に作った。

ソーズは場況からかなり良いので、待ちになった時に強い。
場に高いマンズの受け入れを広げてカン2sで勝負という構想だ。

1mや3mを引けば手順で123の三色ともなり、
やはり5sの先切りが生きる。


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構想通りにカン2s待ちになり、7m切って即リーチ。

9m暗刻で点パネのおまけがついた。

親リーチとはいえ、この2sはなかなか止まらないのでは?


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自らツモって裏は乗らずの1300オール。

見ての通り、2sは3山と、非常に強い待ちだった。


このように、場に安い色のリャンカン形は、最終形を決め打ちする絶好の機会となる。



A決め打ちの最も効果的な手役はチャンタ系 case2
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南1局、25900点持ち2着目の南家。

純チャンのイーシャンテンから、ピンフや一通も見える5sツモ。

さて、何を切る?





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ツモ切りとした。

これは4s切り、あるいは7s切りとする人もいるだろう。

どうせ3pのドラ依存の手なのだから、
仕掛けても7700となる純チャンの目を残したい。

5sを先に切るのは少しでも8sのマークを外す狙いだ。


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数巡後にツモってきたのは、ここしかないドラの3p。

さて、リーチする?





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ダマにした。

5s先切りなら当然のリーチにも見えるが、
河が少し脂っこすぎてリーチでは警戒されかねない。

場況から8sは拾えそうな感じもある。

結局、親からすぐに出て12000となった。


ダマなら4s切っとけ、という考えもあるが、
仕掛け時8sの警戒感がかなり変わってくるだろう。

このへんは遊びの領域で、雀風によっても大きく変わってくる部分ではないだろうか。



case3
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東1局4本場、18800点持ち2着目の西家。

親の猛攻が止まらず、現在4本積まれている。

チャンタ三色含みの手牌から5pをツモったところ。
さて、何を切る?





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5pツモ切りとした。

これは同様に形を決める人が多いのではないだろうか。
カン4pの受けにまるで意味がないので、
雀頭作りのために字牌を残す方がこの手には価値がある。


チャンタはドラが複数絡みにくいというのもあり、
打点の都合上、このように自然な手順で決め打ちがしやすい。



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少し場況が煮詰まってきた中盤、赤5pをツモってきた。

さて、どうしよう?





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当然ツモ切る。

5pを残しておけば重なってのテンパイとなったわけだが、
字牌重なりの方が打点が伴うため、これは仕方ない。

逆に、より目立つ迷彩になったと考えることもできる。


このように、チャンタ系は手牌の都合上、赤がわりと河に出現しやすい傾向がある。
赤の目立つ捨て牌はチャンタに警戒ということができる。


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温めていた字牌が重なり、満を持してのリーチ。

河が少し派手だが、十分に出あがりも期待できる先決めの2p待ち。

まさに構想通りでワクワクするリーチに仕上がった。


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白ポンに、下家が4pカンで、2pが出るお膳立てが整ったが、
残念ながら親の500オールツモ。

親の勢いを止めることができずにがっかり感が漂う。


こういう作品が不発に終わるとその半荘はジリ貧になるイメージもあるが、
この半荘はめげずに反撃を繰り返し、最終的にはトップを捲り切った。



case4
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南3局1本場、46100点持ちトップ目連荘中の親番。

端に寄った手牌から、1pが重なったところ。

さて、何を切る?





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純チャンを見ながら7mを1枚ほぐした。

789の三色にしろ、純チャンにしろ、7mは1枚余分だ。

この7mはあと数巡経つと危険度が高すぎて切れない牌となる。
切るならこのタイミングしかないという感じ。


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次巡、絶好のペン7sが埋まった。

さて、何を切る?





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こうなれば赤5pは不要だ。

仕掛けて11600が見える手でもあり、
赤を残すより純チャンを見た方が得点効果が高い。

点棒の余裕から赤を引っ張っても、
やはりチャンタ系では出ていくケースも多い。


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手なりで進めていって、メンゼンでテンパイ。即リーチに踏み切る。

赤の先切りが生きる、絶好のカン8p待ちとなった。

これは警戒しても止まらないんじゃないの?


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期待をよそに、二人テンパイで流局。

一生懸命迷彩を施したところで、ベタオリされてしまうと出てこない。

天鳳ではこういうケースも多いため、やりすぎるのは損となる。



B端の三色は決め打ちに適している case5
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東3局、26300点持ち2着目の西家。

縦横混ざった捌きの難しい手だが、123の三色イーシャンテン。

3sをツモって何を切る?





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6mを切って3m待ちの布石とした。

3sを雀頭に固定してしまうと、これ以上手の伸びを見ることは不可能となるが、
三色確定形のイーシャンテンであるため、受け入れの狭さに見合う打点がある。

3mは山にいそうなので、できるだけ引き出せるように河に工夫をしたい。


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次巡、8sをツモって何を切るか?





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6mのトイツ落としを見せる。

この6mを1巡でも切り遅れると、離れトイツ落としとなって、スジの3mの警戒度が高まりやすい。

リーチ宣言牌を6mにしないことが絶対命題なのだ。

これは過去記事、「1枚切ってる牌の手出しリーチ 完全看破」を参照してほしい。


赤5mをツモっても、それは3mを引き出すための布石となるため、
ここでは6mを河に並べることが重要だ。


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待ちにしたかった3mが先に入ってテンパイ。

これはこれでいい。即リーチに踏み切る。


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下家から出て5200となった。

4p暗刻だから2pは使いにくいわな。

このように端絡み三色は先に形を決めて、迷彩を作っていくのがいい。



case6
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東1局、開局の親番。

5sに4sがくっつき、好形ができた。

123の形が決まっているが、さてどうしよう?





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5pを切りたいのをグッとこらえて8p切りとした。

手役の決め打ち、私はけっこう好きなタイプらしく、どうしても5pを手が切りたがる。

ただ、冷静に考えた場合、4pの受け入れが嫌かというと、どうだろう?

4pが入ってのピンフリーチは悪くない。
親番ということも加味すると、5p先切りは緩手になる可能性がある。

ベタオリされると迷彩は無意味にもなりうるし、
即引っかけでも出る時は出るものだ。


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この時点での全員の手をごらんあれ。

2pは暗刻持ち含めて、全員の手に組み込まれ、山にはもうない。

5p先切りだと完全にあがれない手となってしまうところだった。

こういうこともあるから、基本は牌効率重視で、必要以上に迷彩を施す必要はないのだ。


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この局は、テンパイが入らないまま、対面に2000の放銃となった。



C一通は割合決め打ちしにくい

一通イーシャンテンで決め打ちできる牌姿として、以下の例がある。

(1)一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒

(2)一筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒

(3)一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒八筒九筒ドラ七筒


一通を決め打ちする直前の牌姿というのは、必ず複合形になっているため、
一通の決め打ちはチャンタや三色に比して、効率を犠牲にするケースが多い

(1)や(2)はわかりやすく決め打ちによって牌効率を損なう例で、
(3)は8pを残すことでペン7pの受け入れがあることがわかるだろう。


ピンフが十分に見込める手の場合、一通の決め打ちは牌効率的に損となることが多く、
先切りが特段有効となることはあまりない。


決め打ちの頻度としては、チャンタや三色よりもかなり少ない印象で、
これは手役の特性上、必然的にそうなるものである。



D手役両天秤の決め打ち case7
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東2局、24000点持ち3着目の西家。

ズバッとカン6pを引き入れたところ。

さて、何を切る?





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5m先切りして、三色と一通の両天秤とした。

4mツモが非常につまらないと考えれば、カン2mの布石とする5m先切りは真っ先に思い浮かぶ。

三色も一通も同じ2種が必要だが、一通の場合はピンフが複合する可能性がある。


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4pをツモって、一通も見込める手となった。

さて、何を切る?





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ここで一通にシフト。融通の利かないペン3sを払った。

5m先切りの布石を生かすのであれば、カン2mは残したい。

3sと8pの比較では8pが若干優位。
ピンズは伸びがあるので、その点でも一通が有利に見える。


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上家のリーチに対して、受け気味に。

結局、上家がツモって裏1の2000・4000となった。


三色は様々な手役との天秤になるが、
つまらない受け入れを嫌っていくことで、このような決め打ちが手役の可能性を広げることもある



E意志を込めた最序盤の決め打ちは読まれにくい case8
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南1局、33000点持ち2着目の親番。

ラス目の上家が3フーロで、警戒警報。

こちらの手もイーシャンテンとなったが、何を切る?





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手なりで8mを切ると、これにロンの声。

2000の放銃となった。

安くてホッとしたが、第一打が6mにつき、これはちょっと意表を突かれた。


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上家はこの手から第一打6m切り。

この打牌の是非はともかく、テンパイまで辿り着けば読めない待ちとなっていることは確かだ。

最序盤の意志を込めた決め打ちは、
読みに長けた上級者や、放銃率の低い守備的な打ち手からも当たり牌を引き出すことが可能となる。




ラベル:天鳳 牌理
posted by はぐりん@ at 21:51 | Comment(6) | 手役狙い | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする