2021年01月24日

晒しスキル 赤は基本晒して鳴く

さて、初登場のテーマは、仕掛けの際にどのように牌を晒すかという晒しスキルだ。


一見何気なく見えるが、牌の晒し方というのは非常に奥が深くて、複合形でどのように晒すかというのははっきりと腕の差が出る

晒す際に最も重視することは何かというと、自身の守備力が上がるように晒す、ということである。

仕掛けて自身の手牌が短くなっている以上、相手に対する受けを重視するのは当然とも言える。

そういう観点でいくと、赤やドラ、二筋にまたがる456牌など他家に対する危険牌は積極的に晒すのが間違いが少ない

なぜなら、晒した牌は絶対に切ることができないからだ。

また、それらを晒すことで、再び危険牌を持ってきた際にスライドしやすい、というメリットも生まれる。


単純に危険牌を晒すと言えば容易く聞こえるが、生牌と内側の牌のどちらの危険度を優先するか、スライドする牌はどちら側の危険度が高いか、など状況ごとに危険度に差が生まれる上に、将来のスライドまで考慮すると晒し方に迷いが生じることも少なくない。

実戦で逡巡してしまうと、複合形からの仕掛けであることがバレてしまうなど、多大な情報源を相手に与えてしまう。

些末な差に捉われて、大局を見失うことがないように、基本的にはシンプルに今現状の危険牌を晒すことを心がけておくのがいいだろう


晒しスキルに総合力が問われる理由がもうひとつある。


三萬四萬七萬七萬三筒四筒五筒赤五筒六筒五索六索七索北ドラ三筒出る四筒

上記の手牌で、上家から4pが出た。どう鳴くか?


この晒し方にはなんと4パターンもある。


チー三筒赤五筒チー三筒五筒チー赤五筒六筒チー五筒六筒

カンチャンと両面の形で2通り、赤か赤じゃないかで2通りの合計4通り。

危険牌を晒すという基本に従うと、ドラのスライドも考えて、三筒赤五筒で晒すのが正解となるだろう。


仮にこれがネット麻雀なら、晒すパターンが選択肢で示されていたりしてワンクリックでチーすることも可能だろう。

しかし、これがリアル麻雀だったら?


上記の理牌のまま3pと赤5pをつまんでしまうと、二枚の間隔が空いてしまい、複合形の仕掛けがモロにバレてしまう。

待ちはともかくピンズの周辺を持っているという本来与えなくていい情報を与えてしまうことになる。

それが嫌(めんどくさい)なので、56pの晒しやすい方で晒すと。

そうしたら、ドラを持ってきてしまってスライドできずに、親のチートイドラドラに放銃してしまった。

こういう事例は、思いの外多いのではないだろうか。


リアルの場合は何を鳴くか・どう晒すかの前準備の他に、どういう理牌にするかという牌の並べ方まで前もって考えておく必要がある。

これが、リアル麻雀において鳴きの敷居が高くなる理由でもあるだろう。


不自然さを隠す理牌は難易度が高く、カチャカチャと理牌をしすぎても鳴きたいことがバレるなど一つの情報にもなるため、個人的には飛ばし鳴きはある程度割り切ってやるのがいいような気がする

多少の牌の並びがバレても待ちが何かまではわからないことがほとんどだからだ。


過去に映像対局で、女流の冨本智美プロが理牌にこだわってとんでもない鳴き間違いをしたことは記憶に新しい。

理牌にこだわらないプロとしては藤崎智プロがいるが、ご存じのとおりタイトル歴多数で実績に関係ないことがわかる。

理牌を極めたいなら、鈴木たろうプロが参考になるだろう。


天鳳のwindows版は鳴く箇所を自身でクリックして指定するのだが、なぜか私はこれが苦手で、カンチャンが上手くチーできないなどの病気を時折発症してしまう。

天鳳無料版は、確か赤入りのチーがデフォルトになっていたはずで、これはこれでわかりやすくて良かった。


それでは、実戦例から見ていこう。


case1
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南3局1本場供託2本。8500点持ちラス目の南家。

3着目の下家とは8000点弱の差。

2着目の対面からリーチが入って、供託リーチ棒3本目が出た。

ラス回避のためにはここが正念場だ。


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上家から3pが出て、これをチーテンに取った。

さて、どう晒す?





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なんとなくカンチャンで晒したくなるが、赤5p込みで晒す。

次に5pを持ってきた際にスライドが効くからだ。

3pがノーチャンスにつき2pの安全度も高く、リーチに対しては6pよりも5pの方が危険に見える。

9pが通っていなければスライドの判断は微妙なものとなるが、赤を晒しておけば間違っても赤が出ていくことはない。


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実際はこう。

対面のリーチに5pが当たるだけではなく、下家のトイトイにも5pが捕まる。

5pがスライドできるか否かでこの手の耐久性が大きく変わってくることがわかるだろう。


33709.jpg

首尾よく引きアガって、1000・2000。

勝負所を制して、本局のみで3着捲りに成功。そのまま3着で終了した。



case2
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東4局4本場、40500点持ちトップ目の南家。

上家から4pが出たところ。

これを鳴く?鳴くならどう鳴く?





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カンチャンの赤で晒した。

対面の河に2pがあるように、全体的には2pの方が安全なので、5pツモ時のスライドに備えられる。

234でチーするメリットは6pツモ時に3pとスライドできることにあるが、現時点では3p自体の危険度も高いため、そのメリットがさほど感じられない。


トップ目なのにわざわざ警戒させる赤の方を晒す必要はない、と考える人もいるかもしれない。

しかし、トップ目だからこそ、受けに強い形で凌ぎやすい手順を模索すべきなのだ。

場合によっては傍観して、局が進むのを待つ。この選択肢が採れることこそトップ目の特権なのだから。


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テンパイまで漕ぎつけたが、ダマで下家がアガって5200。

局が進んでくれればこれはこれで良し。

ちなみに、下家は現在Mリーグで活躍中の瑞原明奈プロ(九段当時)である。

何気なく闘っている相手が未来のMリーガー、なんてことが起こりうるのがネットの世界である。



case3
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南1局、28300点持ち2着目の北家。

ラス目の対面からリーチが入っている。

こちらは自風を仕掛けてホンイツイーシャンテン。

上家から6pが出たので鳴こうと思うが、さてどう晒す?





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赤含みで晒した。

ホンイツが匂う河につき、打点でできるだけ目立ちたくないのが本音だが、7m押しですでにがっつり目立っている。

リーチも入っているので、もはやあまり関係がない。


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ドラまたぎとなる2mを持ってきたところ。

これはリーチには通っていないが、さてどうしよう?





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ここで回った。

ラス目のリーチだけに、慎重に対処しなければならない。

ノーチャンスの8pも安全度としてはかなり高いが、ここは2m周辺のくっつきに備えた。

マンズの下が通っていないので、雀頭を残した方が凌ぎやすいと考えた。


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望外の2m重なりでテンパイ復帰。5pは安全度が高く、切りやすい。


と、ちょっと待ってほしい。

あそこで赤5pを晒していなかったら今どうなっていただろうか?

浮いているのは赤5pであり、ほぼ当たらないとは言っても当たった時がひどい。

赤を晒さずに赤ターツを切り出す抵抗感から8pの方を落としたかもしれない。


相手の攻撃が入っているケースでは危険牌を掴んで回る過程で、このようなターツ落としに発展することも少なくない。

赤が手牌にあると切り出しづらく、回し打ちにおいて柔軟性に欠ける手牌になってしまう。

つまり、特に後手の際は無条件に赤を晒した方が自身にとって得となるケースが増えると考えられるのだ。


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結果、下家から8pが出て2000。

ラス目のリーチをかわす値千金のアガリになった。

対面の待ちはニアピンの36mで勝負手だった。

意外にも47pでのアガリ目はかなり薄かったことから、柔軟な回し打ちが奏功したと言えよう。


このように、赤を晒すことによって、打点を見せてアガりにくくなるデメリットよりも、回し打ちにおいて柔軟性を保てるメリットの方が大きい。

基本的には赤は晒すものとして考えておけば間違いないだろう。



ラベル:天鳳 鳴き
posted by はぐりん@ at 00:00 | Comment(2) | 鳴き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月17日

形テンのアガリ形から何を切るかは超重要

現代麻雀では形式テンパイの重要性が上がっているということはみなさんご存知だろう。


それでは、形式テンパイからうっかりアガリ牌を持ってきた際に、何を切るか迷った経験はないだろうか?

雀頭が比較的安全である場合は、凌ぎやすさに分のある雀頭落としをするに越したことはない。過去記事:形テンは雀頭落として自在形に

しかし、雀頭がそれなりの危険牌である場合に、どのように捌くかで腕の差が問われてくる


基本的には場に安い色のメンツから安全牌を抜くことにより、別の危険牌を持ってきた時に、再度回りやすくなる。

その際に、危険牌周辺が真ん中付近であればあるほど、食い延ばしや食い直し等でテンパイ復帰の可能性が高まるため、端寄りのメンツを壊した方が回し打ちにおいてメリットが大きい

大抵の場合は終盤につき、安全度を重視するのが基本となるが、形式テンパイのトライが多くなる天鳳などネット麻雀においては、雀頭以外の一牌から何を選ぶかによって侮れない差を生むことも往々にしてある


何気ない部分での差異が大きくなっているからこそ、様々な事例を想定しておくことの重要性が高まっていると言えるだろう。

それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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南1局1本場、供託2本。5200点持ちダンラス目で迎えた親番

この親番である程度巻き返さないとピンチの局面。

対面が2フーロしていてやや煮詰まっているが、ここから何を切る?





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この手は攻め返せると考えていたので、まっすぐ3p押しとした。

3pを切っておけばチートイツで凌ぐ目も出てくる。


その後は一向に手が進まず、三段目になり対面から2pが出たところ

この2pをポンすればテンパイに取れるが、ポンする?





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ポンしてテンパイに取った。

前巡に対面から安全度高めの発が手出しされ、いよいよテンパイ模様。

この2pをスルーしてしまうと、25sの余る最終形になりやすく、対面への放銃リスクを負ってしまう。

巡目的にもこのへんが形式テンパイを入れるタイミングだろう。


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次巡持ってきたのは、ズバリアガれない7m。

うーむ、想定外のツモで何を切ったらいいか迷う。

ここから何を切る?





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8m切りとした。

手順上2sに手をかけることはできず、マンズに手がかかるのは自然だろう。

8m9mは安全牌につき、9m切りの方が柔軟だったかもしれない。

このへんの微妙な差異は前もって考えておかないと、迷いの種となってしまう。


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しかし、マンズから選んでしまうと次の危険牌に対応できない。

4sを拝み打ちするもこれが刺さって2000。

当たりスジが相当に限定されている状況だが、ここからテンパイを崩して親を流すのはさすがに厳しいと判断した。

雀頭が切れないデメリットが如実に表れていて、終盤で一牌耐えることがどれだけ重要かがわかる事例だろう。


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それではどうすればよかったのだろうか?

2pをポンしなかった場合は、こちらに流れた4sを対面にツモられる。



ツモを見るに4sを放銃したタイミングで、マンズを落として回った場合、自力でのテンパイは不可能だった。

そういう意味では押したことは正しかったが、例えば私が切っている3sを上家が切り出し、それを食い直すという目がないわけではない。

あとは、上家が2sを押していることを利用して、2sを先切りするという手もパッと見、見える。

対面に手出しが入らなければ2sも安全に切り出せたわけで、このへんが難しいところ。

しかし、受け入れを結構なレベルで狭めてしまうため、ダンラスの状況では敢行できない。これも無理スジだろう。


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ここで2sを切っていれば大丈夫だったわけだが、そもそも2pポンの目的には25sを使い切ることが含まれているため、それは結果論に過ぎない。


もう一つ、ここで3sを切る手があった。

気付きづらいが、4sツモ時にドラ切りで凌ぐ余地があった。

しかし、どちらかというとドラツモ時に4s切りで凌げるというのが3s切りのメリットであり、ドラの方を選べるかどうかは微妙なところだ。


考えたところで結果は変わらないことも多いが、アガリ形からだと凌ぐ手順にバリエーションがあることに気づくだろう

一見見えにくい凌ぎの方策というのが隠れていることも少なくない。

このへんをしらみつぶしに考えていくことは、上手に凌ぐためのいい訓練になるかもしれない。

この半荘は、巻き返せずそのままラスで終了した。



case2
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オーラス、5900点持ち3着目の親番。

熾烈なラス争いで、ラス目の対面と1000点差となっている。

2フーロの下家に1000・2000をツモられても座順でラス転落という苦しい立場。

前巡に1mを切っている対面が謎の食い直し、手出しは西。

この仕掛けをどう読んでいくか。


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7枚目の1mをチーしてひとまず形式テンパイに取った。

これをスルーしてしまうとノーテンでラス転落終了という最悪のシナリオが見える。

リーチが必要な手でもあり、メンゼンで進めるメリットは小さい。

さて、どちらに取るか?





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5p切りとして36p受けを残した。

5pの方が危険度は高いが、生牌のドラに対応しやすい選択とした。

枚数の多い36pツモ時にドラ単騎に渡っていける可能性を考慮した。


ところが、ダントツの下家が生牌のドラをツモ切りした直後にこちらはズバリ6pツモ。

さて、ここから何を切る?





ポイントは対面の仕掛けだ。

対面は1mを持っていない状況から4mをフリテンでチーした。

一萬二萬三萬裏裏裏裏裏裏西ポン八索八索八索

対面はここから西を残して1mを切っていることになる。そんな不安定な仕掛けをするだろうか?

こういうケースでよくあるパターンを私は思い浮かべていた。

一萬二萬三萬四萬裏裏裏裏裏西ツモ裏ポン八索八索八索

4mを既に1枚持っているケースだ。

1mを先切りして、タンヤオとファン牌の両天秤、マンズが上に延びていれば、4mは喜んでチーするだろう。

私が3mを通していて、下家が5mを通しているのでマンズは出来メンツの可能性が高いと踏んだ。


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しかし、無情にも7mは当たり。

2000の放銃でラス転落となってしまった。


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対面はまさかの出来メンツから1m切りだった。

仕掛けの手順を無視すればカン7mは十分に可能性のある待ちだ。

しかし、純粋なメンツを崩す想定が私にはできなかった。

結局、南家がチャンタ仕掛けの線が濃いため見切り発車のタンヤオ仕掛けに舵を切ったということだろう。


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実際には9pもアウト、7mもアウトということで、23sあたりを切っていくのが良かった。

白が通っただけに、なおさら鳴き読みのミスが致命傷となってしまった。


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ソーズを切っておけば、本局は三人テンパイで凌げていた可能性が高い。

下手に読みを入れたことで自爆した例。

トイツ落としは通すことのメリットは大きいが、通らなかった時に事件が起こりやすい。

慎重すぎてもダメ、大胆すぎてもダメ。



case3
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オーラス、16100点持ちラス目の北家。

3着目の下家とはノーテン罰符でひっくり返る点差だが、この巡目にしてひとつもメンツが完成していない

これは俗に言うぴえん(ノω・、)


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というわけで、こんなところから仕掛け始める。

巷で言うところの、スジの悪い仕掛け。

I am あせってます。


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なぜかドラを絞ってペン7pを払っているが、これがビンゴ!
よくわからんが一瞬でイーシャンテンとなった。

I am a 天才?


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もうひとつ食わせてもらえて、音速でテンパイまで漕ぎつける。

とりあえず最悪の事態は避けられそう。


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役なしで絵が揃ってしまった。

さて、ここから何を切る?





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6m切りとした。

ここでは、当たりづらさと同時に、3着目の下家が鳴きづらい牌を選ぶ必要がある


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上家と私の二人テンパイで流局。

下家は親番でノーテンにつき、半荘終了。

私はわずかに下家を捲り切り、渾身のラス回避を達成することができた。


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他家のドラ合わせに安心して5pのトイツ落としをしていると、下家のチーテンを入れられるところだった。

下家が直対相手の場合は、要牌を絞ることでテンパイノーテンをある程度コントロールすることができる。


このように形テン仕掛けは通常と違い、アガリ牌をツモってからがスタート地点ゆえ、切る牌に迷いが生じやすく、難易度が高い

テンパイを取れたことに安心せず、一手先二手先を睨んで思考を張り巡らせておくことが重要だとわかるだろう。



ラベル:天鳳 形聴
posted by はぐりん@ at 23:56 | Comment(0) | 守備力UP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月10日

先切り牌の周辺仕掛けで出てくる手出しは強関連牌

今回は、鳴き読みの中でも特に注意を払うパターンについて。


タイトルだけ見るとわかりにくく感じるかもしれないので、端的に説明すると、


@仕掛け者の手出し牌ってめちゃくちゃ重要ですよね?

A仕掛け者が先に切っている牌の周りが安全だと思って切るじゃないですか

Bすると突然ポンの発声があったんですよ、えっ?って思うじゃないですか

Cその時に出てくる手出しが待ちに関連している可能性が高いんですよ


例えば、

一萬三萬四萬五萬六萬七萬八萬九萬三筒三筒ポン中中中ドラ中

ドラをポンしているこの手牌。

仮に3pが出たらどうするだろう?

喜んでポンする人が多いはずだ。

しかし、手順上河には2pや4pなどの周辺牌が並んでいることも多く、実際は少し違和感のあるポンに映る。

この際の手出し1mが待ちに関連している可能性が極めて高い、というわけである。


ポンの場合は、この例のように待ちを増やす目的だったり、愚形待ちから一旦単騎待ちに変化させて柔軟な構えにする目的でなされることが多い。


厚い部分を先切りするということは、ターツ候補が充足しているということを表しているため、その状態から一手進むことで速度が保証され、かつ弱い部分(つまり厚く持っている部分)周辺が手出しで出てきやすいため、待ちに関連している可能性が高いと読み解くことができるわけだ。


それでは、実戦例から見ていこう。



case1
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東1局、開局の親番。

上家が3pを両面でチーしたところ。

上家は3巡目にして早くもドラ切り。

ドラを先切りして両面固定しているわけだから、誰もがおっ?と思うはずだ。


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注目の手出しは7m。

58mがとにかく切りづらい河になっている。

マンズを厚く構えるならドラを温存しそうなものだが、7700以上が確定しているならドラ先切りもありえるか。

778mや788mだったら6mはチーしてそうだな、などと考えると待ちの形は絞られるかもしれない。


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と思ったら、最も危険な5mが色つきで放られた。

一体上家は何をしているのだろうか?

7mは手牌に関連していない?


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こちらも慎重に打ち回し、海底間際で形式テンパイに取ることに成功

7pは上家にはさすがに当たらないだろう。

下家への放銃リスクがなくなり、切りやすくなった。


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最後の最後に当たり牌が出てきて、僥倖の1500GET。

河底のみ。


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注目の上家は…345の三色でカン4m待ちだった。

3pチーからなら役が確定して仕掛けやすく、なるほどと思わされる。


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ドラ切りはここから。

7700以上が確定していれば、ドラは惜しみなく切りやすい。

三色含み・リャンカン含みということで、両面固定はむしろセオリー通り。

強い部分は固定する、弱い部分は厚く持つの典型的な形で、最終手出しの7mはやはり待ちに関連していた。


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むう、と呻(うな)らされるのがこの赤5mツモ切り。

これにより一気にマンズの印象が安くなり、すんなりと4mを拾える河を作っている。

たまたま私の手に4mは暗刻だったわけだが、見習うべきおとり赤切りの一例だろう。

リャンカン形は手牌構成上先切りが起こりやすい形につき、先切り周辺の仕掛けにおいては特に警戒すべき待ちのパターンとなる。



case2
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南1局1本場、32400点持ちトップ目の北家。

ここから6sをツモ切ったところ…


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下家のチーが入る。

予期に反して678でのチー。


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ここで出てくる手出しがポイントとなる。

8sを先切りしているわけだから、この9mが手牌に無関係とは考えづらい。

直前の8mがポンされていないし、7mが自身の手から3枚見えていて、組み合わせ的にはかなり限定されているように見えるが…


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実際の下家の手牌はこう。

9mが手牌に関連しているとわかれば、カン6m待ちを想定することはたやすい。

しかし、9mを無関係だと考えてしまうと待ちの候補はグッと増えてしまう。

これを判定する根拠として、先切りで受け入れを狭めているのはなぜか?という思考に辿りつけば答えを導きやすい

牌効率的に先切りは必要に迫られてやっていることが多いため、通常よりも最終手出しが待ちに絡んでいる可能性が格段に上がるのである。

9mが先に切ってある白よりも危険度が高いことも、それを裏付けるものとなる。


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本局は上家がかわして、300・500のツモ。

下家の打点を見ると決して軽視できない仕掛けであったことがわかるだろう。



case3
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南3局1本場、22700点持ち3着目の南家。

9pポンしてチンイツのテンパイに。

待ち的にもアガれそうに見える、かなりのチャンス手だ。


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親が自風の東をポンして、このあと手出し6p。


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2pをツモってきて、何を切るか?





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7p切りとした。

アガリだけで見るとそのままシャンポンの方が優秀だが、親に対して14p、25pはいずれも結構危険に見えた。

親は東ポン出しの6pにつき、通常は6p周辺で雀頭ができていることが多く、14p25pに比して7pは若干安全度が高いと踏んだ。5p6pが3枚ずつ見えているというのもある。

しかし、この7pにポンの声がかかる。違和感のある仕掛けだが…


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手出しは7m。

これは確実に手牌に関連しているだろう。

上家の手はどのような形が想定できるだろうか?





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結論から言うとこう。

ピンズは出来メンツで、カン8mからドラ単騎への移行だった。

打点が上昇するのと同時に、単騎待ちにしておけば受けに強みがある。


34336.jpg

結果、上家と私の二人テンパイで流局となった。

4pをツモったことで、テンパイ維持のためにいずれかのスジを切らざるをえなくなった。

1pの方が危険だが、2p切りはフリテン受けになってしまうため、1p切りを選択した。


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ポンの結果、手順で上家はホンイツに移行していったが、なんと私のアガリ牌である3pをピンポイントで食い取られてしまった

無邪気に1pを切っていれば、すんなりツモアガリがあったわけだ。


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さらに、下家の3mチーによって、ラストの3pが下家に流れてしまった。

なんという巡り合わせ、なんたる不遇。

下家は3pを掴んでオリに回った。当然と言えば当然だが、さすがと言えばさすが。


34339.jpg

狙いの48pは山に3枚もあった。

下手に受けずにこの形のまま突っ張っていたらアガリは硬かっただろう。

それよりも、この場面における対面の手をご覧いただきたい。

愚形待ちとはいえ、赤3ドラ1のテンパイが既に入っている。

何かを察知した対面はここから躊躇なくオリる。

結果、放銃を回避した形となっている。

あなたにはこれができるだろうか?鳳凰卓ではこのような高度な駆け引きが常に行われているのである。

ちなみにこの対面は、ASAPINの実兄のゆーせいさんである。麻雀においても血は争えないことを思い知らされる1コマであろう。


最終手出しの隣牌がポンされるケースでは、超好形変化か、このような愚形からの単騎移行が散見される。

覚えておいて損はないだろう。

ちなみに、本局悔しい流局となった私だが、この半荘はトップ捲りで終えることができた。



case4
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南2局、19900点持ち3着目の西家。

ラス目の南家が2sをポンしたところ。

おやおや?3s切っておいて2sポンとな。


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注目の手出しは8p。

7p6p5pあたりをマーク。


40231.jpg

直後に持ってきたのは西。

これは生牌だが、さてどうするか?





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ドラも見えているからと押したところ、これが当たりで想像より高い。8000。

上家の河的にこれは押してはいけないやつだった。


40233.jpg

上家の3s切りはこの形から。

両面否定トイツ固定からのポンが明白なので、こういうケースではトイトイを警戒する必要がある。

一鳴き目がトイツ固定からのポンだと、トイトイの可能性はグッと上がるだろう。


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そういう観点でいくと、最終手出し8pの周辺生牌である7pは待ちの筆頭候補となる。

ラス目が効率を犠牲にしている以上、しっかりと警戒すべき局面であった。

片割れの特定は難しいが、生牌は警戒してしかるべきだろう。


このように、先切り牌周辺の仕掛けは速度が伴っており、最終手出しから待ち読みのヒントになることが多いため、特に注意して見ておくといいだろう。



ラベル:天鳳 読み
posted by はぐりん@ at 22:00 | Comment(0) | 読み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月03日

4枚チートイで突っ張る男

あけましておめでとうございます。

2021年もこのブログをよろしくお願い致します。



2020年は、既存の価値基準が崩壊しパラダイムシフトと呼ばれる大転換が起こった歴史的な年だった。

人々の生活様式や働き方が刷新される様は、ニューノーマル時代の到来を予感させるものであった。

当面はこの流れが続くこととなるだろう。

そこで、私は麻雀界におけるニューノーマルを予想してみた。


・マスクをした人型AIロボットが実際に雀荘で打つ

→AIの強さは1から6までの6段階設定で、大抵の日は最強の1に設定されている

→女流プロの来店日のみ甘甘の設定6を使うこともあるとか?

→ロボットは話しかければ答えてくれるがたまにオカマっぽくなる

→発声がワンテンポ遅いので邪魔ポンが有効らしい


・麻雀界のニューノーマルはなんと流れ論だった!?

→進化したAIが流れ論を取り入れ始める

→流れ論が脚光を浴び、30年ぶりに麻雀ブームが復活する

→自然から流れを取り入れる、ということで青空麻雀教室が催される

→師範として雀鬼桜井章一氏が、講師として土田浩翔氏が招かれる


・似非麻雀ブームが起こる

→麻雀をやっているかと思ったら上海だった

→盲牌をやっているかと思ったら親指の筋トレだった

→上から牌が降ってきて高い役を作るパズルゲームがヒットする

→麻雀牌のお菓子を作ってインスタに載せる女子が急増

→白をもじった豆腐が売れる



麻雀界はニッチだが、遊戯人口は510万人(レジャー白書2020より)とテーブルゲームの中でも無類の多さを誇っている。

発想によっては何かビジネスチャンスが眠っているかもしれない。


さて、今年の麻雀の抱負として、とある半荘の1シーンを用意した。

まずはそちらをご覧いただきたい。



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南2局、18900点持ち3着目の北家。

ラス争いはやや僅差で団子状態となっている。

トップ目上家の先制リーチに、2着目の対面が6pをカンして追っかけた局面。

こちらはチートイイーシャンテンでギリギリ粘っている。


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直後に持ってきたのはテンパイとなるドラだった。

25pは両者に無スジ、8sは上家に通っていない。

さて、どうしよう?





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私の選択はなんと、8sの勝負だった。

当然ながら4枚チートイという役はないため、ノーテンのままリーチに突っ張っている状況だ。

2件に対してさすがに25pは厳しいという見立て。

場に1枚切れのドラはリーチには割と通りそうだが、絶対はない。


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さらに持ってきたのは、これも両者に無スジの2s。

無スジだらけで厳しい状況だが、ここから何を切る?





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気合いで2sを押すと、これがトップ目に当たり。

自身がアガれない手からの放銃は、押し過ぎ感もある。

裏ドラが2種めくられるが、果たして…


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幸いなことに1枚も乗らず、1300オンリー。

痛恨の大失点かと思いきや、3着キープの最少失点で済んだ。

ええ、サシコミですとも( ̄ー ̄)ニヤリ


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自身も迷った分岐の場面。

テンパイだからと2pを押していたら、対面に一発で6400を献上しているところだった。

良い放銃で流れを掴んだ私は、勢いに乗じて2着捲りでフィニッシュ

トイツ系雀士の面目躍如となった。


今年の抱負

アガれない 4枚チートイで突っ張る男 そんな男に私はなりたい


ラベル:ネタ
posted by はぐりん@ at 01:00 | Comment(0) | 天鳳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月27日

史上最悪の大逆転 ラス転落

早いもので、激動の2020年も終わりを迎えようとしている。


今年はコロナウイルスの影響で、私自身リアル麻雀は年初の1回のみだった。

私のようなただの麻雀フリークは、このような事態において「打たない」ことを選択できるわけだが、
麻雀業界関係者、麻雀プロの方々は歩みを止めるわけにもいかず、非常に苦労されたのではないだろうか。

春〜夏のシーズンにかけて休止していた活動が再開され、今大変忙しい時期だとお聞きする。

投げ出したくなることもあっただろうに、継続して活動されている方に心から敬意を表したい。


不思議なもので私自身はリアルを打ちたいという衝動に駆られることがなかった。

コロナ感染の脅威がそうさせるのかは不明だが、元々フリーに積極的に出向くタチではなかったからかもしれない。

しょっちゅう雀荘に行っているという知り合いによれば、普通に稼働しているそうである。

雀荘がクラスタになっているという話も聞かないのは、健康リテラシーの高い日本人らしいといえばらしい。


実戦日記がなくなり、ネタに困るかなと思いながら、気づけば今年が終わっていた。

実戦日記はブログのアクセントにもなっていたので、見栄えがやや淡白になってしまったかもしれない。

過去の実戦日記についてはサイトポリシーの関係で一旦全部非公開としたが、形を変えて公開することも検討しています。


さて、私にとって2020年を語る上で欠かせない天鳳の一局がある。

一年の趨勢を決定づけたと言っても過言ではない一局だ。

早速、それをご覧いただきたい。



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南3局、55300点持ちダントツトップ目の南家。

上家の親さえ流すことができれば、トップは確約されている状況だ。

十分にアガリが見えるくらい配牌も整っている。


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5巡目に東をツモってきて、ここで自然に3s切りとした。

3sは親の現物ではあるが、相手リーチに放銃するためにわざわざ取っておくこともあるまい、と思ったからだ。

対面への7700放銃は次局ハネツモでトップ捲りが現実的となる。

こちらのターツ候補は揃っており、ソーズを伸ばす必要性もない。


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ピンズが好形になり、5sをツモってきたところ。

2着目の対面が2つ仕掛けを入れている。

さて、ここから何を切る?





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親の現物の5sを温存して東を切り出すと、親からロンの声が。

しまった、東を切り遅れた。

確かに親はノータイムのドラ切りだった。

シャンポンか、単騎か、いずれにせよダマなら親満クラスは覚悟しなければならないだろう。


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絶句した。こくし…だと?

頭が真っ白になった。

東をわざわざテンパイまで引っ張ったのであれば最悪だ。


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実際は、なんとこの時点で東が捕まっていた。

あろうことかわずか3巡目の親国士テンパイであった。


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配牌は11種11牌。

余る牌がばらけているのもプラス。


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48000の一撃で100点差のラスに転落した私は、その後挽回できずにラスで終わった。

既にテンパイを警戒して受けに回っているかのような3着目下家に対し、何とか流局まで持ち込めればという私の焦燥の中に激闘の様子がうかがえる。

勢いそのままに上家がアガり切っている。


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ちなみに、私が東を抑えた場合、下家に2pポンが入って対面が7sツモアガリになるか、動きがなければ親が7sを掴んで対面に放銃している可能性が高い。

いずれにせよ、ツモ山にもう1枚の東がさしかかる前に脇で決着がついたわけである。


これほどの大逆転を喰らった経験は私にとって初めてのことであった。

みなさんはこの一局を見てどのような感想を持っただろうか?



・基本的に親だけをケアすればいいのだから親に放銃するのはヌルい

・5巡目に放銃したのなら事故だが今放銃するのは事故ではない

・2フーロに対して切った親のドラ切りを軽視している


ごもっともである。

論理的に考えれば回避する要素がいくつもあったが、仮に打ったとしてもせいぜい親満ぐらいだと思っていた。

実戦では変化する状況に対して瞬間瞬間の判断が求められるため、もう少し感覚的なアプローチをしていることになる。


私が真に危惧したのは、感覚が研ぎ澄まされていない、という点だった。

言い換えれば危機回避に長けたところがない。

指運でも当たり牌の東を手元に置いたのであれば、通常はその流れで回避するのが強者の流儀である。

そうかと思えば似たような状況でテンパってもいない相手に牌を絞ったりする。


このゲームをきっかけに私の麻雀は噛み合わなくなり、この放銃が今年を占うものとなった。

気づけば私の身体はガッタガタになっており、天鳳を一時休止する運びとなったというわけだ。


人間万事塞翁が馬という言葉がある。

何が幸せで何が不幸せなのかは後になってみないとわからない、という意味である。

一つのことしかできない不器用な私に、神様は負けという形で私を気遣って下さったのではなかろうか、次第にそう思うようになった。

おかげで様々なことに気づけるようになり視野が広がった。

運動不足を解消して健康に気を使うようになったのは、単に歳を取っただけかもしれないが。


必ずや戦線に復帰し、また情熱を持って天鳳に取り組みたい。

そろそろ日本にも好景気がおとずれ、フラリと雀荘に傀が現れる頃かもしれない。

来年もブログは更新しますので、引き続きよろしくお願いします。

それではみなさま、良いお年を。



ラベル:天鳳 不調 逆転
posted by はぐりん@ at 23:00 | Comment(4) | 不調 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする